ギックス Research Memo(5):2024年6月期第3四半期は増収減益(2)
■ギックス<9219>の業績動向
(2) 共通課題解決
「共通課題解決」のサービス領域では、JR西日本グループでの「マイグル」活用が引き続き堅調であり、大型商業施設のキャンペーンツールとしての採用が拡大している。また、店舗単独のキャンペーンだけでなく、全国の施設を対象とするキャンペーンも実施され、多様な施策に活用されている。直近では、JR西日本の観光ナビアプリ「tabiwa by WESTER」に導入され、山陰地方でのデジタルスタンプラリーなどに活用されている。JR西日本では「データ」「個客」起点で多様なサービスを生み出し、24時間365日顧客とつながるサービスを推進している。「マイグル」は、2021年より移動生活ナビアプリ「WESTER」に導入され、2023年4月に開始した「WESTERポイント」の会員獲得促進など、既に150件以上のキャンペーンに活用されている。「WESTER」はサービス開始から1年で会員数が750万人を突破しており、「マイグル」を活用した継続的なキャンペーンが会員増加に貢献したことが「taiwa by WESTER」の導入に際して評価された。「マイグル」における従来の成長戦略「スーパーアプリへの組込み」についても引き続き推進する方針である。
また、JR東海グループの「TOKAI STATION POINT」アプリとも連携しており、「マイグル」を活用したキャンペーンへシームレスに参加することが可能である。同アプリは、JR東海グループの駅商業施設で使える共通ポイントサービスであり、「マイグル」を活用したアプリ内スタンプラリーにより、TOKAI STATION POINT会員の購買・移動の体験価値を向上させつつ、商業施設内・施設間の回遊促進や鉄道移動需要の創出を図ることができる点が評価されている。TOKAI STATION POINTアプリで「マイグル」を活用した初のキャンペーンとして、33施設を対象とした「来店スタンプキャンペーン」が実施された。今後も既存モデルの「横展開」の実現や、さらなる発展を目指し積極的に推進する。
その他、子会社のギディアでは、ライフスタイルブランド「継(つぐ)」の今治タオルが三井住友カードプラチナ会員限定サービス「メンバーズセレクション」に採用された。「継」は、日本の伝統工芸、伝統産業を次世代へ継いでいくことを目的として、全国各地の伝統工芸・伝統産業の工房、企業と協業して立ち上げたライフスタイルブランドである。ギディアのクリエイティブ&ブランディングディレクター石山瑶留が、ブランド戦略、アートディレクション、商品化から販売戦略までを一気通貫で手掛けている。
2. 財務状況
2024年6月期第3四半期末の資産合計は、前期末比19百万円増の2,366百万円となった。流動資産は同22百万円増の2,247百万円となり、主な内訳は、現金及び預金が1,611百万円、売掛金及び契約資産が612百万円である。固定資産は同2百万円減の119百万円となり、主な内訳は、投資その他の資産が71百万円である。
負債合計は、前期末比116百万円減の327百万円となった。流動負債は同79百万円減の284百万円となり、主な内訳は、その他流動負債が228百万円である。固定負債は同37百万円減の43百万円となり、内訳は、資産除去債務が35百万円、長期借入金が8百万円である。
純資産合計は同136百万円増の2,038百万円となった。主な内訳は、資本剰余金が1,158百万円である。自己資本比率は85.0%と財務健全性は盤石であり、短期的な懸念事項は全くないものと弊社では見ている。なお、2024年6月期より連結決算に移行しているため、単体決算である2023年6月期末に対する増減額は参考値である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)
《AS》
提供:フィスコ