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伊藤智洋が読むマーケット・シナリオ【週間展望】 9月8日版

日経平均は3万1156円を目指す公算
1. 9月の日経平均は陰線引けの公算
 図1の 日経平均株価の日足には、想定できる9月のシナリオを示しています。
 前週末の NYダウが大幅安となって、[[future/日経225先物|日経225先物]]がナイトセッションで3万5150円で引けていることを考慮すると、週明け後の日経平均株価は寄り付き値が大きく下放れて始まって、3万5500円以下まで下げると考えられます。
 9月2日(始値3万9025円)に3万9080円の高値をつけた後、下降を開始して3500円幅以上の下げを経過することになります。
 1990年から2023年の期間で、下げやすい9月に月初から下げの流れを作っている年は1990年、1993年、1994年、2000年、2001年、2007年、2008年、2009年、2011年、2015年、2016年、2017年、2018年の13回あります。
 これらの年の値動きは、2007年、2017年、2018年以外が「月末まで戻せば売られる展開となって、下げの流れを作るパターン、またははっきりとした下降の流れを継続するパターン」となっています。当然ですが、これらの年はすべて月足が陰線引けしています。
 2007年、2017年、2018年は月初に下げますが、8月の安値前後で押し目をつけて、下値堅さを確認した後、再上昇を開始する動きとなり、9月の月足が陽線引けしています。
 本年9月は3500円幅以上の下げを経過することや、8月の最安値3万1156円がまだ3000円幅以上も下に位置していることから、2007年、2017年、2018年のように、月中で押し目をつけて再上昇を開始して、3万9025円以上へ上げて引ける(月足が陽線引けする)展開にならないと推測できます。
 また、ジグザグに戻せば売られる展開となる場合でも、戻り高値から大幅安となっているため、再度上値を試す動きへ入るには、下値堅さを確認する作業が必要になります。
 17-18日に米連邦公開市場委員会(FOMC)、19-20日に日銀金融政策決定会合が控えていることを考慮すると、日経平均株価が再反発を開始して上値を試す動きになる場合、その上げは18日、20日の両会合の結果発表をきっかけとして表れると考えられます。
 以上のことを考慮すると、本年9月の展開は「9日から13日の期間で下値堅さを確認して、一時的な反発を経過後、月末へ向けて下げる」、「9日から13日の期間で保ち合いの動きを経過した後、月末へ向けて3万1156円を目指す」、「13日頃までの期間で3万1156円へ接近する程度まで下げた後、月末へ向けて反発調となる」という3通りが考えられます。
図1 日経平均株価(日足)と9月のシナリオ
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