【投資部門別売買動向】信託銀と事業法人が買い越す一方、海外勢と個人は売り越す (8月第3週)
●信託銀と事業法人が買い越す一方、海外勢と個人は売り越す
東証が29日に発表した8月第3週(19日~23日)の投資部門別売買動向(現物)によると、米株高や為替の円安基調、植田日銀総裁の発言が買い材料視され、日経平均株価が前週末比301円高の3万8364円と2週連続で上昇したこの週は、年金基金の売買動向を映すとされる信託銀行が5週連続で買い越した。買越額は1347億円と前週の291億円から拡大した。自社株買いが中心とみられる事業法人も8週連続で買い越し、買越額は2208億円と前週の2376億円から若干減少した。
一方、海外投資家は3週ぶりに売り越し、売越額は3988億円だった。前週は1872億円の買い越しだった。海外投資家は先物の投資部門別売買動向では日経225先物、TOPIX先物、ミニ日経225先物、ミニTOPIX先物、日経225マイクロの合計で6週ぶりに買い越した。買越額は3925億円だった。現物と先物の合算では2週ぶりに売り越し、売越額は63億円だった。前週は723億円の買い越しだった。個人投資家は3週連続で売り越し、売越額は366億円と前週の4041億円から大幅に縮小した。
日経平均が2週続伸する中、信託銀行と事業法人が買い越す一方、海外投資家と個人投資家は売り越した。
■投資部門別売買代金差額 (8月19日~23日)
東証・名証2市場の内国普通株式市場の合計[総合証券ベース(全51社)]
※単位:億円(億円未満切り捨て) ▲は売り越し
海外投資家 信託銀行 個人合計 [ 現金 信用 ] 日経平均 ( 前週比 )
8月 ―――
第3週 ▲3,988 1,347 ▲366 [ ▲1,855 1,488 ] 38,364円 ( +301 円)
第2週 1,872 291 ▲4,041 [ ▲3,112 ▲928 ] 38,062円 ( +3037 円)
第1週 4,953 2,171 ▲553 [ 3,027 ▲3,581 ] 35,025円 ( -884 円)
7月 ―――
第5週 ▲5,524 239 4,817 [ 3,143 1,673 ] 35,909円 ( -1757 円)
第4週 ▲5,659 256 5,050 [ 2,753 2,297 ] 37,667円 ( -2396 円)
第3週 ▲2,459 ▲257 2,512 [ ▲6 2,518 ] 40,063円 ( -1126 円)
第2週 1,288 ▲733 ▲773 [ ▲2,763 1,989 ] 41,190円 ( +278 円)
第1週 1,836 518 ▲4,966 [ ▲5,110 143 ] 40,912円 ( +1329 円)
6月 ―――
第4週 1,239 15 ▲4,885 [ ▲3,839 ▲1,046 ] 39,583円 ( +986 円)
第3週 ▲213 ▲1,914 1,899 [ 358 1,541 ] 38,596円 ( -218 円)
第2週 ▲2,494 1,562 853 [ ▲231 1,085 ] 38,814円 ( +130 円)
第1週 ▲1,986 ▲1,304 2,861 [ 354 2,507 ] 38,683円 ( +196 円)
5月 ―――
第5週 ▲1,126 ▲1,676 ▲887 [ ▲1,394 506 ] 38,487円 ( -158 円)
第4週 ▲1,139 ▲145 816 [ ▲711 1,527 ] 38,646円 ( -141 円)
第3週 383 472 ▲1,204 [ ▲1,964 759 ] 38,787円 ( +558 円)
第2週 2,636 89 ▲406 [ ▲1,121 714 ] 38,229円 ( -6 円)
第1週 1,745 247 ▲2,741 [ ▲2,537 ▲203 ] 38,236円 ( +301 円)
4月 ―――
第4週 2,159 1,666 ▲1,873 [ ▲1,468 ▲405 ] 37,934円 ( +866 円)
第3週 ▲5,924 ▲52 9,085 [ 4,507 4,578 ] 37,068円 ( -2455 円)
第2週 5,955 366 ▲2,053 [ ▲2,669 615 ] 39,523円 ( +531 円)
第1週 11,821 ▲7,887 6,347 [ 2,057 4,290 ] 38,992円 ( -1377 円)
※「信託銀行」は年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)など年金基金の売買動向を映すとされる部門。「個人・現金」は個人投資家による現物取引の売買動向、「個人・信用」は個人投資家による信用取引の売買動向。
※日銀が金融緩和策の一環として実施しているETF(上場投資信託)の買い入れは、ETFを組成する証券会社の自己売買部門を通じて買い入れているとみられる。
株探ニュース