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証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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3864 三菱製紙

東証P
492円
前日比
+5
+1.03%
PTS
490.2円
13:30 11/22
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
2.7 0.24 2.03 93.70
時価総額 220億円
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三井松島HD Research Memo(4):M&Aにより収益基盤の多様化・安定化を推進中(2)


■三井松島ホールディングス<1518>の事業内容

(4) システックキョーワ
2021年2月に株式取得したシステックキョーワは、ドアストッパーや耐震ラッチ等の住宅関連部材の企画・製造・販売を行っている。タイに自社工場を保有していることから、企画から金型、成形、組立まで一貫してグループ内で生産を行うことができ、業界内で高いシェアを誇る。また、大手住宅・建材メーカーと直接取引により強固な関係を構築しており、商品の共同開発や特許の共同出願も行っている。足元では資材価格高騰などを背景とした住宅価格の高止まりにより新設住宅着工戸数が減少するなど、厳しい市場環境が続いている。今後は、システックキョーワの技術優位性を活かすことができる新市場の開拓を積極的に模索することにより業績の拡大を図る方針だ。

(5) MOS
2023年2月に株式取得したMOSは、レジスター機用レシートとして使用するレジスター・POSロール紙、食券や各種入場券等に使用する券売機ロール紙、来客順に対応するための番号札として使用する順番待ち受付番号用ロール紙など、各種サーマルロール紙を取り扱っている。サーマルロール(感熱紙)とは、熱を感知することで変色し、インク不要のため維持費が安く、レシートをはじめとする様々な用途に使用されている記録紙である。1962年創業のMOSは特に、感熱レジロールの加工販売において高い市場シェアを有し、業界第一位の地位を確立している。経済産業省が2023年4月に公表した調査結果によると、キャッシュレス決済の比率は、2010年の13.2%から2022年には36.0%になっている。その中でもクレジットカードが30.4%と多くの割合を占めている。政府が2025年までにキャッシュレス決済比率を4割程度にするという目標を掲げていることを考えると、今後もキャッシュレス決済比率は増加することが予想される。クレジットカード決済の際に発行されるレシートは利用者用、カード会社用、店舗用の合計3枚と現金決済に比べて多く、今後もMOSの感熱レジロールに対するニーズは堅調に推移することが見込まれる。加えて、2023年10月には三菱製紙株式会社<3864>の連結子会社(孫会社)である株式会社カツマタから感熱紙の加工販売事業を譲り受けた。カツマタの感熱レジロールは大手コンビニエンスストアチェーン等で最終的に利用される分野に強みを有している。スーパー、ドラッグストアなどの販路を得意としてきたMOSは、今回の事業譲受でコンビニエンスストアという新たな販路を獲得した格好だ。今後、業績拡大スピードがさらに高まるものと思われる。

産業用製品分野
(6) CST
2017年2月に株式取得したCSTは、液晶パネル・有機EL・電子部品等の製造に用いられるマスクブランクス※の製造・販売を行う。1977年に国内初のマスクブランクス専業メーカーとして創業し、国内外有力メーカー等優良な顧客基盤を保持している。CSTの製品は顧客商品開発過程で消費されるため、最終商品の動向影響は比較的受けにくく、業績は安定して推移している。

※マスクブランクスとは、半導体等の回路パターンを描画するための素材で、版画の原版のような役割を担う。


市場環境に関して、半導体はシリコンサイクルと呼ばれる好況・不況のサイクルがあるものの、中長期的には安定して推移すると弊社は見ている。2022年半ばから世界的なインフレや地政学リスクの高まりなどを受け市場環境は軟調に推移してきたものの、足元では市場縮小に底打ちの兆しが見られる。5G、ビッグデータ、AI、IoTといった大きなトレンドは継続しており、これらのデジタル技術を支えるうえで半導体は重要な役割を担っていること、経済安全保障の観点等から自国での量産体制を整える政府方針があることなどから、中長期的に半導体に対するニーズは堅調に推移すると弊社は考える。実際、半導体の世界市場規模は、2015年の335,168百万米ドルから2022年には574,084百万米ドルに成長(CAGRは8.0%)し、さらに2024年には588,364百万米ドルまで拡大すると予想されている※1。また日本製半導体装置の販売高についても、2020年の23,835億円から2025年には44,383億円に拡大すると予想されている※2。

※1 出所:世界半導体市場統計(WSTS)
※2 出所:(一社)日本半導体製造装置協会


(7) 三生電子
2020年4月に株式取得した三生電子では、水晶デバイス※用計測器・生産設備の製造販売、並びに関連するハードウエア・ソフトウエアの製造販売を行っている。1963年に創業し、水晶デバイス製造工程のうち組立~検査までを幅広くカバーしたインラインシステムを構築できる国内唯一の装置メーカーである。顧客との強固な関係や価格競争力、高い技術力が強みである。2022年3月期より組立工程の前段階であるブランク工程も含めたインラインシステムを開発・販売開始しており、他社との一層の差別化を実現している。また、2024年1月には三生電子が米国に新たに設立したSansei America, Inc.,を通じて、Saunders & Associatesを買収した。Saunders & Associatesのネットワークアナライザー(水晶振動子用の計測器)は精度の高さと使用の簡便さにより、国内だけでなく、中国、台湾、欧米など世界中の水晶デバイスメーカーで使用されている。今回の買収によって、三生電子の水晶デバイス業界におけるさらなるプレゼンスの向上とグループシナジーの創出を追求していく構えだ。

※水晶の(逆)圧電効果(物質に電力をかけると高速かつ精確に振動する性質)を利用した電子部品。あらゆる電子機器に搭載され、特にスマートフォンなどの無線接続機器には必要不可欠となっている。自動車のエレクトロニクス化や通信インフラ5G対応など、成長分野での用途拡大が見込まれている。


半導体市場に関しては、コロナ禍後の消費活動の変化や、世界的なインフレなどを受けて在庫調整局面が継続していたものの、足元では底打ちの兆しがでている。また、先述した理由から中長期的には半導体に対する需要は安定して推移するものと弊社は見ている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)

《HH》

 提供:フィスコ

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