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富田隆弥の【CHART CLUB】 「秋相場、カギを握る『米国』」


秋相場、カギを握る「米国」

日経平均株価は9月4日に1638円安の3万7047円(-4.2%)と急落し、過去5番目の下げ幅を記録した。8月5日の暴落(安値3万1156円)から3万8000円台まで順調に戻し、25日移動平均線(5日時点3万7017円)や200日線(同3万7464円)などの移動平均線を抜いて落ち着いたかに思われたが、その両平均線を再び割り込み、波乱の様相を呈してきた。

◆ただ、8月5日の安値から1カ月が経過し、7月11日高値(4万2426円)からの下げ幅(1万1270円)に対して7割戻して75日線(5日時点3万8587円)に差し掛かったところであり、チャート的には一服ほしいタイミングでもあった。そして、3万8000円前後での「もみ合い」は想定していた展開でもある。

◆気掛かりなのは米国市場だ。NYダウは8月30日に史上最高値4万1585ドルを付けたが、9月に入ると3日に785ドル安の4万0778ドルまで下げて、日足は長い陰線を引いた。ナスダックも8月22日に1万8017ポイントで戻り高値を付け、9月4日安値は1万6984ポイントと調整が続く。背景には、①米国の景気減速懸念、②ドル安(円高)、③半導体大手エヌビディア<NVDA>の株価下落などがあり、これが4日の日本株の急落につながった。

◆6日発表の米雇用統計が目先のポイントだが、米国は18日のFOMC(連邦公開市場委員会)の結果発表まで気が抜けない。また、「秋相場」はヘッジファンドの決算に絡んで調整しやすいアノマリー(経験則)もある。最高値から長い陰線を引いたNYダウや、直近のエヌビディアとナスダックの調整は「注意信号」かもしれない。

◆9月の日本は、13日にメジャーSQ(先物・オプション取引の特別清算指数算出)、20日に日銀金融政策決定会合の結果発表が予定されており、そして月末が3月期決算企業の中間期末となる。日経平均株価は「もみ合い」がもうしばらく続くと見ているが、米国次第では振れが大きくなることも想定しておく。

(9月5日夜 記、次回更新は9月13日10時を予定)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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