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3804 システム ディ

東証S
1,449円
前日比
+41
+2.91%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
14.7 2.16 1.66
時価総額 94.2億円
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システム ディ Research Memo(10):2024年10月期は学園、公教育、ソフトエンジニアリングがけん引


■システム ディ<3804>の今後の見通し

2. 事業部門別の売上見通し
(1) 学園ソリューション事業
学園ソリューション事業は前期比1ケタ台の増収を見込む。「Campus Plan Smart」の引き合いが増加しており、複数の新規案件導入を見込んでいる。従来製品も最新のServerOSやデータベースソフトに対応し、サポートを継続しているため、既存顧客の「Campus Plan Smart」への移行については数年程度かかる見通しだ。

なお、高知大学での稼働実績を糧に、国公立大学へも積極的に営業活動を実施して今後の拡販に繋げていく。規模が小さい対象顧客については初期投資負担の少ない「Campus Plan Smart Cloud」で提案し、シェアを拡大する戦略だ。

(2) ウェルネスソリューション事業
ウェルネスソリューション事業は微増収を見込んでいるが、第2四半期までの進捗状況を考えると若干下振れする可能性がある。前述のとおり仕入商品販売減少の影響が大きい。フィットネスクラブ向けの「Smart Hello」については導入が順調に進んでいるため、文化・観光施設向けの「Smart Helloチケット」を下期にどれだけ導入できるかが鍵を握りそうだ。2024年10月期は14施設への導入を目標としており、2024年7月の新紙幣の流通開始を機に導入が本格化するものと期待される。

(3) 公教育ソリューション事業
公教育ソリューション事業は前期比1ケタ増収を見込んでいる。2024年4月より本格稼働を開始した山口県、岩手県の県全域大型案件がフルに寄与することが増収要因となる。山口県、岩手県はそれぞれ400校強の学校があり、現役ユーザー数では前期末比で2割強増加することになる。県域案件は山梨県と奈良県、高知県で実績があり、今回の受注で5県となる。

また、高校入試に対応したWeb出願システムについても、今後導入先が広がる可能性がある。公立高校の入試でWeb出願システムを導入している都道府県はまだ大都市圏など一部にとどまっているが、学校の業務負担軽減や受験生の利便性向上を目的に今後は全都道府県に導入が進むと見られるためだ。同社では新潟県と大阪府に導入実績がある。エリアごとに分けて複数年かけて導入する計画となっているため、単年度業績へのインパクトは軽微だが、Web出願システムを導入した都道府県では「School Engine」の小・中学校県域案件を受注できる可能性が高まることになる。Web出願システムも校務支援システムと連携するため、同一ベンダーのほうが利用者側にとっても好ましいためだ。同社は小・中学校向けのシェアは1割強と低いものの、高校に関しては過半のシェアを握っている強みを生かし、Web出願システムの導入を機に小・中学校向けのシェアを拡大していく戦略だ。

文部科学省「学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果(令和4年度)」によれば、2022年3月時点における全国の公立学校約3.2万校のうち、統合型校務支援システムを導入済みの学校は81.0%(うち、高校は93.1%)になっている。ただ、導入済みシステムの大半は外部ネットワークに接続していないオンプレミス型システムであり、政府が目指すGIGA時代・クラウド時代の教育DXに適合していないという課題が指摘されている。このため、文部科学省では教育DXを実現するための課題を解消すべく、「次世代の校務デジタル化推進実証事業」を2023年度よりスタートさせている。実証事業のなかで今後の校務支援システムの在り方、方向性を固めていく。2023年度の実証事業では、情報セキュリティや大規模災害時における業務継続性の確保を前提としたうえで、クラウドシフトを進めていくことが方向性として固まった。クラウドの活用によって、業務のロケーションフリー化や高度化(ペーパーレス化、コミュニケーションツールの活用、各種データ連携やダッシュボード機能の活用によるデータの可視化等)が可能となり、職員の業務負担軽減にもつながるメリットがある。2024年度には新たに生成AIの校務での活用に関する実証研究も開始している。同社においても生成AI機能の開発に着手しており、今後オンプレミス型の校務支援システムを導入している自治体がクラウドシフトする際には、受注を獲得する好機になると弊社では見ている。

(4) 公会計ソリューション事業
公会計ソリューション事業は前期比微増収を見込んでいる。前述したように2022年10月期で競合システムからのリプレイス特需が一巡しており、「PPP」についてはしばらく端境期に入ると見ている。過去にも2017年10月期をピークに3年間ほど売上が低迷していた期間がある。「PPP」の落ち込みをカバーすべく、将来の主力商品として期待している「Common財務会計システム」や2023年10月にリリースした「公有財産管理システム」の拡販に注力していく方針だ。

特に、公共施設については老朽化が進むなかで、今後は施設の維持管理や統廃合、再開発に係る業務が増加する可能性が高く、業務負荷の軽減に役立つ「公有財産管理システム」のニーズは高まると見られ、「PPP」ユーザー約1,200団体が有力見込み顧客となる。2024年度の自治体予算は確定しているため、今後は2025年10月期の導入拡大に向けた営業活動を強化していくことになる。料金は「PPP」とほぼ同水準を想定しているようで、「PPP」ユーザーすべてに導入されれば売上規模も現在の2倍程度に拡大するだけに成長期待は大きい。

(5) ソフトエンジニアリング事業
ソフトエンジニアリング事業は前期比1ケタ増収を見込んでいる。コンプライアンスやコーポレートガバナンスの強化に取り組む動きが一般企業だけでなく、金融機関や学校法人、医療法人、公益法人など広がっており、前期比に引き続き新規顧客の獲得により安定成長が続く見通しだ。

(6) 薬局ソリューション事業・他
薬局ソリューション事業は、オンライン資格確認システムの導入が一巡することで前期比60百万円程度の減収を見込んでいる。一方で、中村牧場で1億円程度の売上を見込んでいる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《SO》

 提供:フィスコ

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