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8742 小林洋行

東証S
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0.36 25.78
時価総額 34.5億円

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リスク満載の世界情勢が追い風、「金」関連株の上昇トレンドは続く <株探トップ特集>


―目先はスピード調整の懸念も買い需要強い、トランプ再選思惑も下値支える―

 「金」の動向が市場の高い関心を集めている。 金価格は今年4月に史上最高値を更新した。イスラエルとイランの対立など中東情勢リスクの高まりが金価格を押し上げた。また、中国などの中央銀行による実需の買いが強まっているほか、不透明な金融市場を嫌気したリスク回避の資金が金市場に流れ込んでいる。目先的には米国の金融政策に対する見方の対立もあり、金価格は高値圏での一服も予想されているが、世界情勢はリスク満載の状態であり、「安全資産」である金の中長期的な上昇基調は続くとの見方が強い。

●中東情勢緊迫化や米利下げ期待で4月に最高値を更新

 金価格は4月12日にニューヨーク商品取引所(COMEX)でイスラエルとイランの対立に伴う、地政学リスクの高まりを背景に1トロイオンス=2448ドルまで上昇し、最高値を更新した。足もとの金価格は2330ドル近辺と調整気味だが、依然として強含みの状態にある。

 近年の金価格の動向を振り返ると、2020年8月にコロナ禍での経済混乱を背景に2089ドルと当時の過去最高値を記録。その後、22年秋には1600ドル近辺まで調整したが、イスラエルとイスラム組織「ハマス」との衝突や米利下げ期待が高まるなか、昨年12月には再び最高値を更新し、そして今年に入りイスラエルとイランの対立など中東情勢の一段の緊迫化を背景に金価格は一気に2400ドル台まで駆け上がった。

 そんななか、足もとでの金価格が一服している要因には、ひとつに中東情勢に対する警戒感がいったん落ち着いていること。もうひとつには米利下げ期待が後退し米長期金利が上昇したことが挙げられている。金利を生まない金は金利が上昇すると、資金が流出し下落基調となる傾向がある。とはいえ、足もとの金価格の一服は「年初からの急伸のスピード調整に過ぎないのでは」(市場関係者)とみる声は少なくない。まず、イスラエルを中心とする中東情勢の混乱は落ち着きどころが見えず、いつ再び緊迫度を増してもおかしくない。更に、ウクライナ戦争の行方も依然として予断を許さない。

●中国などの中央銀行による買いも強まる

 ここへきて米利下げに向けた期待もぶり返しているが、当面は米国の金融政策に対する不透明感が強まりそうだ。ただ、金価格は米長期金利と逆相関となる傾向が強いものの、その一方で「金はインフレに強い商品」という特性を持つ。米金利の上昇は当初は金価格への逆風となるが、本格的な金利上昇局面となれば、安全資産である金は再び輝きを取り戻す。なかでも、景気停滞とインフレが並存する「スタグフレーション」の様相を呈した場合、行き場を無くした資金が金に集中することも起こり得る。つまり、金利上昇は目先的には金の下落要因に働くが、インフレが本格化すれば買い人気が一気に膨らむことも予想される。

 更に、中国やロシアなどの新興国の中央銀行が外貨準備として金の保有を増やすための買いが金価格を押し上げている。ロシアによるウクライナ侵攻では、西側諸国はロシアの外貨準備を凍結したこともあり、中国など西側と距離を置く新興国の中央銀行などには、ドル離れを強めドル資産を金に換える動きが出ている。また、景気が低迷し株価も冴えない中国では、個人投資家が金投資を活発化させているという。急速な円安が進む日本でも金投資は見直されている。

●「もしトラ」現実化なら金は上昇強める可能性も

 加えて、今年11月の米国大統領選挙で共和党のドナルド・トランプ氏が勝利し、大統領に再選されることが十分あり得る情勢となっており、トランプリスクが安全資産の金買いを促す可能性がある。具体的には、足もとで進む円安に関して、米製造業の輸出競争力を低下させることからトランプ氏は「大惨事」と述べたが、同氏が大統領になり米国がドル安政策に転じた場合、ドルの代替資産としての性格を持つ金には上昇要因に働くことが考えられる。また、同氏は「ウクライナの即時停戦」も掲げている。しかし、ロシア優勢の状況のままで戦争が終わった場合、欧州各国にとって地政学リスクの高まりとなり、リスク回避姿勢が強まり金には上昇要因となることも考えられる。「もしトラ(もしトランプ氏が大統領選に勝ったなら)」が現実化することは金価格の上昇要因ともみられている。

 三菱UFJリサーチ&コンサルティングの芥田知至主任研究員は、「今後2~3カ月程度の金価格は2000~2500ドル前後が予想され、やや軟調な地合いが続くのではないか」と指摘する。米利下げ期待の後退が金価格の軟化要因とみている。ただ、「米大統領選などリスク要因は多く、より中長期的には再び最高値を更新することはあり得る」という。中国による台湾侵攻懸念や米財政悪化によるドル不安などを含め世界にはリスク要因が満載の状況であり、中長期では金は一段と輝きを増すことが予想される。

●住友鉱や松田産業、AREHD、小林洋行など注目

 金関連株では、菱刈鉱山(鹿児島県伊佐市)を保有する住友金属鉱山 <5713> [東証P]や三菱マテリアル <5711> [東証P]、三井金属 <5706> [東証P]、それに貴金属リサイクルの「都市鉱山」絡みでDOWAホールディングス <5714> [東証P]など。同じく、貴金属リサイクルの松田産業 <7456> [東証P]やアサカ理研 <5724> [東証S]、AREホールディングス <5857> [東証P]、商品先物などの小林洋行 <8742> [東証S]や第一商品 <8746> [東証S]、豊トラスティ証券 <8747> [東証S]、日産証券グループ <8705> [東証S]など。ETFではSPDRゴールド・シェア <1326> [東証E]やNEXT FUNDS 金価格連動型上場投信 <1328> [東証E]、純金上場信託(現物国内保管型) <1540> [東証E]などに注目したい。

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