リソー教育 Research Memo(8):無借金経営で手元キャッシュは潤沢、財務内容は良好
■業績動向
3. 財務状況
リソー教育<4714>の2024年2月期末の財務状況を見ると、資産合計は前期末比5百万円増加の18,257百万円となった。主な変動要因として、流動資産では配当金の支払い等により現金及び預金が1,847百万円減少した一方で、営業未収入金が1,114百万円増加した。営業未収入金の増加については、取引先のファクタリング会社を1社に集約化したこと、並びに決済日が1日ズレこんだことによる。固定資産は新規校舎開設やリニューアルの実施により有形固定資産が246百万円増加したほか、繰延税金資産が236百万円、敷金及び保証金が92百万円、投資有価証券が86百万円それぞれ増加した。
負債合計は前期末比703百万円増加の9,604百万円となった。流動負債では未払法人税等が335百万円増加し、固定負債では退職給付に係る負債が280百万円増加した。純資産は同698百万円減少の8,653百万円となった。親会社株主に帰属する当期純利益1,703百万円を計上した一方、配当金2,469百万円の支払により利益剰余金が減少した。
キャッシュ・フローの状況について見ると、営業活動によるキャッシュ・フローは1,653百万円のプラスとなり、前期比で1,125百万円減少した。営業未収入金の増加(減少要因)が主因となっている。一方、投資活動によるキャッシュ・フローは新規校舎開設及びリニューアルを実施したことなどにより1,028百万円のマイナスとなり、財務活動によるキャッシュ・フローは配当金の支払等により2,466百万円のマイナスとなった。この結果、期末の現金及び現金同等物の残高は前期末比1,847百万円減少の5,460百万円となった。
経営指標を見ると、自己資本比率は利益剰余金の減少を主因として前期末の50.7%から46.8%に低下した。ただ、無借金経営で手元キャッシュも50億円超と潤沢にあることから財務内容は良好な状況にあると判断される。また、既述のとおり同社は第三者割当増資により約33億円を調達し、今後の事業投資やM&A資金に充当していくほか、ヒューリックが親会社となることで、経営基盤も一段と強化されるものと弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
《AS》
提供:フィスコ