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米国株式市場見通し:ハイテク偏重相場終了でしっかり、雇用関連の経済指標に注目


 

来週の米国株は、雇用関連の経済指標発表を見極める展開となりそうだ。今週末の債券市場では、足元の経済指標が雇用や消費の底堅さを示し、経済がソフトランディングに向かうとの見方が強まっており、10年債利回りは3.90%まで上昇。PCEデフレータなどの程よい結果を受けて、市場では、9月連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ幅が0.5%ではなく0.25%となるとの観測が意識された。ただ、FRBはこれまでのインフレ重視路線から、雇用とインフレのバランス路線に転換していることから、来週4日の7月JOLTS求人件数、5日の8月ADP雇用者数、6日の雇用統計の内容次第で、市場のコンセンサスは大きく変化するだろう。


雇用情勢悪化でハードランディング懸念が強まり0.5%利下げを織り込む動きとなれば、米国株安、ドル安、金利低下といった展開となりそうだが、既にジャクソンホール会議にて、パウエルFRB議長が9月FOMCでの利下げ実施を明言していることから、先行き不透明感の高まりで株式市場が荒れた7月下旬から8月上旬のような展開は回避されよう。仮に雇用情勢の想定以上の大幅な下振れと8月ISM製造業景気指数及び非製造業景気指数の大幅な下振れが合わさった場合、市場はそれなりの反応を示すだろうが、一カ月前にボラティリティが急騰したばかりなので、ある程度市場では耐性(心構え)ができていると考える。


なお、ナスダックの上値は重くなっているが、右肩上がりの25日移動平均線が下値支持として意識されていることからトレンドはしっかりだ。ハイテク偏重相場が終わり幅広い銘柄が買われていることで、S&P500も終値ベースで7月16日の史上最高値に接近しており強い。来週の経済指標次第ではあるが、主要3指数そろっての史上最高値更新の可能性は十分あると見る。


経済指標では、3日に8月製造業PMI(改定値)、8月ISM製造業景気指数、4日に7月貿易収支、製造業新規受注、JOLTS求人件数、耐久財受注(確報値)、5日に8月ADP全米雇用報告、週次新規失業保険申請件数、8月サービス業/総合PMI(改定値)、ISM非製造業景気指数、週次原油在庫、6日に8月雇用統計などが予定されている。


主要企業決算は、4日にシエナ、ダラー・ツリー、ヒューレット・パッカード、5日にブロードコム、ドキュサイン、スミス&ウェッソンなどが予定されている。

《FA》

 提供:フィスコ

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