利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】第1弾 32社選出 <成長株特集>
本特集では、10月下旬から11月中旬までの決算集中期間に配信した「利益成長“青天井"銘柄リスト」を、“全期間”を対象に再構成した総集編をお届けします。今回は総集編 第1弾として、19日時点の時価総額が700億円以上の銘柄を対象に、24年7-9月期に四半期ベースの過去最高益を更新し、かつ今期も最高益を見込む、いわゆる利益が“青天井”状況になっている銘柄をリストアップした。
下表では、本決算月にかかわらず、24年7-9月期に経常利益が全四半期ベースの過去最高益を更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も最高益見通しを示している32社を選び出し、7-9月期実績の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。
上振れ率トップとなったのは、さくらインターネット <3778> [東証P]。24年7-9月期(第2四半期)は6月に本格提供を開始した生成AI向けGPU(画像処理半導体)クラウドサービスで、8月に第1次投資計画分(「NVIDIA H100 Tensor コアGPU」約2000基)の収益化を達成し、経常利益は10億円とこれまでの過去最高を2.3倍も上回って着地。併せて、GPU基盤の早期整備に向けて、米エヌビディア<NVDA>から最先端モデルGPU搭載サーバーなどを追加調達すると発表している。
3位のTREホールディングス <9247> [東証P]は、建設系廃棄物処理・再資源化事業を中核とする子会社のタケエイで能登半島地震に伴う災害廃棄物の処理支援事業が大きく伸び、7-9月期(第2四半期)は売上高277億円(前年同期比23.9%増)、経常利益42.7億円(同2.3倍)といずれも過去最高を更新した。決算発表前の10月15日には25年3月期通期の経常利益予想を大幅上方修正しており、これを受けて株価は同月21日に約2年4ヵ月ぶりの高値をつける場面があった。
4位に入ったみずほリース <8425> [東証P]の7-9月期(第2四半期)経常利益は214億円と過去最高だった前年同期を36.1%上回って着地。不動産・環境エネルギー事業が不動産分野における大型案件の成約もあって伸長したほか、海外・航空機事業では昨年買収したインドのリース会社Rent Alphaが大口解約・売却益を計上したことが寄与。また、持ち分法による投資利益が増加したことも利益を押し上げた。
6位のゼンショーホールディングス <7550> [東証P]は海外事業における複数の持ち帰りすし店運営会社の買収効果に加え、主力の牛丼チェーン「すき家」、回転ずし「はま寿司」の既存店売上高が前年同期を上回って好調に推移し、7-9月期(第2四半期)は3四半期連続の最高益更新を遂げた。11月18日には「すき家」で今期2度目となる値上げを実施すると発表。これが評価される形で株価は急伸し、上場来高値圏を走る展開となっている。
7位にリスト入りしたバンダイナムコホールディングス <7832> [東証P]の7-9月期(第2四半期)は、デジタル事業で家庭用ゲーム「ELDEN RING(エルデンリング)」のダウンロードコンテンツや本編リピート販売が大きく伸びた。また、トイホビー事業ではプラモデルを中心とする大人向け商品やトレーディングカードゲームなど、利益率の高い商品・サービスが好調だった。なかでもガンダム、ドラゴンボール、ONE PIECE商品が大きく貢献した。足もとの好調な業績を踏まえ、上期決算の発表前に25年3月期通期の経常利益予想を大幅上方修正し、3期ぶりに過去最高益を更新する見通しを示している。13日には新作タイトル「ELDEN RING NIGHTREIGN」を来年に発売すると発表。これが好材料視されて株価は急騰し、22年8月につけた上場来高値を更新している。
9位に入ったのはミネラルウォーター、茶、炭酸水に特化した飲料メーカーのライフドリンク カンパニー <2585> [東証P]。7-9月期(第2四半期)は既存工場の稼働率向上や子会社ニットービバレッジの生産能力増強、御殿場新工場の稼働によって生産数量が増加したほか、コスト増加に対応した製品の価格改定効果なども寄与し、経常利益は18億円(前年同期比20.6%増)と4四半期ぶりに過去最高益を達成した。併せて、ニットービバレッジの水飲料ライン増設やミネラルウォーター製造の事業譲受を発表したことも好感され、株価は11月27日に上場来高値2540円まで上値を伸ばした。
選出リストには好決算を受けて上場来高値を塗り替えた企業が目立つ。ゼンショHD、バンナムHD、Lドリンクのほか、中国塗料 <4617> [東証P]、シグマクシス・ホールディングス <6088> [東証P]、楽天銀行 <5838> [東証P]、第一実業 <8059> [東証P]、NSD <9759> [東証P]、太陽ホールディングス <4626> [東証P]、フジクラ <5803> [東証P]も決算発表後に上場来高値を更新した。足もとで利益確定売りに押されている銘柄もあるが、押し目買い候補として注目したい。
┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想
コード 銘柄名 上振れ率 7-9月期 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高 PER
<3778> さくらネット 126 1007 445 105 2450 1194 110
<8766> 東京海上 114 672914 313866 47.2 1240000 842576 12.2
<9247> TREHD 62.5 4270 2628 49.0 11600 7787 11.0
<8425> みずほリース 36.1 21428 15739 8.1 55000 50897 7.4
<4180> Appier 31.9 836 634 88.4 2003 1063 75.1 *
<7550> ゼンショHD 29.7 22080 17023 20.8 61500 50913 39.6
<7832> バンナムHD 29.7 66481 51274 22.0 163000 133608 22.1
<4071> PAコンサル 25.7 1431 1138 23.3 5600 4540 20.7
<2585> Lドリンク 20.6 1809 1500 22.7 5650 4606 29.9
<8050> セイコーG 20.6 7418 6152 13.3 18000 15894 16.8
<4107> 伊勢化 13.4 2316 2043 29.0 6600 5117 29.7
<8725> MS&AD 11.2 332178 298624 114 893000 416440 8.2
<5253> カバー 11.0 2384 2147 29.8 7300 5623 32.1
<4617> 中国塗 9.9 4636 4218 16.7 15200 13025 8.8
<6988> 日東電 9.3 58333 53361 22.6 180000 146840 13.7 *
<8117> 中央自 9.3 3309 3027 4.8 11800 11258 9.9
<2124> ジェイエイシ 8.6 2889 2659 7.2 8800 8209 19.2
<7747> 朝日インテク 7.3 8767 8168 16.2 25528 21968 36.2
<6088> シグマクシス 6.7 1550 1452 30.2 5650 4338 18.9
<9960> 東テク 6.1 3770 3552 22.8 13000 10585 12.4
<4307> 野村総研 4.2 33385 32050 10.0 129000 117224 30.2 *
<6200> インソース 4.0 1396 1342 11.7 5520 4940 25.3
<7735> スクリン 3.9 30757 29589 20.4 113500 94279 11.3
<5838> 楽天銀 3.7 15828 15261 34.6 65083 48367 17.1
<6367> ダイキン 3.6 118975 114809 7.0 392000 366245 19.5
<8059> 第一実 3.3 4379 4240 14.4 10300 9004 11.8
<3064> モノタロウ 3.1 9262 8984 13.6 35835 31538 53.7
<6370> 栗田工 3.1 12666 12288 17.5 49000 41686 17.8 *
<9759> NSD 2.8 4258 4144 10.2 16900 15340 23.5
<4626> 太陽HD 0.8 6235 6183 16.8 21100 18062 15.3
<9889> JBCCHD 0.3 1663 1658 29.7 5900 4549 17.3
<5803> フジクラ 0.1 26107 26090 47.7 103000 69733 27.8
※ 2023年9月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した2003年4-6月期以降の業績に基づいたものです。
※過去最高益は同一会計基準内が対象。「*」は国際会計基準または米国会計基準を採用する銘柄。
株探ニュース
下表では、本決算月にかかわらず、24年7-9月期に経常利益が全四半期ベースの過去最高益を更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も最高益見通しを示している32社を選び出し、7-9月期実績の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。
上振れ率トップとなったのは、さくらインターネット <3778> [東証P]。24年7-9月期(第2四半期)は6月に本格提供を開始した生成AI向けGPU(画像処理半導体)クラウドサービスで、8月に第1次投資計画分(「NVIDIA H100 Tensor コアGPU」約2000基)の収益化を達成し、経常利益は10億円とこれまでの過去最高を2.3倍も上回って着地。併せて、GPU基盤の早期整備に向けて、米エヌビディア<NVDA>から最先端モデルGPU搭載サーバーなどを追加調達すると発表している。
3位のTREホールディングス <9247> [東証P]は、建設系廃棄物処理・再資源化事業を中核とする子会社のタケエイで能登半島地震に伴う災害廃棄物の処理支援事業が大きく伸び、7-9月期(第2四半期)は売上高277億円(前年同期比23.9%増)、経常利益42.7億円(同2.3倍)といずれも過去最高を更新した。決算発表前の10月15日には25年3月期通期の経常利益予想を大幅上方修正しており、これを受けて株価は同月21日に約2年4ヵ月ぶりの高値をつける場面があった。
4位に入ったみずほリース <8425> [東証P]の7-9月期(第2四半期)経常利益は214億円と過去最高だった前年同期を36.1%上回って着地。不動産・環境エネルギー事業が不動産分野における大型案件の成約もあって伸長したほか、海外・航空機事業では昨年買収したインドのリース会社Rent Alphaが大口解約・売却益を計上したことが寄与。また、持ち分法による投資利益が増加したことも利益を押し上げた。
6位のゼンショーホールディングス <7550> [東証P]は海外事業における複数の持ち帰りすし店運営会社の買収効果に加え、主力の牛丼チェーン「すき家」、回転ずし「はま寿司」の既存店売上高が前年同期を上回って好調に推移し、7-9月期(第2四半期)は3四半期連続の最高益更新を遂げた。11月18日には「すき家」で今期2度目となる値上げを実施すると発表。これが評価される形で株価は急伸し、上場来高値圏を走る展開となっている。
7位にリスト入りしたバンダイナムコホールディングス <7832> [東証P]の7-9月期(第2四半期)は、デジタル事業で家庭用ゲーム「ELDEN RING(エルデンリング)」のダウンロードコンテンツや本編リピート販売が大きく伸びた。また、トイホビー事業ではプラモデルを中心とする大人向け商品やトレーディングカードゲームなど、利益率の高い商品・サービスが好調だった。なかでもガンダム、ドラゴンボール、ONE PIECE商品が大きく貢献した。足もとの好調な業績を踏まえ、上期決算の発表前に25年3月期通期の経常利益予想を大幅上方修正し、3期ぶりに過去最高益を更新する見通しを示している。13日には新作タイトル「ELDEN RING NIGHTREIGN」を来年に発売すると発表。これが好材料視されて株価は急騰し、22年8月につけた上場来高値を更新している。
9位に入ったのはミネラルウォーター、茶、炭酸水に特化した飲料メーカーのライフドリンク カンパニー <2585> [東証P]。7-9月期(第2四半期)は既存工場の稼働率向上や子会社ニットービバレッジの生産能力増強、御殿場新工場の稼働によって生産数量が増加したほか、コスト増加に対応した製品の価格改定効果なども寄与し、経常利益は18億円(前年同期比20.6%増)と4四半期ぶりに過去最高益を達成した。併せて、ニットービバレッジの水飲料ライン増設やミネラルウォーター製造の事業譲受を発表したことも好感され、株価は11月27日に上場来高値2540円まで上値を伸ばした。
選出リストには好決算を受けて上場来高値を塗り替えた企業が目立つ。ゼンショHD、バンナムHD、Lドリンクのほか、中国塗料 <4617> [東証P]、シグマクシス・ホールディングス <6088> [東証P]、楽天銀行 <5838> [東証P]、第一実業 <8059> [東証P]、NSD <9759> [東証P]、太陽ホールディングス <4626> [東証P]、フジクラ <5803> [東証P]も決算発表後に上場来高値を更新した。足もとで利益確定売りに押されている銘柄もあるが、押し目買い候補として注目したい。
┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想
コード 銘柄名 上振れ率 7-9月期 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高 PER
<3778> さくらネット 126 1007 445 105 2450 1194 110
<8766> 東京海上 114 672914 313866 47.2 1240000 842576 12.2
<9247> TREHD 62.5 4270 2628 49.0 11600 7787 11.0
<8425> みずほリース 36.1 21428 15739 8.1 55000 50897 7.4
<4180> Appier 31.9 836 634 88.4 2003 1063 75.1 *
<7550> ゼンショHD 29.7 22080 17023 20.8 61500 50913 39.6
<7832> バンナムHD 29.7 66481 51274 22.0 163000 133608 22.1
<4071> PAコンサル 25.7 1431 1138 23.3 5600 4540 20.7
<2585> Lドリンク 20.6 1809 1500 22.7 5650 4606 29.9
<8050> セイコーG 20.6 7418 6152 13.3 18000 15894 16.8
<4107> 伊勢化 13.4 2316 2043 29.0 6600 5117 29.7
<8725> MS&AD 11.2 332178 298624 114 893000 416440 8.2
<5253> カバー 11.0 2384 2147 29.8 7300 5623 32.1
<4617> 中国塗 9.9 4636 4218 16.7 15200 13025 8.8
<6988> 日東電 9.3 58333 53361 22.6 180000 146840 13.7 *
<8117> 中央自 9.3 3309 3027 4.8 11800 11258 9.9
<2124> ジェイエイシ 8.6 2889 2659 7.2 8800 8209 19.2
<7747> 朝日インテク 7.3 8767 8168 16.2 25528 21968 36.2
<6088> シグマクシス 6.7 1550 1452 30.2 5650 4338 18.9
<9960> 東テク 6.1 3770 3552 22.8 13000 10585 12.4
<4307> 野村総研 4.2 33385 32050 10.0 129000 117224 30.2 *
<6200> インソース 4.0 1396 1342 11.7 5520 4940 25.3
<7735> スクリン 3.9 30757 29589 20.4 113500 94279 11.3
<5838> 楽天銀 3.7 15828 15261 34.6 65083 48367 17.1
<6367> ダイキン 3.6 118975 114809 7.0 392000 366245 19.5
<8059> 第一実 3.3 4379 4240 14.4 10300 9004 11.8
<3064> モノタロウ 3.1 9262 8984 13.6 35835 31538 53.7
<6370> 栗田工 3.1 12666 12288 17.5 49000 41686 17.8 *
<9759> NSD 2.8 4258 4144 10.2 16900 15340 23.5
<4626> 太陽HD 0.8 6235 6183 16.8 21100 18062 15.3
<9889> JBCCHD 0.3 1663 1658 29.7 5900 4549 17.3
<5803> フジクラ 0.1 26107 26090 47.7 103000 69733 27.8
※ 2023年9月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した2003年4-6月期以降の業績に基づいたものです。
※過去最高益は同一会計基準内が対象。「*」は国際会計基準または米国会計基準を採用する銘柄。
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