貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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7013 IHI

東証P
8,721円
前日比
-358
-3.94%
PTS
8,791円
23:12 11/21
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
15.5 3.25 1.38 1.74
時価総額 13,490億円
比較される銘柄
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「宇宙関連」に熱視線再び、アストロS上場接近でテーマ株躍動の予感 <株探トップ特集>


―昨年登場のアイスペース・QPS研究所に続き人気化期待、デブリ対策銘柄など注目―

 マーケットで宇宙への関心が高まりをみせている。世界各国で宇宙開発を巡る動きが活発化し、話題となる機会が増えているためだ。日本も世界に追いつくべく官民を挙げての取り組みが進められており、その動向を巡って宇宙開発関連に位置づけられる銘柄群が動意づく場面もある。昨年から宇宙ベンチャーのIPOが相次いでいることも、宇宙株物色の広がりに一役買っている。来月には新たな宇宙ベンチャーの新規上場が控えている。関連銘柄からは今後も目を離せない状況が続きそうだ。

●宇宙予算、年1兆円との報道も

 スペースデブリ(宇宙ごみ)除去サービスを提供するアストロスケールホールディングス <186A> [東証G]が6月5日に新規上場する。公開価格は仮条件(750~850円)上限の850円。衛星の燃料補給や点検、運用を終えた衛星のデブリ化防止サービスなども手掛ける。主要顧客には仏衛星通信大手ユーテルサットグループや宇宙航空研究開発機構(JAXA)がある。昨年に宇宙ベンチャー初のIPOを果たしたispace <9348> [東証G]、その次に登場したQPS研究所 <5595> [東証G]に続き、今回も人気化への期待が膨らむ。

 世界では宇宙開発を巡る競争がますます激しさを増している。中国は今月3日に無人月面探査機「嫦娥(じょうが)6号」の打ち上げを実施。月の裏側にある岩石や土壌を採取して持ち帰るミッションに挑む予定で、成功すれば世界初という。米国では有人の月探査を目指す「アルテミス計画」が進行中だ。2026年に米国人宇宙飛行士の月面着陸を目指すほか、直近では28年以降に日本人宇宙飛行士がこの計画に参加することが決まった。インドは昨夏に世界4ヵ国目となる月面着陸を成功させ世界の耳目を集めた。

 日本も取り組みを加速させており、今年1月にはインドに続き5ヵ国目となる月面着陸に成功。2月には次世代ロケット「H3」の打ち上げが行われ、こちらも見事成功を収めた。政府は企業や大学の宇宙開発を後押しするべく昨年に「宇宙戦略基金」の創設を決定し、今夏にも公募を始める見通しだ。また直近では、政府が6月にも策定する「骨太の方針」を巡り、自民党の委員会が宇宙関連予算を毎年度1兆円確保することを盛り込むよう提言したことが報じられている。

●スカパーJ、デブリ除去の新会社設立

 アストロSに絡み、宇宙ごみ対策に関連する銘柄としてはスカパーJSATホールディングス <9412> [東証P]がある。同社は宇宙ごみをレーザーで除去する衛星の開発に取り組んでおり、今年1月には新会社「Orbital Lasers(オービタルレーザーズ)」を設立して取り組みを更に加速させる構えだ。川崎重工業 <7012> [東証P]は自社開発したデブリ捕獲用の超小型実証衛星を用い、仮想デブリを捕獲する実証に成功したことを3月に明らかにした。

 文部科学省の宇宙ごみ低減に向けた事業を行う東京大学発の宇宙ベンチャーPale Blue(ペールブルー、千葉県柏市)への出資実績があるスパークス・グループ <8739> [東証P]、JAXAと共同でデブリ除去に向けた取り組みを行った実績がある日東製網 <3524> [東証S]も関連銘柄としてマークしたい。

●「H3」6月30日打ち上げ予定、関連銘柄をチェック

 今年1月の月面着陸成功は大きな話題を呼んだが、これに用いられた実証機が無人探査機「SLIM(スリム)」だ。メインエンジンを三菱重工業 <7011> [東証P]と京セラ <6971> [東証P]、着陸レーダーを三菱電機 <6503> [東証P]、着陸後に周囲を調査する分光カメラをIHI <7013> [東証P]の子会社で観測機器メーカーの明星電気が担当。また、太陽電池をシャープ <6753> [東証P]、宇宙用リチウムイオン電池を古河電池 <6937> [東証P]が手掛けた。

 2月に打ち上げに成功したH3ロケットは、三菱重とJAXAが共同開発した次世代の大型ロケットだ。開発には三菱重以外にも数多くの企業が参加しており、衛星を格納するロケットの最先端部分「衛星フェアリング」は川重、固体ロケットブースターはIHI傘下のIHIエアロスペース、ロケット用慣性センサーユニットは日本航空電子工業 <6807> [東証P]が製造。機体に用いられている素材の一部には東レ <3402> [東証P]の航空機向け炭素繊維「トレカ」が使われている。H3ロケットの次の打ち上げは6月30日の予定だ。

 一方、3月には宇宙ベンチャーのスペースワン(東京都港区)がロケット打ち上げに挑戦したが、こちらは残念ながら失敗に終わった。この際、株式市場では同ベンチャーに出資するキヤノン電子 <7739> [東証P]が下落する場面があった。同ベンチャーにはIHIエアロスペース、清水建設 <1803> [東証P]のほか、和歌山地盤の不動産会社アズマハウス <3293> [東証S]、和歌山を中心に食品スーパーを展開するオークワ <8217> [東証P]なども出資している。

 このほか宇宙関連株としてはアルテミス計画に採用された月面探査車「ルナクルーザー」を開発するトヨタ自動車 <7203> [東証P]をはじめ、宇宙関連の製品・ソリューションを手掛けるNEC <6701> [東証P]や浜松ホトニクス <6965> [東証P]、ニコン <7731> [東証P]といった大手企業が見逃せない。中小型株ではアイネット <9600> [東証P]やセック <3741> [東証P]、INCLUSIVE <7078> [東証G]、櫻護謨 <5189> [東証S]、松尾電機 <6969> [東証S]など。直近、米航空宇宙局(NASA)の月面探査ソリューション開発を技術支援したと発表したKudan <4425> [東証G]も要チェックだ。

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