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来週の株式相場に向けて=新高値圏に浮上するTOPIXと夏相場の行方

 今春以降は往来相場が続いた東京市場だが、6月は月間で1095円(2.8%)上昇と堅調。特に、今月後半には上値抵抗線となっていた3万9000円ラインを突破した。とりわけ、足もとでの強さが目立つのがTOPIXだ。今日は一時2821まで上昇し、3月22日につけた終値ベースの年初来高値2813.22を上回る場面があった。結局、後場に伸び悩んだものの、3月高値を抜ければ1989年12月の最高値2884.80が再び視野に入る。

 大手銀行株が買われ三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>や三井住友フィナンシャルグループ<8316>、みずほフィナンシャルグループ<8411>が年初来高値を更新した。足もとで日本の長期金利は1.0%台に上昇しており、金利上昇が銀行株には利ザヤ改善による収益拡大につながるとの期待が強い。半導体関連株に加え、日立製作所<6501>や伊藤忠商事<8001>など時価総額上位銘柄の上昇がTOPIXを牽引している。日経平均株価に比べTOPIXは内需バリュー株の影響も強いだけに、米国に加え国内金融政策の動向は注視されそうだ。

 来週からは7月となり本格的な夏相場に突入するが、最大のポイントは30~31日の米連邦公開市場委員会(FOMC)と日銀金融政策決定会合となる。日銀会合に向けては1日発表の6月日銀短観への関心が高い。大企業製造業の業況判断指数(DI)は11と、3月から横ばいが予想されている。足もとでは急激な円安が進行しているが、国内金利の上昇懸念が銀行株上昇につながるかも注視される。

 また、FOMCに向けては5日の米6月雇用統計が大きな焦点となる。更に、今月末の30日にはフランスで国民議会(下院)の総選挙の第1回投票が行われ、英国では4日に下院総選挙が予定されている。来週は重要イベントが目白押しであり、相場はその結果に一喜一憂する展開が予想される。

 上記以外のイベントでは、海外では1日に米6月ISM製造業景況指数、2日に米5月JOLTS求人件数、3日に米6月ADP雇用統計、米6月ISM非製造業景況指数、それに6月11~12日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録が公表される。4日は米国が独立記念日で休場となる。日本では5日に5月家計調査が発表される。3日には新紙幣が発行される。安川電機<6506>が5日に決算発表を行う。2日にPRISM BioLab<206A>が東証グロース市場に新規上場する。来週の日経平均株価の予想レンジは3万9000~4万円前後。(岡里英幸)

出所:MINKABU PRESS

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