テラスカイ Research Memo(11):NTTデータとの資本業務提携によりSalesforce事業の成長が加速
■今後の見通し
2. NTTデータとの資本業務提携と長期目標
テラスカイ<3915>は2024年4月12日付でNTTデータとの資本業務提携を発表した。業務提携の内容は、Salesforce事業の成長加速を目的に、両社が持つリソースを融合して国内での新規導入やアジア・パシフィック市場での共同事業展開、相互のブランド力を生かしたデジタル人材の獲得及び育成を推進するというものである。NTTデータもSalesforce事業を手掛けていたが、資格取得数は国内で6番手で比較的上流工程に偏っており、成長も限定的であった。事業の成長加速を図るべく開発エンジニアを多く有する同社に声が掛かり、今回の資本業務提携につながった。
前述のとおり、まずはNTTデータの顧客先でSalesforceが未導入の地域金融機関をターゲットに協業していく考えで、同社では業務提携の効果として今後3年間で170億円以上の売上創出を目指している。Salesforceを導入する際には、「mitoco」など周辺サービスの導入も進む可能性がある。業務提携の効果が顕在化するのは2026年2月期以降になると見られ、NTTデータとの協業によって成長が加速する蓋然性が高まったと弊社では見ている。なお、2025年2月期の業績計画には業務提携の効果を織り込んでいない。
資本提携の内容については、同社がNTTデータに対して4月30日付で67万株相当の新株予約権を発行しており、同新株予約権が行使された場合、既に市場買い付けなどで取得している株式数も合わせると保有比率は20.1%となり、同社はNTTデータの持分法適用関連会社となる見通しだ。新株予約権の行使価額は1,400円で、行使基準は2027年2月期までの年度において一度でも連結営業利益で25億円を超過した場合に行使可能となっている。同社は中期業績目標を発表していないが、同条件から2027年2月期までに営業利益で25億円超を目標にしているものと考えられる。なお、デジタル人材の獲得については、同社がNTTデータグループになることによって、従来よりもプラスの効果が出るものと同社では期待している。
なお、2030年度の連結売上高700億円超の長期目標に変更はなく、今後も旺盛なクラウドインテグレーション需要に対して、人的リソースの強化と子会社展開を推進しながら、年率20%超の売上成長を維持していく考えだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
《HN》
提供:フィスコ