ファンペップ---1Qは抗体誘導ペプチド「FPP004X」について塩野義製薬とオプション契約を締結
ファンペップ<4881>は13日、2024年12月期第1四半期(24年1月-3月)連結決算を発表した。売上高が前年同期比54.8%増の0.00億円、営業損失が1.83億円(前年同期は3.78億円の損失)、経常損失が1.70億円(同3.43億円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失が1.68億円(同3.41億円)となった。
抗体誘導ペプチドプロジェクトについて、抗体誘導ペプチド「FPP003」(標的タンパク質:IL-17A)は2019年4月からFPP003の尋常性乾癬を対象疾患とする第1/2a相臨床試験をオーストラリアで進めた。オーストラリアでの臨床試験データは米欧等での承認申請に使用可能であり、次相以降は米国等での臨床試験を想定している。抗体誘導ペプチド「FPP004X」(標的タンパク質:IgE)は、2025年の日本国内での臨床試験開始を目指して前臨床試験を実施中である。なお、2024年3月に塩野義製薬との間でオプション契約を締結した。これにより、塩野義製薬は、全世界での全疾患に対する独占的研究開発・商業化権の取得に関するオプション権を獲得した。抗体誘導ペプチド「FPP005」(標的タンパク質:IL-23)は開発品プロファイルのさらなる向上を目指し、メドレックスとの間で共同研究中のマイクロニードル技術を始めとする新規製剤技術の研究を進めている。抗体誘導ペプチドの探索研究は、大阪大学大学院医学系研究科との共同研究により実施している。
新型コロナペプチドワクチン「FPP006」は、大阪大学大学院医学系研究科が採択された国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の令和3年度「橋渡し研究プログラム(シーズB)/感染症・関連疾患」(2次公募)として研究開発を行い、2024年3月までに一定の成果を挙げて終了した。
機能性ペプチド「SR-0379」は、本試験の事後解析の部分集団解析で効果がみられた特定の皮膚潰瘍患者を対象とする開発について、提携先の塩野義製薬との間で開発方針の協議を進めている。
医薬品以外の事業分野について、2018年3月にファンケルから「マイルドクレンジングシャンプー」、更に2020年4月にSMV JAPANから「携帯アルコール除菌スプレー」等が発売され、同社グループの機能性ペプチドを含有する商品が販売されている。機能性ペプチド配合製品の共同開発は、2022年2月にサイエンスとの間で創傷用洗浄器の共同開発契約、2022年12月にASメディカルサポート及びN3との間で幹細胞化粧品の共同開発契約、2023年2月にサンルイ・インターナッショナルとの間でフェムテック化粧品の共同開発契約を締結した。
2024年12月期通期について、同社グループの事業収益は新規提携候補先等との交渉状況等に依存しており、その不確実性を考慮すると現時点では合理的に算定することが困難であるとして、業績予想は記載されていない。
《SI》
提供:フィスコ