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明日の株式相場に向けて=強靱な米消費の腰折れはあるか

 きょう(28日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比21円高の2万7445円と小幅反発。TOPIXもプラス圏で引けているが、プライム市場の値上がり銘柄数806に対し値下がり銘柄数は973と個別株でみると冴えない地合いであったことが分かる。上値を積極的に買う動きは見られないものの、下値を探る展開ともならないフワフワと中空を舞うような相場が続いている。

 前日は週明け特有の模様眺めムードということもあったが日経平均は狭いゾーンでの往来に終始し、結局小幅安で着地。売買代金も2兆2000億円台にとどまるなど低調だった。きょうもその低調モードが継続し、2万7000円台半ばで上がるでも下がるでもない相場が繰り返された。ちなみに売買代金をみるときょうは3兆4000億円近くに達し、これは今月10日のオプションSQ算出日以来となる活況商いであったのだが、市場関係者によると「盛り上がったのはMSCI絡みの指数売買の影響。強弱観を対立させ売り買いがぶつかり合うような音が聞こえてこない地合い」(ネット証券ストラテジスト)という。

 米国で発表される経済指標は、ここ軒並み事前コンセンサスを上回る強い数字で、マーケットが思い描いていたインフレ沈静化及び利上げ打ち止めへの期待がしぼんでいる。2月第1週末(3日)に発表された1月の米雇用統計で非農業部門の雇用者数の伸びが前月比で51万人あまりと想定外の強い数字であった時は、一瞬息を呑んだ市場関係者も多かったと思われるが、まだこの時はマーケットもそれほどピンと来ていなかったようにも見える。実際、NYダウの下げ幅は3日と翌週明け6日を合計しても160ドル程度にとどまった。しかし、その後に発表された1月の米CPI(14日)、米小売売上高(15日)、米PPI(16日)などが軒並み予想を上回り、更に直近では前週末24日に発表された1月のPCEデフレーターも追い打ちをかけた。食品・エネルギーを除くコア指数が前月比、前年比ともに市場予想を上回ったことで、さすがにマーケットも動揺を隠せない状況となった。

 米インフレは思った以上に粘着性が強いことを否定する要素がなくなっている。これとほぼ同じ時間軸で米国ではカードローンの返済に難儀する個人が増えているという話も広がり、仮に今後消費が落ち込めば、インフレ下の消費低迷というスタグフレーションに陥る可能性が高まることになる。株式市場は再びリスクオフの流れに晒されるというシナリオの下で、「いったん手仕舞いした(買い戻した)空売り筋に再びショートポジションを積み上げる動きが観測された」(中堅証券ストラテジスト)という。

 ところが、米国株市場はことのほか押し目買い意欲が活発だ。「消費が強ければFRBの利上げ長期化はある程度許容できるが、その頼みの綱の消費が実は底堅いという認識が広がっている」(同)という。米株市場にとって長い目で見ればターミナルレートが切り上がることよりも、今後も粛々と進むFRBのバランスシート圧縮、つまり量的引き締め(QT)の影響を警戒すべきであるが、ポイントは実勢経済の動向で消費の腰折れがあるのか否かがカギを握る。ノーランディングとは言わないまでもソフトランディングを成就させることができれば、企業価値が支えとなって株価の暴落シナリオはないという見方も根強い。

 では、果たして消費が思った以上に強い背景は何か。別の市場関係者からは、「(消費の強い背景として)米国ではコロナ禍の間に過剰貯蓄が膨らんでいる。また、バイデン米政権はクレジットカードの延滞手数料の引き下げのほか、一部返済を国が肩代わりするというような政策補助の思惑、更に減税案なども取り沙汰されているもようだ」(ネット証券マーケットアナリスト)という声が聞かれる。来年の大統領選を控え、「庶民の味方」をアピールしたいバイデン大統領にとって、ここは力の入れどころでもある。当然ながら株価の暴落などは望むはずもない。こうした事情がマーケットを縁の下で支えている可能性がある。

 あすのスケジュールでは、2月の新車販売台数、2月の軽自動車販売台数のほか、(3月開催分から)株主総会資料の電子提供制度が開始される。海外では22年10~12月期豪国内総生産(GDP)、2月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)、2月の中国非製造業PMI、2月の財新中国製造業PMI、2月の独失業率、2月の独消費者物価指数(CPI)、2月の米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況指数、1月の米建設支出など。なお、韓国市場は休場となる。(銀)

出所:MINKABU PRESS

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