早稲アカ Research Memo(3):小学部門の売上構成比が年々上昇し、2024年3月期は59%を占める
■会社概要
2. 事業内容
早稲田アカデミー<4718>及び連結子会社は、進学塾を複数のブランドで展開している。同社においては、小学生から高校生までを対象とした「早稲田アカデミー」を首都圏(東京、神奈川、千葉、埼玉、茨城)で展開しており、ブランド名としては「早稲田アカデミー(中学受験・高校受験)」(2024年3月末117校)、「早稲田アカデミー大学受験部」(同6校)、個別指導塾の「早稲田アカデミー個別進学館」(同45校)、難関中学高校受験専門塾「ExiV(エクシブ)」(同5校)、最難関中学受験専門塾の「SPICA(スピカ)」(同1校)、英語専門塾として「早稲田アカデミーIBS」(同1教室)、「多読英語教室 早稲田アカデミー English ENGINE」(同3教室)、帰国生向け進学塾「LOGOS AKADEMEIA」(同1教室)を直営で運営している。
子会社では、野田学園が医歯薬学系専門の大学受験予備校「野田クルゼ」を都内で1校運営している。また、水戸アカデミーは茨城県内で小中学生を対象とした進学塾「水戸アカデミー」1校と「早稲田アカデミー個別進学館」1校を運営している。「水戸アカデミー」は中学部が主力で、県内の難関公立高校である水戸第一高校の合格者数で高い実績を持つ。集学舎は千葉県内で小中高校生を対象とした進学塾「QUARD」を6校展開しており、うち高校部門については東進衛星予備校の映像授業を行っている。主力は中学部で県立千葉高をはじめとする難関公立高校で高い合格実績を有している。いずれも難関公立校への進学を志望する生徒の獲得強化に取り組む同社にとって、シナジーが得られるとの考えから子会社化した。そのほか、英国、米国で早稲田アカデミー各1校を運営している。新たにグループ化した幼児未来教育の3校や、個別進学館のFC25校を含めてグループ全体の校舎数は213校となっている。
2024年3月期の売上構成比を見ると、小学部が59.3%と最も高く次いで中学部が35.4 %、高校部が4.8%となっている。2021年3月期以降の推移を見ると小学部が年々上昇傾向にあり、中学部と高校部が低下傾向となっている。小学部についてはコロナ禍で公教育サービスへの不安が高まるなかで、私立あるいは国立中学校を志望する生徒が増えたこと、またコロナ禍でいち早くオンライン授業を開始し、その後も対面とオンラインの両方で授業を行う「早稲アカDUAL」のサービスを提供し続けたことで顧客支持を集めたことが構成比の上昇につながったと見られる。一方で、中学部や高校部については少子化の影響で受験倍率が低下傾向となるなかで、通塾ニーズが市場全体で低下する傾向にあり、同社においてもその影響で構成比が低下しているものと考えられる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
《SI》
提供:フィスコ