欧米為替見通し:ドル・円は下げ渋りか、米9月利下げに思惑もドルに根強い買戻し
28日の欧米外為市場では、ドル・円は下げ渋る展開を予想する。米連邦準備制度理事会(FRB)による9月利下げを織り込む展開となり、引き続きドル売りに振れやすい。ただ、ドルは143円台で値ごろ感から買戻し強まり、大幅安を回避しそうだ。
前日の取引で中東やウクライナでの戦闘で地政学リスクが高まり、リスク回避の円買いが先行。また、米2年債の入札後の利回り低下によりドル売りが優勢になるとユーロ・ドルは1.1170ドル台に持ち直し、ドル・円は144円を割り込んだ。本日アジア市場で日経平均株価は軟調地合いとなり、リスク回避の円買い地合いに。ただ、ドル・円は143円60銭台に下落後、値ごろ感によるドルの買戻しで144円台を回復した。
この後の海外市場は米インフレへの思惑が広がりやすい。30日発表のコアPCE価格指数は一段の低下が予想され、FRBの9月利下げを見込んだドル売りに振れやすい。一方、今晩発表のエヌビディアの四半期決算が堅調なら株高につながり、リスク選好的な円売りが主要通貨を押し上げる可能性があろう。ドル・円は金利差縮小を意識した取引で下落基調に変わりはないが、ドルは割安感から買い戻され下値の堅さが目立つだろう。
【今日の欧米市場の予定】
・17:00 ユーロ圏・7月マネーサプライM3(前年比予想:+2.7%、6月:+2.2%)
・02:00 米財務省・5年債入札
・07:00 ボスティック米アトランタ連銀総裁講演(経済見通し)
《CS》
提供:フィスコ