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6031 ZETA

東証G
409円
前日比
-19
-4.44%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
141 9.06 1.71
時価総額 105億円
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サイジニア Research Memo(8):「ZETA HASHTAG」が急成長、「ZETA AD」も収益押し上げ


■サイジニア<6031>の業績動向

2. ZETAの2024年5月期の業績動向
CX改善サービスの主軸であるZETAの2024年5月期業績は、売上高1,562百万円(前期比30.2%増)、営業利益661百万円(同51.9%増)と引き続き好調に推移、連結の好業績をけん引した。大手EC事業者のなかで自社ECを強化する動きが強まり、「ZETA SEARCH」をはじめ既存製品の新規契約が着実に増えたことに加え、クロスセル戦略によって「ZETA CXシリーズ」製品を複数採用する既存顧客が増加した。その結果、顧客数と顧客当たり売上高の伸びが売上と利益を押し上げ、さらに期初計画に織り込んでいなかった「ZETA HASHTAG」と「ZETA AD」がプラスオンした。

主軸の「ZETA SEARCH」と「ZETA VOICE」が引き続き順調で、UGCへの注目とともに新製品の「ZETA BASKET」が動き出し、「ZETA RECOMMEND」も再注目されるなど既存製品が堅調に拡大した。また「ZETA HASHTAG」が成長期に入ったほか、新領域の「ZETA AD」も収益貢献が始まるなど、ハイエンド向けCX改善サービス市場は、「ZETA CXシリーズ」の独壇場となっているようだ。

そのなかで「ZETA HASHTAG」は、サイト内検索に活用できるため急成長した。加えて、クッキー規制やグーグルが日本限定でハッシュタグ検索を開始したことで、検索サイトからの流入施策としてEC事業者から注目された。実際にグーグルのハッシュタグ検索では同社のハッシュタグが上位表示されるなど実績もあがってきた。同社の取引は通常「ZETA SEARCH」を入口に開始されることが多いが、最近では「ZETA HASHTAG」を入口に取引が広がる傾向も出てきた。また、ハッシュタグ・キーワードを抽出するにあたって、クチコミエンジンのみならず、同社のAIやコンサルティングの利用も増えているようだ。また、「ZETA HASHTAG」は好評なだけでなく、「ASPICクラウドアワード2023」の「データ活用系ASP・SaaS部門」において奨励賞を受賞したほか、2件目の特許として商品情報や商品レビューからハッシュタグを生成することに関する広範な特許を取得するなど、技術的にも高い評価を得ている。なお、現在、ほぼクローズドの状態でクチコミハッシュタグサイトを運営し、そこでキーワードの精度を向上させる実験などを行っている。

リテールメディア広告エンジンの「ZETA AD」は、リテールメディアという新領域における新たな事業と言える。リリースから9年が経ってようやく、自社ECサイトをリテールメディアとして活用するEC事業者が増え始め、時代が追いついてきたという印象である。同製品は、「ZETA SEARCH」や「ZETA HASHTAG」とのシナジーが強く、キーワードだけでなくリテールメディア内の操作や過去の行動履歴に基づいて検索連動広告が表示される技術など、強い商品を有している。このため「ZETA AD」導入の効果は抜群で、(株)丸井が運営する「マルイウェブチャネル」では、導入済みの「ZETA SEARCH」や「ZETA RECOMMEND」と連携してシナジーを発揮、検索条件と連動した最適な広告掲載を実現するなど、ユーザーへの訴求効果が高まったようである。また、「SHOPLIST.com by CROOZ」では、CTR※1とROAS※2が140%改善、クリック後の購入率は150~160%増、広告経由の流通額は20倍以上となった。こうした実績から「ZETA AD」を採用しようとする企業は、主要顧客のアパレルのみならず、家電量販やスポーツ、DIY、メーカーの直販系サイトなど様々な業態へと広がってきた。現状では、好調な「ZETA HASHTAG」関連に注力していること、戦略的広告費というより政策的販促費という観念が強く長期スタンスを望めない顧客がまだ多いことから、成功事例を少しずつ増やしながら徐々にアクセルを踏んでいく考えのようだが、EC事業者の書き入れ時となる年末商戦へ向けて楽しみな事業と言える。

※1 CTR(Click Through Rate):ユーザーに広告が表示された回数に対して、その広告がクリックされた回数の割合。
※2 ROAS(Return On Advertising Spend):広告の費用対効果。広告費に対して得られた売上を示す。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

《SO》

 提供:フィスコ

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