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1430 1stコーポ

東証S
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100株
PER PBR 利回り 信用倍率
8.3 1.22 3.62 18.00
時価総額 115億円
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1stコーポ Research Memo(8):免震・耐震に優れた新建築技術の研究開発に注力


■ファーストコーポレーション<1430>の中期的な展望

1. 免震・耐震に優れた新たな建築技術の開発
中期的には、建築技術に関する新たな手法を開発し、他社と差別化を図ることによって受注拡大につなげていく方針である。具体的には、免震・耐震に優れた新建築技術の開発に向けて、研究開発に注力している。現在の新耐震基準は1981年から施行されている。施行から40年以上が経過しており、国土交通省の調査によると、2023年末には新耐震基準のマンションで築年数が40年超となるものが約34万戸に上ると推定されている。さらに、2038年末には、その約8倍の約260万戸まで膨らむという。一般的にマンションは、築30~40年で建て替える傾向が多く、新耐震基準対応のマンションであっても今後、建て替えのニーズが発生していくことは想像に難くない。そうしたなか、同社の免震・耐震に優れた新たな建築技術が差別化要因になると弊社は考える。今後は、研究開発に引き続き注力しながら、投資家に向けて進捗状況の開示を適宜実施していく方針だ。

また、同社が主要事業エリアとしている1都3県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)の分譲マンション建設市場は、全国的に人口が減少するなかにあって増加傾向をたどっているほか、同社のこの地域でのシェアは直近で1.14%であり、なお市場開拓の余地が広いと言えそうだ。


九州支店でもオフィスビルを建設。実績を基にさらなる事業拡大を模索中
2. M&Aを念頭に置いた事業展開
建設業界における足元のマイナス要因の1つは慢性的な人手不足である。状況によっては、営業費用の増加につながる要因として、人件費の高騰が収益を圧迫する可能性もある。

同社は、その解消策としてM&Aを念頭に置く。人材育成には時間を要するため、現状では規模に応じた受注を心掛けているものの、必要に応じてM&Aによる陣容増強に踏み切る。M&Aについてはコストパフォーマンスに留意し、慎重に行っていく方針である。さらに、新たな事業領域を広げるためにM&Aを活用する考えだ。

一方、将来の成長性を考えたうえで重要なポイントとなるのがエリアの拡大で、注目すべきは九州支店だ。同支店については、2018年4月にオープンした後、投資の状態が続いていたものの、直近では博多区においてオフィスビルを手掛けたほか、事業用地の売却も行うなど、事業活動の幅を確実に広げている。

福岡のマンション市況は、アジアへの玄関口であるこの地域の人口が2038年まで増加が見込まれていることから、将来的なビジネスの展開を踏まえても、ここに支店を開設した意味は大きい。


中期経営計画「Innovation2022」を策定
3. 中期経営計画について
2022年7月、同社は新中期経営計画「Innovation2022」を策定した。前中期経営計画「Innovation2021」の最終年度まではまだ時間があるものの、現在の不動産市況に関する見通しをより正確に反映させるために新中期経営計画の策定を行った格好だ。新中期経営計画「Innovation2022」においても基本的な方針に変わりはない。創業10年目の節目を越えたことで、将来的に「年商500億円企業」を目指すため、業容拡大と利益水準の向上に継続的に取り組むとともに、新たな価値の創出と持続的な成長を目指すことを基本方針として掲げている。

この計画では、前中期経営計画を継承し、重点施策として以下を挙げた。
1) 中核事業強化の継続
2) 再開発事業への注力
3) 事業領域拡大による新たな価値創出
4) 人材の確保・育成、働き方改革の推進

中核事業におけるポイントとなるのは、やはり造注方式の推進だ。造注方式は同社にとって成長の原動力となるため、コンスタントな用地確保がカギとなることは今後も変わりなく、建築事業の強化も図る。

再開発事業は前述したとおり、群馬県前橋市のプロジェクトに続き、横浜市緑区、青森県弘前市など新たなプロジェクトについての布石を打っているが、この拡充によって中長期的な収益基盤の確立を目指す。さらに、収益基盤を多様化するため、M&Aによる業容拡大や、周辺事業にも力を注ぐ考えだ。

「Innovation2022」の数値目標としては、2024年5月期に売上高30,000百万円、営業利益2,400百万円、経常利益2,350百万円、当期純利益1,595百万円、受注額21,000百万円、2025年5月期に売上高31,000百万円、営業利益2,480百万円、経常利益2,400百万円、当期純利益1,632百万円を掲げている。数値目標の達成に関して、確度は比較的高いと弊社は考える。同社が扱う案件は工期が長いことに加えて、工事進行基準で売上が計上されるため、将来の見通しが立てやすいことが理由だ。また、足元で受注が好調に推移していることも、プラス材料と言えるだろう。加えて、前期のような想定外の不動産案件の成約などがあった場合、計画を上回って着地する可能性もあると弊社は考える。同社としても、株主価値の向上を実現するために、積極的に計画値を上回る業績の実現を追求していく構えだ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)

《YI》

 提供:フィスコ

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