いちご---1Q大幅な増収増益、心築(しんちく)事業の売上高および利益が好調に推移
いちご<2337>は11日、2025年2月期第1四半期(24年3月-5月)連結決算を発表した。売上高は前年同期比147.2%増の250.96億円、営業利益は同72.7%増の42.21億円、経常利益は同153.0%増の37.16億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同146.8%増の35.91億円となった。同社は、主要な心築(しんちく)事業の実態を示すため、会計上は特別損益に計上される心築セグメントに属する固定資産の売却損益を営業利益に加えたALL-IN指標を開示している。ALL-IN営業利益では同118.5%増の58.80億円、またALL-IN経常利益は同213.3%増の53.76億円となった。
心築(しんちく)事業の売上高は前年同期比185.6%増の228.64億円、ALL-INセグメント利益は同188.9%増の49.89億円となった。保有するホテルのRevPAR(稼働率を考慮した平均客室単価)は、前年同期比21%増加した。こうした状況を受け、ホテルオーナーと運営という側面からホテルの収益が急拡大している。また、前期末に取得したホテル 2 物件もさらなる収益成長が可能だ。加えて収益最大化および運営の高効率化を実現する、同社開発のAIレベニューマネジメントシステム「PROPERA」を導入しており、今後の需要増を享受することができる態勢を備えている。こうした状況が、ストック収益の2期連続の過去最高益更新に向けた収益拡大をけん引している。セキュリティ・トークンを発行し安全性に優れ、個人投資家や事業主に人気が高い投資商品「いちご・レジデンス・トークン」は、第4号案件の組成に伴い、当第1四半期にレジデンス7物件、売却価格にして総額102億円を販売した。個人および事業主でもプロの目利きと簡素な手続きで優良なレジデンスへ投資できる新たな商品の展開は、顧客層の拡大と運用受託によるストック収益の拡大に寄与するほか、不動産の販売チャネルが拡充したことによる積極的な物件取得に繋がっている。そのほか、いちごオフィスリート投資法人<8975>(以下いちごオフィス)へ、スポンサーサポートとして新たにオフィス4物件(売却総額91億円)を提供した。一方、オフィス2物件を取得し、当第1四半期の不動産取得額は130億円、売却額は221億円となった。
アセットマネジメント事業の売上高は同13.8%増の8.22億円、セグメント利益は同4.9%増の4.04億円となった。いちごホテルにおいては、継続した宿泊需要の高まりによる売上向上のほか、スポンサーサポートとして前期に提供した、いちごブランドのライフスタイルホテル「THE KNOT(ザ・ノット)」を含む5ホテルが売上の向上に寄与し、投資主と資産運用会社の利益が一致する完全成果報酬制度を採用している運用報酬も増加した。
さらに、同社は私募リートおよび資産運用会社の取得を発表、今後のさらなるアセットマネジメント事業の拡大を加速する狙いだ。
クリーンエネルギー事業の売上高は、全国的な天候不順や出力抑制の影響を受け、同1.1%増の15.46億円、セグメント利益は同16.0%減の4.84億円となった。第1四半期におけるストック収益は、前年同期比で微減となったが、前期末に発電を開始した同社として2番目に大きな太陽光発電所である「いちごえびの末永ECO発電所(13.99MW/FIT価格40円)」の、今後のさらなる貢献による収益成長を見込んでいる。なお、当第1四半期末において、同社が開発・運営する発電開始済み発電所の合計は、64発電所(発電出力188.2MW)まで成長している。また、ドイツのクリーンエネルギー事業者である「GIGA.GREEN GmbH」社へ43.7億円の出資(出資比率24.39%)を決定しており、これにより世界規模での環境課題への貢献および同社のクリーンエネルギー事業のさらなる拡大を目指すとしている。
2025年2月期通期の連結業績予想について、同社の実態を示すALL-IN営業利益は前期比13.2%増の240.00億円(営業利益は同23.5%増の160.00億円)、ALL-IN経常利益が同7.4%増の200.00億円(経常利益は同15.5%増の120.00億円)、親会社株主に帰属する当期純利益が同15.6%増の140.00億円とする期初計画を据え置いている。
《SI》
提供:フィスコ