貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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4763 C&R

東証P
1,760円
前日比
+26
+1.50%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
12.2 2.43 2.44 31.69
時価総額 405億円
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決算発表予定日

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C&R社 Research Memo(7):クリエイティブ分野(日本)と会計・法曹分野が増収増益に(2)


■クリーク・アンド・リバー社<4763>の業績動向

(5) その他事業
子会社16社で構成されるその他事業の売上高は前期比21.4%増の3,363百万円、営業損失は200百万円(前期は275百万円の損失)となった。売上高は16社のうち5社が増収(461百万円増)となったほか、新規設立及びグループ化した7社で211百万円の増収要因となった。一方、利益面では増益が6社(198百万円増)、投資負担増による減益が3社(121百万円減)となったほか、新規設立及びグループ化した7社で19百万円の減益要因となった。営業損失は計画比で150百万円拡大したが、これはブランドマーケティング事業を展開する(株)forGIFT(出資比率77.5%)において、予定していた大型プロモーション案件の売上検収時期が2025年2月期にずれ込んだこと、またNextrek(同65.0%)において2023年より開始した新サービス「モブコミ」※の需要が想定したほどには立ち上がらず、収益計画が下振れたことによる。「モブコミ」については、新規タイトルの開発を中断しており、現在は出版社からYoutubeを活用したプロモーション案件のコンテンツ制作を受託している。

※モーションコミック(シーンに合わせた音楽や効果音をつけて動画化した漫画)の開発・配信サービス


その他の子会社の状況を見ると、ITエンジニア等のエージェンシー事業を主に展開する(株)リーディング・エッジ社(同99.99%)は、ITエンジニアの旺盛な需要が続くなか、エンジニアの育成にも取り組みながら順調に売上を伸ばし、営業利益も黒字転換した。ファッション分野のエージェンシー事業を主に展開する(株)インター・ベル(同90.9%)は、コロナ禍の収束に伴うインバウンド需要の復活を背景に、百貨店や商業施設向けに販売員の派遣需要が回復し2ケタ増収となったが、利益面では人員採用コストの増加により小幅な増益にとどまった。Web、IT、AI業界の総合求人サイト「DXキャリア」を運営する (株)プロフェッショナルメディア(同100.0%)は、各業界における旺盛な人材需要を背景に売上高が伸長し、営業利益も黒字化が射程圏に入ってきた。

国内でVRゴーグルの販売・運用・保守サービスを行う(株)VR Japan(同84.21%、12月決算)は、新たにMeta<META>のVRゴーグルの取扱いも開始し、販路拡大にも取り組んだことで増収となり、営業利益も黒字転換した。AIシステムの企画・開発・販売・運用・保守事業を行う(株)Idrasys(出資比率80.11%)は、独自開発したAIクラウドプラットフォーム「Forecasting Experience※1」を開発・提供しているほか、生成AIのChatGPTと連携したドキュメント検索システム「ChatGPT+SmartKMS※2」及びチャットボットサービス「ChatGPT+SmartRobot※2」を開発し、新たにサービス提供を開始した。米国で法曹分野のSNSプラットフォーム「JURISTERRA」の開発・運営を行うCREEK & RIVER Global, Inc.(出資比率100.0%)や、新規ビジネスの立ち上げ支援を行うきづきアーキテクト(株)(同70.0%)はおおむね前期並みの水準を維持した。

※1 「Forecasting Experience」の特長は、学習データをExcelベースで簡単に作成でき、専門知識がなくても比較的容易に予測モデルを構築できる点にある。
※2 合弁先である台湾インツミット社製のAIシステム。


2022年4月に新設したコネクトアラウンド(出資比率100.0%)では、農業分野でのテクノロジーを活用したダイバーシティ&インクルージョン及び農業を基軸とした地域雇用の促進等を目指している。2023年2月に障がい者雇用による屋内栽培と2次加工品の製造・販売を行う6次化農業ビジネス「FUN EAT MAKERS」事業を神奈川県川崎市内の施設で開始したほか、地方創生ビジネスの一環として、2025年2月の操業をめざして福島県大熊町にスマート農業施設「FUN EAT MAKERS in Okuma」の開設準備を進めている。同施設は「高付加価値農業生産エリア(ミニトマト、無農薬栽培リーフレタス)」と「食を楽しむエリア(レストラン)」「様々なプロフェッショナルがつながるワーケーション滞在エリア」の3つのエリアで構成する建物と、地域の人々がつながる半屋外エリア及び屋外エリアで構成されており、建設費用等は国の補助金で賄われる。同年4月に新設したOne Leaf Clover(同100.0%)は、「障害者の雇用の促進等に関する法律」に基づく特例子会社で、障がい者の安定的な職場環境の確保及び社会への主体的な参画を目指し、2023年9月に就労継続支援B型事業所を開設して業容拡大を推進しているほか、障がい者のスキルアップ支援と就業先の開拓に取り組んでいる。

2022年5月に連結子会社化したANIFTY(出資比率51.8%)では、アニメ作家や漫画家、イラストレーター、動画制作者等のコンテンツをNFT(非代替性トークン)として流通させるプラットフォームの開発・運営を行い、グローバル市場での収益化を目指していたが、NFTブームが沈静化するなかで現状は休止状態となっており、クリエイターをグループ内の他の事業で活用している。同年7月に新設したChef’s value(同100.0%)では、同年11月末にシェフの独立開業を支援するための直営スタートアップ1号店を本社ビル内に開店したほか、同社から事業移管したシェフのエージェンシー事業や他店舗の運営受託を行うなどして黒字化を達成している。2023年11月には未経験者を料理人に育成する「シェフアカデミー」を開講し、料理人の育成から就業先・独立開業支援まで一気通貫で行うことで事業拡大を加速している。

2022年10月に新設したC&Rインキュベーション・ラボ(出資比率100.0%)では、グループとの事業シナジーが見込める企業に対して出資を行うCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)事業を展開している。1件当たり0.3~1億円を目安に2024年2月までに9社に出資した。これら出資企業がIPOした場合は、一部株式を売却して投資資金に充当していくことになる。また、2023年5月に子会社化したALFA PMC(同100.0%)は、施設建築領域におけるマネジメント・セミナー事業を主に展開しており業績への影響は軽微だが、今後は同社の建築事業との連携を強化し、PM、CMの人材育成やネットワークを構築することで、将来的にCMサービス等の受託業務を展開するなど建築分野における事業拡大を目指している。

2024年2月に子会社化したShiftall(出資比率100.0%)は、VRヘッドセットやメタバース、IoT製品の企画・開発・販売・サポート事業を展開するファブレス企業で、直近の2023年3月期の売上高は10億円強、当期純利益は34百万円と黒字経営となっている。売上高の約5割は海外向けだが、今後は同社グループが構築するVRやメタバース関連のネットワークを活用することで国内向けビジネスの拡大が期待される。2025年2月期より連結業績に加わることになる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《SO》

 提供:フィスコ

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