ウイングアーク Research Memo(4):企業や公的機関の基幹業務を支える帳票・文書管理ソリューション
■ウイングアーク1st<4432>の事業概要
2. 帳票・文書管理ソリューション
帳票・文書管理ソリューションでは、帳票に関する業務基盤として国内で最も多く利用されているソフトウェア及びそれらをベースとしたソリューションを提供しており、請求書、納品書、発送伝票、eチケットなどの業務帳票から公的機関が発行する各種証明書まで社会の様々な場所で帳票の作成や出力、管理に利用されている。主力の「SVF」は帳票の作成や出力を担っており、現在では「SVF」での帳票出力の85%はデジタル化されている。文書管理基盤の「invoiceAgent」と合わせて企業、公的機関の多くでDXの推進に貢献している。
(a) 「SVF」
同社グループの主力製品である「SVF」は、帳票開発の効率化と多様な出力要件に応えるための帳票基盤ソリューションである。独自開発のソフトウェアにより、日本固有の複雑な帳票フォームをノンプログラミングで直感的に設計し、PDF、Excel、紙などへ多様な形式で出力できる高い汎用性を有しており、メーカーやOSの種類に依存しない帳票運用を実現している。企業や公的機関の多くで複数のシステムを共通化した帳票基盤として活用されており、システム運用の効率化や内部統制の強化に貢献している。
従来の「SVF」の強みに加え、柔軟性とリアルタイム性を兼ね備えた帳票クラウドサービスである「SVF Cloud」のほか、クラウド上でのSFAサービスを提供しているsalesforce.comと連携した「SVF Cloud for Salesforce」やビジネスプラットフォームを提供しているサイボウズ<4776>と連携した「SVF Cloud for kintone」も提供している。WEB API機能により様々なクラウドサービスと連携することで、企業間のシステムの違いやシステム変更にも柔軟に対応し、スマートフォンやタブレットから外出先でもPDFで見積書を出力できる。
(b) 「invoiceAgent」
「invoiceAgent」は、企業や公的機関で流通している帳票を電子化して一元管理することで、その後の業務の自動化や効率化に貢献するソフトウェア及びクラウドサービスである。「invoiceAgent」は、電子文書の保管・管理業務及び流通を効率化するとともに、電子化された文書からデータを抽出してほかの業務システムに連携することで、従来手作業で行っていたデータ入力業務の自動化を行うとともにシステム間のシームレスなデータ連携をサポートする。「invoiceAgent」では利用者が設定したルールを基に電子化された文書を自動で該当のフォルダへ保管できるため、担当者がファイルの内容を確認しながら手作業で分類するといった業務が不要になり、文書管理工数の削減が可能となる。また、2023年10月に導入されたインボイス制度及び2024年1月に施行された改正電子帳簿保存法に対応しており、企業は「invoiceAgent」を導入することによりこれらの法的要件を満たすことができる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 井上 康)
《SO》
提供:フィスコ