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6856 堀場製作所

東証P
9,630円
前日比
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100株
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10.9 1.33 2.75 18.60
時価総額 4,067億円
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耐震化待ったなし、ライフラインの要「上下水道設備」関連に国策の風 <株探トップ特集>


―能登半島地震で浮き彫りとなった上下水道の老朽化、ダイナミックな政策推進に期待―

 世間を賑わせた東京都知事選挙。3選を果たした小池百合子氏が掲げた「東京大改革3.0」には、大枠の一つとして「セーフシティ」が挙げられていた。日本国民全体のセーフシティならぬ「セーフライフ」の観点で最重要視されるのが「上下水道設備」だ。株式市場でも同関連株にスポットライトが当たる可能性が出てきた。

●老朽化で深刻な状態の上下水道

 日本において、近代的な上下水道のシステムが導入されたのは明治時代であり、イギリス人技師の指導のもと、横浜に創設されたのが最初である。江戸時代には既に徳川幕府の本拠地である江戸(現在の東京)で上下水道の仕組みは整備されており、これも江戸が世界最大の都市として発展した大きな要因の一つとなったことは間違いない。現代の日本に目を移せば、我々にとっては当たり前のものになり過ぎて、その凄さを実感しにくい面もあるが、全国のほぼ全世帯が清潔かつ安全な水を利用できるようになっている。

 さて、我々の日常生活を支えてくれている上下水道だが、今年の初めに日本中を震撼させた能登半島地震を通じて、改めて危機に瀕していることが明らかになった。同地震では14万戸近くが断水し、大部分が復旧するまでに5カ月を要するほどの大きな被害が生じた。特に問題視されたのは、水道管1キロメートル当たりの被害数が、多いところで東日本大震災の5倍を超えると国の調査で明らかになったことだ。老朽化によりインフラ全体のレジリエンス(弾力性)が失われ、生活の根幹であるはずの上下水道は地震などの災害に極めて弱い状態にあるといっても過言ではない。

●機構改革を契機に耐震化への取り組み加速

 こうした状況を重く受け止め、岸田文雄首相は今月8日、重要施設などの水道管の耐震化に関する緊急点検を今年10月までに完了する方針を示した。更に、全自治体で今年度中に上下水道の耐震化計画の策定・更新が進むよう促すことも表明している。また、人工衛星やAIを用いて漏水や水道管の劣化状況を管理することにも前向きで、検知期間や費用を従来から約10分の1に縮減した実績を持つ愛知県豊田市上下水道局を視察したうえで、こうした技術を今後5年程度で全国展開することにも言及している。

 これらの岸田首相の動向にはある機構改革が背景にある。今年度から、上水道の整備・管理行政が厚生労働省から国土交通省に移管されている。これは表面的には大した変化ではないように見えるが、もともと「上水道・厚生労働省」「下水道・国土交通省」と担当省庁が分かれていた状態が実質一元化されたことになり、非常に大きな機構改革であると一部では評価されている。これを契機に政府方針を今まで以上に、速やかかつダイナミックに実行に移していくことが期待される状況にある。

●監視システムや補修で活躍必至の6銘柄

 今回は国策に乗る「上下水道設備」関連の銘柄に焦点を当てた。代表的な銘柄としては、ベルテクスコーポレーション <5290> [東証S]や、日本ヒューム <5262> [東証P]、旭コンクリート工業 <5268> [東証S]などコンクリート二次製品を手掛ける企業のほか、栗本鐵工所 <5602> [東証P]、月島ホールディングス <6332> [東証P]、前澤工業 <6489> [東証S]、日本鋳鉄管 <5612> [東証S]などが挙げられる。そのほか、関連有力株として監視システムや補修技術に関連した6銘柄を紹介する。

◆ジェイテクト <6473> [東証P]~ベアリング大手で自動車のステアリングでシェアトップ。下水道分野では、マンホール内での内水氾濫防止のための水位監視に使用される水位計のほか、水門(樋門)、堰、閘門などの開閉システムに適用できる水圧ポンプを開発。

◆荏原実業 <6328> [東証P]~水処理施設の設計・施工を行うほか、環境関連製品を手掛ける。災害停電によりマンホール内に設置されているポンプが停止した際、電動車両(EV/PHEV)・可搬型蓄電池で応急起動し、マンホールからの溢水を未然に防ぐ、「停電時マンホールポンプ起動支援システム」も展開。

◆堀場製作所 <6856> [東証P]~自動車計測システム機器、水質や大気汚染の測定・監視装置などを手掛ける。グループの堀場アドバンスドテクノでは、紫外可視分光法と独自のモジュールコンセプトで実現した多項目自動水質監視など、下水・排水における水質管理に貢献する製品やソリューションを展開する。

◆NJS <2325> [東証P]~上下水道インフラ整備を中心とした総合建設コンサルタント。2021年5月に産業用ドローンを手掛けるACSL <6232> [東証G]と合弁会社を設立。独自の機体構造と制御システムにより、管路や閉鎖性空間での安定飛行を実現した、下水道管路などの閉鎖環境点検ドローンを展開する。

◆明電舎 <6508> [東証P]~変電設備や再生可能エネルギー設備などを展開。水インフラ関連では、水処理プラントの設計・製造・施工だけではなく、運営・維持管理までをトータルでサポートする。小規模から大規模プラントまでカバーする統合監視対応監視制御システムは、柔軟なシステム構築を可能としている。

◆積水化学工業 <4204> [東証P]~上下水道関連では塩ビ管などを手掛けている。同社が手掛ける老朽化が進んだ下水道を更生するSPR工法は、硬質塩ビ製の帯を老朽管の内側にらせん状に巻きつけ更生管をつくり、裏込め材を入れ既設管と一体化することで、耐震性や耐久性に優れた管路にリニューアルするというもの。道路を掘らず下水を流したままの施工を可能としている。

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