米エヌビディアの好決算を受けて半導体関連株がけん引【クロージング】
23日の日経平均3日ぶりに大幅反発。486.12円高の39103.22円(出来高概算15億6000万株)と4月15日以来の39100円を回復して取引を終えた。早朝に発表された米半導体大手エヌビディアの好決算を背景に半導体関連株中心に買い戻しの動きが強まった。買い一巡後は、心理的な節目の39000円台を目前に利食いが強まり、前日終値近辺まで軟化する場面があった、ただ、時間外取引での米国株価指数先物が堅調に推移しているため、今晩の米国株高を先取りする形で買いが盛り上がり、日経平均は後場中盤に向けては39129.47円まで上げ幅を広げた。
東証プライムの騰落銘柄は、値上がり銘柄数が850を超え、全体の過半数を占めた。セクター別では、電気機器、機械、繊維製品。保険、精密機器など25業種が上昇。一方、石油石炭、鉱業、非鉄金属、不動産など8業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、アドバンテス<6857>、ソフトバンクG<9984>、東エレク<8035>、ファーストリテ<9983>、レーザーテック<6920>、ディスコ<6146>が堅調だった半面、ネクソン<3659>、中外薬<4519>、第一三共<4568>、KDDI<9433>が軟化した。
エヌビディアの決算は実績、見通しとも市場予想を上回る良好な内容だったため、同社株が時間外取引で上昇。東京市場でも半導体関連株中心に買い戻しの動きが強まったほか、ソフトバンクGなど生成AI(人工知能)関連にも値を上げる銘柄が目立っていた。前引け後に、米メディアが「韓国政府は、自国の半導体セクターを対象とする3兆円規模の支援パッケージを公表した」と伝わるなか、半導体関連株への資金流入が継続した。
前回の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨は、4月の消費者物価指数(CPI)発表前の議論なだけに、引き続き、米国のインフレ動向や最初の利下げ時期が市場の焦点であり、米国の物価や雇用動向の見極めが重要となるだろう。来週には米金融当局が金融政策を判断する上で重視する個人消費支出(PCE)物価指数が発表されるだけに、インフレの落ち着きが確認されれば、日米株式市場に追い風となり得ると考えられるだけに注目されそうだ。
《CS》
提供:フィスコ