オロ:24年12月期上期は2桁増収増益、今後の顧客獲得に注目
オロ<3983>は、クラウド型ERP(統合基幹業務システム)の開発・販売を手掛けるクラウドソリューション(CS)事業(上期売上収益に対して61.2%)とデジタルマーケティング支援などを行うマーケティングソリューション(MS)事業(同38.8%)の2つを主軸としている。CS事業では、企業内における業務処理および情報共有を推進するクラウド型統合基幹業務システムを企業規模に合わせて3製品を提供。主力製品の「ZAC」は従業員数50~300名規模を中心とした中小企業に提供され、ソフトウェア・ITサービス業・広告業(約7割)を中心に、累計1,000社以上で導入されている。企業内における販売・購買・勤怠などの各種業務処理の効率化を支援しており、特定の業種において必要とされた機能や商習慣に対応するための機能(約2,000個のパラメータ)を搭載している。また、自動バージョンアップを通じて製品が継続的に進化する特徴を持つ。MS事業では、大企業向けにマーケティングにおける効果的な戦術の立案と実行支援の両輪で継続的に成果を生み出す支援モデルを提供している。主要顧客はイオングループ、日産自動車グループなど。
2024年12月期上期累計の売上収益は前年同期比16.3%増の3,815百万円、営業利益が同11.4%増の1,309百万円で着地した。CS事業は通期計画に対して売上収益が軟調に推移したが、ストック収益の伸びは堅調で、下期は既存顧客の業務課題の解決を通じてカスタマイズ売上の回復を図るようだ。新規顧客の獲得・既存顧客との取引拡大により、契約ライセンス数も堅調に増加している。一方、MS事業は、売上収益・営業利益ともに順調に推移し、第1四半期に引き続きWEB制作関連の案件を中心に新規顧客獲得が改善されたもよう。通期の売上収益は前期比17.0%増の8,229百万円、営業利益は同9.2%増の2,782百万円を見込んでいる。
CS事業は現在、顧客の規模拡大・新規契約社数の増加を狙って、提案力強化と販売代理店との連携強化を図っている。大型顧客への提案体制強化や中小企業への提案見直しによって着実に顧客数を増加させている。ただ、現状の国内ターゲット企業は約44,000社で、顧客の開拓余地はまだまだ大きいため、今後も顧客獲得によるストック売上の拡大には期待ができそうだ。このほか海外製ツールのローカライゼーションおよび国内販売代理業務は順調に成長している。MS事業では、人材投資を継続的に強化している。直近株価の横ばい推移が続く中、トップラインの2ケタ成長が続くか、また、両事業の安定的な成長が継続するか注目しておきたい。
《NH》
提供:フィスコ