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4492 ゼネテック

東証S
527円
前日比
+10
+1.93%
PTS
527円
13:29 11/25
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
12.8 2.67 3.42
時価総額 61.6億円

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ゼネテック Research Memo(4):ソフト・ハードウェアの開発力などを基に高付加価値ソリューションを提供(2)


■ゼネテック<4492>の事業概要

2. エンジニアリングソリューション事業
エンジニアリングソリューション事業では、顧客満足度を第一に考えた「ものづくり」における最適なソリューションを提供している。1990年に日本初となるMastercamの正規輸入代理店権の取得以来、現在世界で最も利用されている3次元CAD/CAMシステムである「Mastercam」を中心に、顧客視点に基づき豊富な技術力と提案力で製造現場における課題解決に貢献している。また、全国に広がる販売・サポート網を通じて、顧客ニーズに応じたサービスを提供している。主な提供製品としては、以下のものが挙げられる。

Mastercam:世界で最も利用されている3次元CAD/CAMシステム。
FlexSim:製造・物流など広い分野で活用できる3次元シミュレーションソフトウェア。
VISUAL COMPONENTS Robotics OLP:産業用ロボット向けのオフラインティーチングソフトウェア
GCモニター:工作機械の監視・管理。

Mastercamは、CAD、2軸CAM、3軸CAM、5軸CAM、旋盤CAM、ワイヤCAM、ブレード加工専用CAM、ポート加工専用CAMなどのモジュールを組み合わせることによって、金型・試作・部品加工など、様々な業種・加工に対応可能であり、各種CADソフトとの互換性にも優れている。同社では各種工作機械におけるポストプロセッサ作成実績を豊富に有しており、インプット・アウトプットに両面からサポートが可能である。

FlexSimは、製造工場や物流倉庫の生産性向上・効率化に最適な3次元シミュレーションソフトウェアである。人・モノ・設備の流れやレイアウト・稼働をデジタルツインで見える化し、AI技術も活用して個別最適から全体最適へのシフトを支援する。また、FlexSimは、製造ラインの設計・改善、物流システムの設計・改善、人員配置の最適化、在庫管理の最適化など、様々な課題解決に利用されている。直感的な操作性と高度な可視化機能を備えており、シミュレーション結果を分かりやすく表示できるため、現場のスタッフから経営層まで、全員が同じ視点で問題を理解し、解決策を議論できるようになる。VISUAL COMPONENTS Robotics OLPは、フィンランドに本社を置くVisual Components社が開発した、産業用ロボット向けのオフラインティーチングソフトウェアである。ロボットのティーチング時間を90%短縮できるうえ、様々なメーカー製のロボットのティーチングを統一したUIで行えるため、時間・検証が大幅に向上し、ダウンタイムの低減が可能となる。主要なロボットメーカー各社のプログラム言語に対応しており、使いやすいインターフェースで簡単にロボットをティーチングできるうえ、ノウハウをソフトウェア内に蓄積することで、より高い品質のプログラムを作成できるため、製造業界における重要なツールとなっている。

GCモニターは、工場設備の稼働モニタリングシステムで、従来見えなかった機械の詳細な稼働状況を可視化し、分析・改善するためのツールである。新旧メーカーの混在した現場でもすべての設備をモニターでき、工作機械などの稼動信号配線に電流センサーをクランプするだけで簡単に取り付けられる。GCモニターの導入により、生産設備稼働率アップによる売上向上、利益率向上、納期遅れ解消などの効果が見込める。また、各機械メンテナンスの時期把握による、突発的故障の回避、機械故障時間の減少、及び不良品の削減、保守コスト削減も期待できる。さらに、FlexSimとの連携により、稼働モニタリングシステムのデータと直接照らし合わせることで、リアルタイムのシミュレーションが可能となる。これにより、現状のパフォーマンスを確認し、さらに現状の設備と体制のベストパフォーマンスをシミュレーションして比較できるため、新しい設備や体制、レイアウト変更など、工場全体のパフォーマンス向上の確認に役立てられる。

3. GPS事業
GPS事業では、自社特許技術をベースに開発した防災・見守りアプリケーションである「ココダヨ」を中心に提供している。ココダヨは、災害警報に連動して自動で家族や大切な人の居場所を瞬時に通知する防災スマートフォンアプリである。災害時には、グループメンバーの位置情報を自動で共有し、安否確認をサポートする。また、グループ内でのチャット掲示板が利用可能で、見守り・連絡ツールとしても活用できる。さらに、位置情報共有機能を備えているため、平常時は見守りアプリとして小さい子供や高齢者の居場所をアプリ内の地図で確認できる。災害速報時には、直前の居場所を予め設定された相手へ瞬時に通知し安否確認をサポートするほか、お互いのバッテリー残量を共有する機能もあり、連絡頻度や連絡できない理由などを推測ができる。

4. 同社の強み
システムソリューション事業では、家電製品や産業機器などの機械を制御する、組込みソフトウェアの領域における老舗として40年の業歴を誇る。競合となる企業には、富士ソフト<9749>やヴィッツ<4440>が挙げられ、ソフトウェア開発を主業としつつ他の領域にも展開する企業と比較されやすい。組込みソフトウェアの開発を請負う会社は意外と多いが、二次請け・三次請けとして受注しているケースも少なくない。しかし、同社はデジタル家電関連ではソニーグループ<6758>、車載関連においてはパナソニックホールディングス<6752>等、Tier1と呼ばれる超大手企業と直請けで取引をしている。加えて、ソフトウェアのみならずハードウェアの開発も行っていることから、回路系や基盤の試作といった案件にも対応可能であり、これらのニーズすべてに対応できる企業は世の中でも多くない。Tier1サプライヤとして豊富なOEM対応を有し、メーカーと同じ水準で上流から下流までのノウハウを蓄積している点が、同社の最大の強みであると弊社では見ている。

一方、前述の領域のみを手掛けている企業であれば、なんらかの事象により二次請け・三次請けの立場に回らなければいけない状況となった場合、業績にも著しい影響が生じると推察される。そのため、同社では2つ目の柱として、エンジニアリングソリューション事業において、3次元CAD/CAMソフト「Mastercam」等のソフトウェアによるソリューションを提供しており、多くの切削加工を行う業者に使われている。宇宙開発等の分野においては、いわゆる町工場と呼ばれる中小・零細企業が技術力を発揮しているが、その多くはベテラン職人の経験に基づくカン・コツに依存する部分が多く、ノウハウが蓄積されにくいという課題がある。エンジニアリングソリューション事業では、ベテラン職人のカン・コツを数値化し、ソフトウェアで機械を制御することで正確な技術伝承を可能とする。また、3つ目の柱として、GPS事業においては、「ココダヨ」をはじめとしたスマートフォンアプリの開発・提供を行っている。これらのセグメントを3本の柱として、シナジーを発揮しながら各分野で成長可能である点が、同社の大きな特徴であり強みであると弊社では見ている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)

《SI》

 提供:フィスコ

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