欧米為替見通し:ドル・円は底堅い値動きか、米利下げペースにらみドルに買戻しも
10日の欧米外為市場では、ドル・円は底堅い値動きを予想する。米インフレ指標が予想通り鈍化すれば、ドルは前日大幅高の反動で売り優勢の見通し。ただ、連邦準備制度理事会(FRB)の利下げペースは緩やかとみられ、ドルに買戻しが入りやすい。
前日公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨によると、大幅利下げに慎重な意見もあったが、大多数が支持。ただ、米長期金利の上昇でドル高に振れ、ユーロ・ドルは1.0930ドル台に弱含み、ドル・円は149円30銭台に強含んだ。本日アジア市場は中国政府による財政支援策への期待が高まり、上海総合指数と香港ハンセン指数が強含む展開に。ドル・円はリスク選好の円売りが強まり、149円半ばに浮上した。
この後の海外市場は米インフレ指標が注視される。米消費者物価指数(CPI)は低下が予想され、年末に向け利下げ継続への思惑から長期金利の低下を手がかりとしたドル売りが先行。半面、利下げは想定ほど急ピッチで進まないとの見方から、ドル買いは根強い。一方、日銀は金融正常化の政策方針を堅持するものの、衆院解散で政治の空白により今月末の金融政策決定会合は政策維持が見込まれ、円売り地合いが続くだろう。
【今日の欧米市場の予定】
・21:30 米・9月消費者物価指数(前年比予想:+2.3%、8月:+2.5%)
・21:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:23.0万件、前回:22.5万件)
・22:15 クック米FRB理事講演(起業家関連)
・23:30 バーキン米リッチモンド連銀総裁座談会参加(25年以降の経済見通し)
・24:00 ウィリアムズNY連銀総裁基調講演(NY州立大学ビンガムトン校)
・02:00 米財務省・30年債入札
《CS》
提供:フィスコ