中小型株に個人投資家の資金はシフト【クロージング】
5日の日経平均は3日続落。390.52円安の36657.09円(出来高概算は16億株)と8月15日以来約3週間ぶりに37000円台を割り込んで取引を終えた。前日の米国市場でハイテク株が下げたことが響いたほか、円高進行も投資家心理を悪化させ、日経平均は続落スタート。寄り付き直後には、36359.23円まで水準を切り下げた。売り一巡後は押し目を拾う動きが入り、前場終盤には37099.96円とプラスに転じる場面もみられた。ただし、半導体関連株の戻りの鈍さからリバウンド基調は強まらず、総じて軟調な展開が続いた。
東証プライムの騰落銘柄は、値上がり、値下がり数が拮抗した。セクター別では、倉庫運輸、食料品、陸運、空運、建設など15業種が上昇。一方、保険、医薬品、海運、輸送用機器、小売など18業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、ソフトバンクG<9984>、花王<4452>、KDDI<9433>、三菱倉<9301>が堅調だった半面、ファーストリテ<9983>、東エレク<8035>、アドバンテス<6857>、中外薬<4519>が軟調だった。
前日の米国市場は高安まちまちだった。ただ、エヌビディアなど半導体株の一角には売りが続いたことから、東京市場でも半導体関連などを中心に売りが先行した。また、7月の米雇用動態調査(JOLTS)で非農業部門の求人件数が市場予想を下回り、米景気後退への懸念も重しになった。円相場は約1カ月ぶりに1ドル=143円台前半へと円高に振れたことも神経質にさせた。
米景気後退懸念が再び意識されるなかでは、押し目を拾う動きにもなりづらい状況と言えよう。米国では8月のADP雇用統計や8月のISM非製造業景況指数が発表される。市場予想を大きく下回れば、6日の雇用統計を前に再び値動きの荒い展開になる可能性もありそうだ。明日も米雇用統計待ちのなかで積極的な売買は手控えられやすく、短期的な値幅取り狙いの商いにとどまりそうだ。そのなかで、グロース250指数は反発しており、中小型株に個人投資家の資金は向かいやすいだろう。
《CS》
提供:フィスコ