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株高候補が目白押し、キラリ光る「眼鏡・コンタクト関連株」に焦点 <株探トップ特集>


―中長期の需要増見込める成長期待セクター、「アイシティ」運営する半導体関連企業などに注目―

  眼鏡 コンタクトレンズ関連株への関心が今後高まるかもしれない。足もとの株式市場では先行き不透明感が意識され、買い安心感や投資妙味のある銘柄を探す動きが続いており、その範疇にあるセクターの一つとして注目できる。また、眼鏡・コンタクトは中長期的な需要増加が見込まれる市場であり、成長が期待できるセクターとしても見逃せない。来週には大手眼鏡チェーン「Zoff(ゾフ)」を運営するインターメスティック <262A> [東証P]の新規上場が予定されており、これもセクターへの関心向上につながりそうだ。

●子どもの視力低下、原因は

 全体相場はボラタイルな展開が続いている。8月初旬の大暴落以降も日経平均株価は1000円、2000円幅で動く場面が散見され、投機筋による短期的な売買が幅を利かせている状況だ。日本では自民党総裁選を経て新内閣が発足したが、早期の衆院解散で今月下旬にも総選挙が行われる。続いて米国では11月に大統領選が控えている。日米の政局に加え、引き続き景気や金融政策の動向からも目が離せず、更に中東情勢など地政学リスクの高まりへの警戒も怠れない。

 こうした不透明要因の多い環境下では個別銘柄の選別がいっそう重要になる。業績が堅調なものはもちろん、配当や優待など株主還元で魅力ある企業に目を向けたいところ。そうしたなか注目なのが、眼鏡・コンタクト関連に位置づけられる銘柄群だ。業績が景気動向に比較的左右されにくく、安定した需要が見込める業態である点がポイントだ。眼鏡チェーン大手のジンズホールディングス <3046> [東証P]は24年8月期通期最終利益がほぼ倍増で、配当は2期連続の増配を計画。コンタクト大手のメニコン <7780> [東証P]も25年3月期通期で最終5割増益を予想し、こちらも増配を見込んでいる。

 眼鏡・コンタクトへのニーズは拡大していくと予想される。文部科学省が7月に公表した「令和5年度児童生徒の近視実態調査」によると、学年別の裸眼視力1.0以上の割合は小学1年生が8割程度(男76.91%、女81.11%)なのに対し、中学3年生では4割程度(男42.10%、女37.47%)にまで低下。反対に裸眼視力0.3未満の割合は、小1(男1.06%、女1.38%)から中3(男29.38%、女35.85%)にかけて急増している。社会のデジタル化の進展に伴い、ICT機器に接する機会が増えたことが背景にあるという。

●主力3銘柄

 デジタル化の進展はもはや止めることのできない社会の潮流だ。また、近視の子どもの多くは成人しても眼鏡・コンタクトが必要になると想定される。将来にわたって安定した需要増が見込める眼鏡・コンタクト関連株は中長期でマークしたい。

 前述のJINSHDは眼鏡チェーン「JINS(ジンズ)」を全国展開する業界大手。眼鏡に加えコンタクト、サングラス、老眼鏡など多様なアイウェア商品を手掛ける。コロナ禍収束に伴う業界全体の回復が続くなか、積極的な店舗戦略で成長を継続。オプションレンズ装着率の上昇なども寄与し、第3四半期累計の最終利益は前年同期比48%増の31億7300万円で着地した。24年8月期計画(35億円)に対する進捗率は9割に達する。

 メニコンの業績も良好だ。定額制コンタクト「メルスプラン」の会員数増や価格改定効果により、第1四半期の最終利益は前年同期比12%増の17億6500万円で着地。今25年3月期の通期計画(70億円)に対する進捗は順調だ。直近ではシンガポールのコンタクト製造・販売会社から傘下の東南アジア販売会社3社の株式を取得し、完全子会社化したと発表した。若年層の人口や所得が拡大している東南アジアでの旺盛な需要を捉える狙いだ。

 関連主力どころとしてはこのほかHOYA <7741> [東証P]が要マークとなる。同社は半導体製造用マスクブランクスの世界シェアトップ企業として知られるが、眼鏡レンズやコンタクトレンズをはじめとする医療製品も製造しており、半導体事業とともに2本柱で事業を展開している。コンタクト専門店「アイシティ」の運営も手掛ける。4-6月期は春先に発生したシステム障害の影響で医療製品部門が冴えなかったが、半導体事業の好調でカバーし、全体では大幅な増収・最終増益で着地した。

●インバウンド需要捉える好業績株、優待拡充銘柄など

 Japan Eyewear Holdings <5889> [東証S]はデザイン性や品質の高さに強みを持つ眼鏡メーカー。眼鏡の生産地として知られる福井県鯖江市に本社を置く。拡大を続ける旺盛なインバウンド需要を捉え、業績は高成長トレンドをまい進。今25年1月期も売上高、営業利益とも過去最高業績の更新を見込み、配当も大幅な増額を計画する。

 粧美堂 <7819> [東証S]は化粧品や雑貨を手掛けるファブレスメーカーで、コンタクトの販売も行っている。同社もインバウンド需要の追い風を受けており、商品の高付加価値化や価格改定も奏功し業績は好調。24年9月期は連結で最終5割増益と、単独決算時代も含め約十数年ぶりに最高益を更新する見通し。増配も計画し、足もとの利回りは3%台後半だ。

 配当利回りの高さでは、エステールホールディングス <7872> [東証S]に目を向けたい。同社は宝飾品を主力に眼鏡の販売を手掛ける。25年3月期は営業4.1倍増益を見込み、配当は安定実施の年27円予想で利回りは4%台に達する。株主優待の面ではシード <7743> [東証P]、シンシア <7782> [東証S]が見逃せない。両銘柄ともコンタクトメーカー大手で、優待の拡充を直近発表している。シードは贈呈品の拡充や保有株数・期間に応じた優待ポイントの増額、シンシアは優待の対象となる保有株数の下限引き下げを行う。

 このほか、眼鏡・コンタクト関連の銘柄としては眼鏡チェーン運営のパリミキホールディングス <7455> [東証S]、眼鏡小売りの愛眼 <9854> [東証S]、カラーコンタクトレンズ事業も手掛けるプリントシール大手のフリュー <6238> [東証P]などがある。

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