GW明けに本領発揮へ! 反騰相場で輝き放つ3大テーマ株をロックオン(3)【新紙幣】 <GW特集>
―「AI・半導体」「オリンピック」「新紙幣」の各関連株に活躍の舞台近づく―
東京株式市場は4月新年度入りから波乱展開に見舞われ、日経平均株価は4万円台を大きく割り込む状況となっている。米長期金利の上昇に加え、国内でも日銀の利上げが前倒し的に行われる可能性が取り沙汰され、中東での地政学リスクがくすぶる。リスク回避ムードに包まれ投資家も不安心理に支配されやすいが、実はこうした場面こそ、成長性の高い銘柄群の押し目を拾うチャンスともなる。ここは、マーケットで注目される投資テーマに乗る銘柄の中から、好業績かつ成長期待を内包する有望株に照準を合わせたい。今回は「AI・半導体」「オリンピック」「新紙幣」の3つのテーマに絞り、それぞれ株価上昇が見込める妙味株を3銘柄ずつピックアップした。第3回は「新紙幣」にスポットを当てる。
(3)【新紙幣】
「渋沢栄一」新札7月発行スタート、商機つかむ銘柄は
新たなデザインの紙幣が7月3日から発行される。紙幣に描かれる肖像画には1万円札が実業家の渋沢栄一、5000円札が津田塾大学創始者の津田梅子、1000円札が破傷風の治療法を開発した細菌学者の北里柴三郎が採用された。デザインの変更は偽造防止を目的に概ね20年ごとに実施されており、前回は2004年に行われた。ATMや自動販売機、飲食店の券売機などで新紙幣対応の更新特需が発生するため、貨幣処理機や紙幣識別機、その他関連システムを手掛ける企業には大きなビジネスチャンスとなる。
●グローリー <6457> [東証P]~貨幣処理機の世界大手
貨幣処理機の世界大手メーカー。今年2月、第3四半期決算とともに24年3月期業績予想の上方修正を発表した。新紙幣発行に伴う製品更新・改造作業の増加や円安を理由に、売上高を前の期比4割強増の3650億円(従来予想3500億円)、最終損益を前の期の赤字から280億円の黒字(同245億円の黒字)に急回復する見通しを示した。前の期は部材価格高騰や株式評価損の影響で上場来初の最終赤字に転落した経緯がある。今後発表予定の通期決算と25年3月期の見通しに注目だ。
●日本金銭機械 <6418> [東証P]~海外強いが国内も幅広く展開
グローリーと同じく貨幣処理機の大手で紙幣識別機が主力。カジノ、パチンコなど遊技場向けに強みを持つ。海外売上高比率が7割超(23年3月期)と高く、主力の欧米市場の動向が業績に大きな影響を与えるが、国内でもパチンコ・パチスロをはじめATM、飲食店、交通機関、ホテルや病院など幅広い分野で展開しており、新紙幣対応ニーズをしっかり捉えている。直近の四半期決算発表時に配当増額や自社株買いを打ち出すなど、株主還元に積極的な姿勢をみせている。
●スマレジ <4431> [東証G]~改修特需取り込み連続最高益
飲食店や小売店向けにクラウドPOS(販売時点情報管理)レジを展開。周辺機器の販売も手掛ける。アクティブ店舗数(直近1ヵ月間にPOSレジを利用した店舗数)は右肩上がりで増え続け、21年4月期の約2万4000店舗から今年3月時点では約4万3000店舗にまで拡大。中期目標として31年4月期に30万店舗を目指す方針を掲げている。新紙幣に対応した自動釣銭機のシステム改修特需を取り込み、24年4月期は営業8割増益で前の期に続き最高益を更新する見通しだ。
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