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証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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6707 サンケン電気

東証P
5,660円
前日比
-85
-1.48%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
3.0 0.92 6.97
時価総額 1,421億円
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【杉村富生の短期相場観測】 ─目先は「森を見ず、木を見よ」の投資戦術を!


「目先は『森を見ず、木を見よ』の投資戦術を!」

●夏の嵐は収束に向かう!基本は個別物色!

 8月初旬の金融市場の波乱(夏の嵐)は収束しつつある。しかし、日銀の金融政策(円高圧力)、自民党の総裁選(円安・株高→デフレ脱却路線を否定する首相の登場)、アメリカ大統領選の行方(9月10日にテレビ討論会)などの“火種”は残っている。ここは引き続いて、個別物色の展開だろう。

 すなわち、値固め(2番底形成)の動きとなる。日銀の植田総裁は今回の株価暴落、円高進行について、「主に、アメリカ景気のリセッション懸念に加え、中東情勢の緊迫化に伴う地政学上のリスクを危惧したもの」(8月23日の衆院財政金融委員会での発言)と抗弁している。アメリカ発? いや、これは違う。

 マスコミは8月5日(月曜日)の大幅安(日経平均株価は4451円安と、過去最大の下落幅を記録)を「令和のブラックマンデー」と称している。これには違和感を覚える。ドル不安ではない。8月1日~5日の夏の嵐は日本発だ。日銀の拙速な利上げが引き起こしたのは間違いない。主因は円高に伴う円キャリートレードの巻き戻しである。

 もちろん、システマティック・トレーディング、機関投資家のヘッジ売り、信用取引(買い方)の投げが下げに拍車を掛けた面があろう。ただし、機械的に売り込んだだけに、調整は一瞬に終わる。それに、8月6日にはヘッジファンド、商品投資顧問(CTA)が強気に転じたほか、アクティビストが買いを入れた、という。

 アクティビストが取得したのはイリソ電子工業 <6908> [東証P]、UACJ <5741> [東証P]、サンケン電気 <6707> [東証P]などだ。さらに、年金(信託銀行経由)がリバランス(株安によって、株式のシェアが低下、その修正)を行った、といわれている。

●ジェイテック、FIGなどに妙味あり!

 急遽、自社株買いに踏み切る企業もあった。キヤノン <7751> [東証P]、大和ハウス工業 <1925> [東証P]、日本パーカライジング <4095> [東証P]などがそうだ。経営者の意識は変わった。株安を放置しない。エヌビディア<NVDA>は500億ドル(約7兆円)の自社株買いを実施する。

 NYダウは抜群に強い。8月29日には4万1577ドル(ザラバベース)まで上昇、7月18日の高値4万1376ドルを上回っている。今回の暴落での下落率は7%にとどまっているし、すでに「全値戻し」だ。筆者が主張する「マーケットの混乱はアメリカ発ではない。主犯は日銀だ」が理解できる、と思う。

 さて、物色面はどうか。基本的に、目先は「森を見ず、木を見よ」(各論勝負)の投資戦術が有効だろう。具体的には手掛けやすく、割安な、チャート妙味のnms ホールディングス <2162> [東証S]、ジェイテック <2479> [東証G]、FIG <4392> [東証P]、ロココ <5868> [東証S]などに注目している。

 nms ホールディングスは2025年3月期について最終利益13億円(前期比76.4%増)、1株利益83.6円(前期47.4円)と予想している。しかし、会社側は7月29日に「4-9月期に最終利益は13億円を確保できる」と発表済みだ。下半期は利益ゼロということになる。それはないだろう。

 ジェイテックは技術者派遣、請負をメインとする。自動車、産業機械、建築関係が主力ユーザーだ。2025年3月期は52.8%営業増益を見込んでいる。1株利益は24.1円となる。未定となっている今期配当は5円増の10円とする可能性がある。

 FIGはラピダスの千歳工場(半導体の新鋭工場)向けに、グループ会社のREALIZEが搬送ロボット「WILL-FA」を納入する。年初にはトヨタ自動車 <7203> [東証P]に納入した実績がある。さらに、小泉進次郎氏が提唱しているライドシェア関連との切り口がある。

 ロココは3月12日に1488円の高値をつけたあと、調整している。8月15日には680円の安値をつけた。しかし、ここにきて株価は動兆しきりだ。アメリカのサービスナウ<NOW>はエヌビディアと並ぶ成長企業(株価は800ドル台と新値圏)と目されているが、ロココはサービスナウの日本における最高ランクのパートナー称号を有している。

2024年8月30日 記

株探ニュース

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