ポラリスHD Research Memo(4):2024年3月期は運営ホテルの好業績・売却により過去最高業績を達成
■業績動向
1. 2024年3月期通期の業績概要
ポラリス・ホールディングス<3010>の2024年3月期通期の売上高は22,545百万円(前期比221.3%増)、営業利益3,382百万円(前期は3百万円の利益)、経常利益2,608百万円(前期は215百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益3,297百万円(前期比517.2%増)となった。2018年のスターアジアグループ参画以降で最高の売上高及び各利益を達成した。
売上高については、主力のホテル事業の売上高が14,507百万円(前期比107.3%増)と2倍以上に拡大した。国内宿泊需要が回復するなか、既存ホテルのRevPAR改善や運営ホテル数及び客室数の増加、子会社化した海外ホテル(Red Planet Hotels)の業績を連結計上したこと等が、大幅な増収に貢献した。新規開業したホテルは、KAYA 京都二条城BWシグネチャーコレクションbyベストウェスタン(2023年4月)、KOKO HOTEL仙台勾当台公園(2023年9月)、KOKO HOTEL仙台駅前South(同)、KOKO HOTEL仙台駅前West(同)、ベストウェスタンプラス名古屋栄(2024年3月)、Red Planet BGC The Fort(2023年10月)の6棟である。また、2024年3月期は不動産事業において2件の販売用不動産のスターアジアグループが資産運用を行うJリートへの売却があり、ワンタイムの売上高として8,039百万円(前期は19百万円)が計上された。売却物件は、ベストウェスタンプラス福岡天神南及びフィーノホテル札幌大通であり、売却後も同社は運営を受託している。
営業利益については、ホテル事業のレベニューマネジメント強化などに加え、運営ストラクチャーの変更を積極的に行い、収益性を向上させた。運営ストラクチャーでは、ホテルマーケットが持続的に回復している状況を受けて、よりリターンの期待できる固定賃料型や固定+変動賃料型への変更を増やした結果、ホテル事業の営業利益(セグメント間取引調整後)は2,026百万円(前期比244.4%増)となった。また、不動産売却による営業利益(同)は2,044百万円と全社の増益に大きく寄与した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
《HN》
提供:フィスコ