TOKAI Research Memo(3):2024年3月期は2期振りの増益に転じる
■業績動向
1. 2024年3月期の業績概要
TOKAIホールディングス<3167>の2024年3月期の連結業績は、売上高で前期比0.6%増の231,513百万円、営業利益で同4.0%増の15,511百万円、経常利益で同16.9%増の15,531百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同31.2%増の8,481百万円となった。売上高はエネルギー事業や建築設備不動産事業が減少したものの、情報通信事業やCATV事業の増加でカバーし、7期連続の増収となり過去最高を更新した。一方、利益面では建築設備不動産事業が減益となったほか、賃上げによる人件費増やDX関連投資の増加などがあったものの、エネルギー事業や情報通信事業、アクア事業等の増益でカバーし、各利益段階で2期振りの増益に転じた。なお、前期はベトナムの持分法適用関連会社に係るのれんの減損処理等により、持分法による投資損失を1,977百万円計上したが、2024年3月期は同損失が294百万円と大幅に縮小したため、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益については2ケタ増益となった。
また、会社計画比で見ると、売上高はエネルギー事業や建築設備不動産事業の減収により3.5%下振れた一方で、営業利益については建築設備不動産事業の下振れ、並びにDX関連投資など本社経費の増加があったものの、仕入マージンの改善を主因としたエネルギー事業の上振れにより吸収し、3.4%上回って着地した。
2024年3月期末の継続取引顧客件数は前期末比59千件増加の3,358千件となった。LPガス事業で33千件、CATV事業で26千件それぞれ増加したことが主因だ。期初計画に対しては、LPガス事業のM&A交渉が長引いたこともあり26千件届かなかったが、顧客基盤の拡大については着実に進んでいる。また、サービス利用によって各種ポイントが貯まるTLC会員サービスの会員数も同56千件増の1,214千件と順調に増加した。同会員を増やすことで、解約率の低減やクロスセル率向上の効果が期待される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
《SO》
提供:フィスコ