No.1 Research Memo(10):「下限配当の設定」など株主還元を大幅に強化する方針に変更
■株主還元策
No.1<3562>は、新中期経営計画「Evolution 2027」の公表とともに、株主還元方針も変更し、株主還元を大幅に強化する方向性を示した。これまでは安定的な配当(配当性向30%を目安)を目指してきたが、今後は「配当性向30%を目安とし、年度業績の変動にかかわらず安定的・継続的な株主配当を実施する」方針としている。特徴的なのは、「前年の1株当たりの年間配当金を下限とし、連続増配を行う」という下限配当を設定したところであり、大幅な株主還元の強化であるとともに、利益成長への自信の表れとしても評価できる。
また、自己株式の取得についても、「財務規律の下で機動的に実施」する方針としており、より前向きな姿勢を示している※。
※株価についての自社認識と市場評価のギャップの解消、ROE、資本効率、CFの水準を考慮し、機動的に実施する方針としている。
2024年2月期の配当は期初予想どおり前期比1円増配となる1株当たり33円(中間16.5円、期末16.5円)となった。また、自己株式についても340,000株(取得価額は397百万円)を取得した。2025年2月期は減益予想ながら、毎期増配の方針に従い、特別配当金1円(設立35周年の記念配当)を含み、前期比2円増配となる1株当たり35円(中間17.5円、期末17.5円)を予想している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
《SO》
提供:フィスコ