貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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6753 シャープ

東証P
914.9円
前日比
-5.7
-0.62%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
118 3.58 2.02
時価総額 5,951億円
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データセク Research Memo(9):先端AIデータイノベーション研究所設立により、競争力強化を狙う(1)


■中長期の成長戦略

1. 成長戦略
データセクション<3905>は、「選択と集中」のフェーズ(2019年3月期~2023年3月期)から2024年3月期に「成長」のフェーズへと移行した。「選択と集中」のフェーズで、同社は限定された資源を最大限に活用するために、特定の分野や事業に焦点を当て、限られた重要な領域に注力することで専門性や効率性を高め、競争優位性を構築し構造改革を行ってきた。自らの強みである「データとAI」を中心に顧客のニーズに基づき、特定の製品やサービス、市場に焦点を当て、深い専門知識を構築しリソースを最適に活用することに集中してきた。結果として、2019年3月期に「リテールマーケティング事業」を選択し、その主力となるSaaS型サービス「FollowUP」に注力することで国内・海外双方でバランスの良い成長を遂げてきた。

2024年3月期からの「成長」のフェーズにおいては、「事業ポートフォリオの見直し」「グローバルな体制強化」「顧客提供価値の向上」の3つに重点を置く。バランスの良い資源投下により、国内・海外双方において継続的な成長を目指す。加えて、強みを生かした事業の再構築により、4~5年後の2020年代後半に向けて売上高100億円以上を目指す計画だ。

2. 進捗状況
2025年3月期は、国内事業では、親会社(同社)の事業再生を急ぐ。これまで適材適所のガバナンスや役割配置ができておらず、十分な専門性を持たない人材の配置、外注依存などがコストアップを引き起こしていた。今後はシステムインテグレーションやマーケットソリューションでの工数管理と適正なプロダクト投資を進め、期間損益の安定と投資採算の見直しを行い、6,000万円のコスト削減を図る。海外事業では南米の連結子会社の買収が完了し、一定の成果を上げている。今後、リソースと投資を促進することで、セグメント利益の増加が見込まれる。

2024年3月期において、バルクホールディングスとの包括的業務提携に関し基本合意することを決議し、両社の事業基盤を強化して、企業価値の向上を図った。この提携は、マーケティング事業、AI関連事業、システムインテグレーション事業、セキュリティ事業などでの相互送客や人材交流、技術分野での協業を推進するものである。さらに、新規事業における共同投資も検討し、戦略的提携関係を強化する。今後の進捗に応じて業績への影響を精査し、必要に応じて適時開示を行う予定である。資本提携も視野に入れており、協業体制のさらなる構築とシナジーの発揮を目指す。

2024年4月9日付で先端AIデータイノベーション研究所(AIDI)を設立した。この研究所は、AIやデータ領域の先端技術研究を行い、同社グループへの迅速な還元を目指す。同月12日には、Supermicroとの業務提携に向けた基本合意書を締結した。この提携は、AIサーバー分野におけるR&DやAIデータセンター運営などを中心とした協業を目的としている。具体的な方針や内容については今後協議を進め、決定次第開示する予定である。この提携により、2025年3月期の連結業績への影響は軽微と見込まれているものの、中長期的には同社の業績及び企業価値向上に寄与することが期待される。両社の技術、製品、リソース、ネットワークを活用し、需要拡大が見込まれるAIサーバー分野での競争力強化が狙いである。これらの戦略的な取り組みにより、さらなる成長と企業価値の向上を図る。

2024年6月2日に、同社は、Supermicro、シャープ<6753>、そしてKDDIとAIデータセンター構築のための協議を開始することに合意した。これらの企業はシャープ堺工場跡地にNVIDIA<NVDA>の最先端AI計算基盤「GB200 NVL72」などを搭載したAIデータセンターを構築し、早期稼働を目指す。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 中山博詞)

《HN》

 提供:フィスコ

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