ウイングアーク Research Memo(7):2024年2月期は前期比15.2%増収、EBITDA 20.0%増益
■業績動向
1. 2024年2月期の業績概要
ウイングアーク1st<4432>の2024年2月期の連結業績は、売上収益で前期比15.2%増の25,752百万円、営業利益で同22.9%増の7,309百万円、EBITDAで同20.0%増の8,597百万円となり、2023年4月に発表した期初時点での会社計画(売上収益23,800百万円、営業利益6,350百万円、EBITDA7,600百万円)、2024年1月の第3四半期決算発表時に上方修正された会社計画(売上収益25,400百万円、営業利益7,200百万円、EBITDA8,470百万円)を上回った。帳票・文書管理ソリューションとデータエンパワーメントソリューションがともに堅調に推移した。
帳票・文書管理ソリューションの売上収益は前期比14.9%増の16,494百万円となった。企業の基幹業務に必須である請求書や納品書等の帳票類の設計・運用を行うソフトウェア及びサービスである「SVF」及び電子データの保管や紙文書の電子化を行う「invoiceAgent」が主な構成要素となっている。「SVF」は、底堅い需要を背景にライセンス/サービス及び保守ともに堅調に推移し売上収益は同8.1%増の14,146百万円となった。うち、クラウドサービスは、業務システムのクラウド化の進行を受けてクラウド帳票のニーズが増加し、同32.1%増の785百万円となった。「invoiceAgent」は、リモートワークの浸透に伴う企業のペーパーレス需要の増大及び改正電子帳簿保存法が2022年1月に施行され、同法関連の引き合いが活発になったことから好調に推移し、売上収益は同86.7%増の2,095百万円と成長した。
データエンパワーメントソリューションの売上収益は前期比15.8%増の9,258百万円となった。企業が保有するデータを統合・処理・分析・可視化することにより、業務の効率化や生産性の向上を実現する「Dr.Sum」「MotionBoard」が主な構成要素となっている。「Dr.Sum」は、同4.6%増の3,063百万円と伸び悩んだものの、「Dr.Sum Cloud」は大企業からの導入が進み、売上収益は同68.7%増の324百万円と大きく成長した。「MotionBoard」の売上収益は同22.5%増の3,652百万円となった。うち、クラウドサービスは、契約社数を927社(前期は766社)と積み上げたことで、売上収益は同23.3%増の1,512百万円と拡大した。
同社グループは、IFRSにより規定された財務指標以外に、EBITDAを開示している。以前は調整後EBITDAを開示していたが、一時的な費用調整項目がなくなったことから現在のEBITDAとなっている。
2024年2月期のEBITDAは、売上収益は順調に拡大したことから8,597百万円(前期比20.0%増)と2ケタ増益となった。また、EBITDAマージンは33.4%(前期は32.1%)と上昇した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 井上 康)
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提供:フィスコ