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証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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6869 シスメックス

東証P
3,177.0円
前日比
+45.0
+1.44%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
36.0 4.49 0.94 2.68
時価総額 19,995億円
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オプティム Research Memo(1):2024年3月期は、過去最高の売上・利益を達成(1)


■要約

オプティム<3694>は、AI・IoT技術を得意とするベンチャー企業である。主力の「Optimal Biz」及び「OPTiM Cloud IoT OS」のデファクトスタンダード化を通じて、第4次産業革命の中心的役割を果たす企業を目指している。当初から世の中にないサービスを作り出すことを念頭に技術開発を行っており、関連の特許を数多く所有する(出願数1,129件、登録数548件、2024年3月時点)。様々な業界の大手企業が同社のパートナーであり、技術力やポテンシャルは内外からも高く評価されている。2014年に東京証券取引所(以下、東証)マザーズ上場、2015年には同市場1部に昇格し、2022年4月の同市場再編に伴いプライム市場へ移行した。

1. 事業内容
同社の主力事業は「IoTプラットフォームサービス」であり、全社売上高の88.6%(2024年3月期)を構成する。その内訳としては従来の強みである「モバイルマネジメントサービス」と近年投資を積極化する「X-Tech(クロステック)サービス」に分類される。「モバイルマネジメントサービス」では、スマートフォンやタブレットなどの様々なデバイスをクラウド上で管理し、組織内の運用管理、資産管理やセキュリティポリシーの設定などを行う「Optimal Biz」が主力サービスであり、導入実績は18万社以上、13年連続シェア1位を獲得し、デファクトスタンダードの地位を確立している。パートナー企業による代理販売、OEM提供などで流通し、端末数に応じたライセンス料を受領する。

「X-Techサービス」では、AI・IoTプラットフォーム「OPTiM Cloud IoT OS」を活用した業種別の取り組みや、「OPTiM AI Camera」をはじめとするパッケージサービスなどを展開する。「OPTiM Cloud IoT OS」を用いる取り組みとして、各産業とITを組み合わせて、すべての産業を第4次産業革命型へと変化させる「〇〇×IT(〇〇に業種が入る)」を実施している。農林水産業では、2016年に日本で初めて農業分野でドローン・AIを活用した害虫駆除の実証実験に成功し、現在では、全国規模で「ピンポイントタイム散布」サービスが行われている。建設業界では、世界初のスマートフォンを活用した高精度な3次元測量アプリ「OPTiM Geo Scan」の提供を行う。医療分野では、2016年に日本初の遠隔診療サービス「ポケットドクター」をリリースし、2020年には、(株)メディカロイド(川崎重工業<7012>とシスメックス<6869>の合弁会社)が開発した国産初の手術支援ロボットシステム「hinotoriTM サージカルロボットシステム」のネットワークサポートシステムに、同社のAI・IoTプラットフォーム「OPTiM Cloud IoT OS」が採用された。「X-Techサービス」ではこのほかにも多数のキラーサービスが登場し、一部は普及期に入っている。

同社は創業来、知財戦略に基づく豊富な技術力及び事業創造力を背景に、常に革新的なサービスを提供し新しい市場を開拓してきた。国内市場ではシェア1位のサービスを複数擁し、豊富なライセンス収益を基盤としたビジネスモデルを確立している。また、近年ではAI・IoT・ビッグデータのマーケットリーダーとして、各産業のトッププレイヤーと強固なビジネスディベロップメントを推進している。

2. 業績動向
2024年3月期の連結業績は、売上高が前期比10.4%増の10,243百万円、営業利益が同10.9%増の1,940百万円、経常利益が同12.8%増の1,844百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同21.7%増の1,171百万円となり、創業来24期連続となる増収とともに過去最高の営業利益を達成した。売上高は、モバイルマネジメントサービスの順調な売上成長に加えX-Techサービスの大幅な売上成長が増収に貢献した。モバイルマネジメントサービスの中核となる「Optimal Biz」は市場において13年連続シェアNo.1を獲得しており、市場の成長とあわせて、順調にライセンス数も増加した。X-Techサービスでは、中核となる「OPTiM Cloud IoT OS」を土台としたキラーサービス化を目指す複数の領域で成果が顕在化した。X-Techサービスの売上構成比は42.5%(前期は37.8%)まで上昇し勢いが増している。アグリテック分野では「ピンポイントタイム散布」サービスが全国に拡大した。マーケティングDX分野では、「自治体向けスーパーアプリ・プラットフォーム」の佐賀市での展開が開始され、市民の約3割に浸透し、活用が始まった。利益については、売上総利益率が同1.1ポイント低下したが、販管費率も同1.3ポイント低下し、これらの結果、営業利益率は前期と同水準の18.9%となった。全般的には、将来への先行投資をしっかり行いつつ、高い収益性を維持しており、順調な業績と評価できる。

3. 成長戦略・トピックス
同社の基本戦略は、モバイルマネジメントサービスを順調に伸ばしつつ、X-Techサービスを大きく成長させ、業績を飛躍的に発展させるというものであり、この戦略は従来一貫している。X-Techサービスでは「OPTiM Cloud IoT OS」や関連技術を活用した業界特化のキラーサービスを複数展開しており、アグリテック、デジタルコンストラクション、デジタルヘルス、オフィスDX、マーケティングDX、映像管理DXなどが主要な事業領域である。

農業分野では、ドローンを使った「ピンポイント農薬散布・施肥テクノロジー」をはじめ、様々な要素技術を開発してきた。「アグリ・コントラクター・サービス」は、これまで開発したハード(ドローンなど)やソフト(AI・IoTによる解析システム等)を活用したサービスであり、ドローン適期防除サービス「ピンポイントタイム散布」など複数のメニューがそろい充実している。2025年3月期は、これらのドローン活用サービスで、全国規模のサービス体制を安定的に稼働させるため、ドローンやパイロットの稼働体制の強化、バックエンドシステムへの積極投資を計画する。同社では、既に1,000名規模のドローンパイロットのネットワークがあり、日々現場への出動が行われている。全国のJA団体との連携強化も進んでおり、本サービスへの期待も高まっている。より効率的に機材や人(パイロット等)を配置できる仕組みを整備することで、今後の本格的な拡大を可能にする。ちなみに、農林水産業分野のAIソリューション市場シェアで1位を獲得している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)

《HN》

 提供:フィスコ

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