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為替週間見通し:ドルは底堅い値動きか、米雇用改善でドル買い継続も


 

【今週の概況】
■米ドル・円は一時149円、日米金利差縮小観測後退で円売り強まる

今週のドル・円は大幅高。10月1日に内閣総理大臣に選出された石破氏は2日、日本銀行植田総裁と会談を行い、会談後に「個人的には現在、追加の利上げをするような環境にあるとは考えていない」との見方を伝えたことから、日銀による早期追加利上げ観測は再び後退し、2日の欧米市場で米ドル・円は146円台半ばまで急伸した。イランとイスラエルの大規模な軍事衝突を警戒してリスク回避的な円買いが観測されたものの、3日に発表された米国の9月ISM非製造業景況指数は市場予想を上回ったことから、11月の大幅利下げ観測は一段と後退し、日米金利差縮小観測も後退したことから、リスク選好的な米ドル買い・円売りが再び広がった。

4日のニューヨーク外為市場でドル・円は一時149円00銭まで上昇した。この日発表された米9月雇用統計は予想以上に強く、11月と12月に開催される連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利下げが決定されるものの、下げ幅はいずれも0.25ptにとどまるとの見方が強まりリスク選好的な米ドル買い・円売りが加速した。米ドル・円は148円68銭でこの週の取引を終えた。ドル・円の取引レンジ:141円65銭-149円00銭。

【来週の見通し】
■ドルは底堅い値動きか、米雇用改善でドル買い継続も

来週のドル・円は底堅い値動きか。予想を上回る強い内容だった9月米雇用統計を受けて11月と12月に開かれる連邦公開市場委員会(FOMC)の会合では、いずれも0.25ptの利下げが決定される公算が大きい。10月11日に発表される9月消費者物価指数が市場予想を下回った場合、リスク選好的な米ドル買い・円売りは一服する可能性があるが、政策金利見通しに大きな影響を及ぼすものではないと予想されており、インフレ率が多少低下しても大幅追加利下げ観測が再浮上する可能性は低いとみられる。

イスラエルとイランの緊張が高まり、大規模な軍事衝突への警戒から一部通貨に対するリスク回避的な円買いが強まる可能性があるが、同時に安全逃避的な米ドル買いが強まるとの見方もあるため、米ドル・円相場がただちに円高方向に動く可能性は低いとみられる。

【米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨】(9日公表予定)
FRBは10月9日、9月17-18日に連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨を公表する。政策委員の半数近くは大幅利下げに慎重だったことが裏付けられれば、リスク回避的なドル売りは後退しそうだ。

【米・9月消費者物価コア指数(CPI)】(10日発表予定)
10月10日発表の米9月消費者物コア指数(CPI)は前年比+3.2%と予想されている。コアインフレ率の大幅な低下は期待できないが、市場予想を下回った場合は長期金利の低下やドル売りを促す要因となろう。

ドル・円の予想レンジ:146円50銭-151円00銭

《FA》

 提供:フィスコ

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