企業決算の本格化や衆院選を前に様子見ムード【クロージング】
21日の日経平均は小幅反落。27.15円安の38954.60円(出来高概算15億株)で取引を終えた。前週末の米国市場は主要株価指数が小幅ながら上昇したものの、日経平均は反落して始まった。その後、円相場が149円台前半へと前週末からやや円高に振れたほか、国内メディアが「自公過半数、微妙な情勢」と報じたことも投資家心理を圧迫し、38775.59円まで水準を切り下げた。ただ、企業業績への期待感も根強く、株価水準が切り下がる場面では、押し目を拾う向きもあり、前場終盤には39119.67円まで値を上げる場面もあった。後場は39000円を挟んでのこう着となった。
東証プライムの騰落銘柄は、値下がり銘柄が890に迫り、全体の過半数を占めた。セクター別では、海運、ゴム製品、精密機器など8業種が上昇。一方、電気ガス、水産農林、銀行、食料品など25業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、アドバンテス<6857>、東エレク<8035>、リクルートHD<6098>、ソフトバンクG<9984>、ディスコ<6146>が堅調だった半面、ファーストリテ<9983>、KDDI<9433>、TDK<6762>が軟調だった。
日経平均は先週、一時4万円の大台を回復したことから、海外短期筋による先物売りが先行した。また、直近で値を上げた三菱UFJ<8306>やみずほ<8411>、三井住友<8316>のメガバンクなどが利食い優勢となったほか、衆院選の先行き不透明感から政策関連として人気化した三菱重<7011>、川重<7012>、IHI<7013>も売られ、日経平均の下げ幅は一時200円を超えた。ただ、東エレクやアドバンテスなど半導体関連株が堅調で、日経平均は売り一巡後に切り返し、一時140円近く値を上げる場面もあった。
今週から主要企業の決算発表が本格化し、想定通り通期業績予想の上積みが期待できるのか確認したいほか、週末の衆院選で、自民党が大幅に議席数を減らせば、石破首相の求心力低下や政権安定への懸念につながり兼ねず、政治の混乱を嫌い海外投資家の売りを誘いかねない。そのため、選挙の情勢報道や選挙結果を見極めたいと考える向きも多く、全般は模様眺めムードの強い展開が予想される。
《CS》
提供:フィスコ