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孤独死を防ぐ救世主!「高齢者見守りサービス」関連銘柄にズームイン <株探トップ特集>


―セキュリティ会社や宅食会社がサービスを展開、IoT活用で関連商品の裾野も拡大へ―

 日本では高齢化の進展により一人暮らしの高齢者が増えたことに伴い、自宅において一人で亡くなる、いわゆる孤独死や孤立死が増え社会的な問題となっている。その背景には社会的孤立があるといわれており、それを防ぐために自治体による支援サービスのほか、民間企業による 見守りサービスやさまざまなツールも増えている。高齢化の進展から、今後もそうした商品やサービスの市場は拡大するとみられており、関連銘柄に注目したい。

●高齢者の孤独死は推計年6万8000人

 警察庁は5月13日、今年1~3月に自宅で亡くなった一人暮らしの65歳以上の高齢者が1万7034人確認されたと初めて明らかにした。衆院決算行政監視委員会で立憲民主党の長妻昭氏の質問に答えたもので、年間に換算すると約6万8000人と推計される。

 政府はコロナ禍によって社会に内在していた孤独・孤立の問題が顕在化・深刻化し、女性や若年層の自殺者が増加したことを受けて、2021年に孤独・孤立対策担当大臣を司令塔とした孤独・孤立対策担当室を内閣府に設置した。その対策の一環として昨年、孤独死・孤立死の実態の把握に向けたワーキンググループを内閣府に設置。これにより、これまで一部の自治体を除いて大きく問題視されていなかった高齢者の孤独死や孤立死に関しても、今後議論が進むことが期待されている。

●高齢世帯の半数以上が一人暮らし

 高齢者の孤独死や孤立死が増えている要因に挙げられるのが、一人暮らしの高齢者の増加だ。

 総務省統計局が4月に発表した23年10月1日現在の人口推計によると、総人口1億2435万2000人のうち65歳以上の人口は3622万7000人となった。前年に比べて9000人の減少となった一方、総人口に占める割合は0.1ポイント上昇して29.1%と過去最高となった。

 また、厚生労働省の「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」によると、22年6月2日現在における全国の世帯総数は5431万世帯で、そのうち65歳以上の人のみで構成するか、またはこれに18歳未満の未婚の人が加わった世帯である「高齢者世帯」は1693万1000世帯と全世帯の31.2%を占めた。特に高齢者世帯のなかでも、一人暮らしにあたる「単独世帯」は873万世帯で、高齢者世帯の51.6%と半数以上となっている。

 社会保障・人口問題研究所では、50年には高齢者の単独世帯が1083万9000世帯に増加すると予測しており、未婚率の増加や核家族化の進行などにより、大幅な増加が見込まれている。

●孤独死による経済的な損失も

 もちろん、一人暮らしの高齢者が全て孤独死や孤立死につながるわけではないものの、他の世帯に比べて病気やケガをした時のリスクは高く、万が一倒れたとしても助けを呼べないなどの可能性がある。

 他人や地域とのかかわり方にもよるが、孤独死・孤立死が発生すると、周囲の人に精神的なショックを与えるだけではなく、住んでいる住居が事故物件扱いとなりその後の売却や賃貸に影響を及ぼすことや、空き家問題が生じ経済的な損失が発生することも多い。

 そのため、行政サイドも孤独死や孤立死につながりやすい高齢者の社会的孤立を防ぐことに力を入れ始めており、さまざまな自治体が高齢者の健康増進や社会参加を促す取り組みを行っている。

 一方、民間企業にも高齢者の社会的孤立を防ぐサービスや商品を手掛ける企業が増えている。今後更に高齢化が進展することから、こうしたサービス・商品に対するニーズも高まりそうだ。

●セキュリティ会社の見守りサービス

 まず注目されるのは、大手セキュリティ会社などが行う見守りサービスだ。

 ALSOK <2331> [東証P]はホームセキュリティサービス「HOME ALSOK」の一環として、緊急時の駆けつけと日常の健康相談をセットにした「みまもりサポート」(高齢者見守りサービス)を提供している。個人の利用のほか、自治体の高齢者緊急時通報サービスなどへの導入例も多い。

 セコム <9735> [東証P]は、「セコム・ホームセキュリティ(親の見守りプラン)」を提供しており、緊急発進拠点の豊富さなどを背景にこちらも契約数を伸ばしている。また同社は、ディー・エヌ・エー <2432> [東証P]と共同で、ロボットを使ったシニア向けのコミュニケーションサービス「あのね」を開発し、ロボットを通じたコミュニケーションでシニアの孤独解消の手助けも行っている。

 セキュリティ会社以外でも見守りサービスを手掛ける企業はあるが、ユニークなところでは日本郵政 <6178> [東証P]子会社の日本郵便が「郵便局のみまもりサービス(高齢者見守り)」の一環として、郵便局員による月1回の直接訪問サービスを提供。ワタミ <7522> [東証P]も宅食事業「ワタミの宅食」で「みまもりサービス」を提供しており、スタッフが毎日、利用者宅を訪問している。また、ヤマトホールディングス <9064> [東証P]傘下のヤマト運輸では電球のオン/オフで安否を確認する「クロネコ見守りサービス ハローライト訪問プラン」を展開している。

●IoTを活用した見守りサービスも続々

 一方、 IoTを活用した見守りツールを手掛ける企業も増えており、注目したい。

 ソルクシーズ <4284> [東証S]は高齢者見守り支援システム「いまイルモ」を展開している。カメラではなく独自の多機能センサーで見守るもので、プライバシーに配慮した製品となっている。また、象印マホービン <7965> [東証P]は通信機能を備えた電気ポットを毎日使うだけで安否を確認する「みまもりほっとライン」を展開。ビーマップ <4316> [東証G]は電力データを活用した見守りサービス用のAIを開発し、サービス提供の準備を進めている。

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