富田隆弥の【CHART CLUB】 「上放れた日経平均株価」
◆5月から3万8000円台で保ち合いを続けていた日経平均株価。そこからの放れ足がポイントになると見ていたが、6月26日に一時、前日比615円高の3万9788円まで上昇し、チャートは「上放れ」をみせた。こうなれば「放れにつけ」の格言の如く、買いで動くのがセオリーだ。
◆ただし、その26日は6月の権利付き最終日であり、一時的に買いが集中した可能性がある。また、為替市場では対ドル、対ユーロともに円安が加速しており、その影響は注視しておかねばならない。8月の東京市場は「夏枯れ」となりやすく、閑散期を前にして6月下旬から7上旬に高値を付ける習性もある。
◆海外では、米国でインフレ圧力の高まりと金利高が続いており、6月28日のPCEデフレーター、7月1日のISM製造業指数、同5日の雇用統計など経済指標の発表が注目される。欧州では7月4日に英国総選挙、同7日にフランス下院決選投票があり、欧米市場の動きからも目が離せない。
◆これら内外の要因にも目配りしなければならないが、それでも日本株は日経平均株価の流れ(チャート)に従うのが基本だ。週足チャートを見ると、26週移動平均線(6月27日時点3万8162円)が支持線になっている。26週線を割り込むような下落がこの先あるならスタンスを修正する必要はあるが、それまでは上昇指向と判断して、押し目買い、もたつき買いで対応し、3月に付けた史上最高値4万1087円への挑戦を想定しておく。
(6月27日 記、次回更新は7月6日10時を予定)
情報提供:富田隆弥のチャートクラブ
株探ニュース