貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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6971 京セラ

東証P
1,480.5円
前日比
+2.0
+0.14%
PTS
1,479.2円
11:02 11/27
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
29.4 0.65 3.38 6.31
時価総額 22,363億円
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【村瀬智一が斬る!深層マーケット】決算ピーク、資本政策や株主還元などに関心が集まる


決算ピーク、資本政策や株主還元などに関心が集まる

●業績を手掛かりとした日替わり的な物色が中心に

注目されていた米連邦公開市場委員会(FOMC)では、予想通り6会合連続で政策金利が据え置かれた。会合後の会見でパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が、年内の利下げ開始には言及しなかったため、市場は年内の利下げ見送りを織り込みに行くことになろう。国内の連休期間中に、米国では3日に4月の雇用統計、ISM非製造業景気指数、総合購買担当者景気指数(PMI)改定値の発表が予定されており、これらを受けた海外市場の影響が連休明け後の東京市場にも伝わることになる。

連休明け後の東京市場では、決算発表がピークを迎える。7日の任天堂 <7974> [東証P]や8日の三菱重工業 <7011> [東証P]、トヨタ自動車 <7203> [東証P]、9日のダイキン工業 <6367> [東証P]、カプコン <9697> [東証P]、10日の東京エレクトロン <8035> [東証P]など、7~10日の4営業日で1000社超、翌週の13~17日には1600社超の発表が予定されている。

そのため、市場の関心は決算へと向かい、業績を手掛かりとした日替わり的な物色が中心となりそうだ。東証が要請する「資本コストや株価を意識した経営の実現」の進捗を測る道標として、新たな中期経営計画とともに、資本政策や株主還元といった企業の取り組みに投資家の関心が集まりやすい。低PBRかつキャッシュリッチな銘柄などに対しては、決算やその後の株主総会に向けて思惑が高まりやすいだろう。

●活躍が期待される「注目5銘柄」

◆伊藤園 <2593> [東証P]
主力の緑茶飲料「お~いお茶」で米メジャーリーグの大谷翔平選手とグローバル契約を結んだと発表した。大谷選手が「お~いお茶」を愛飲していることが同社に伝わったことがきっかけとなったようだ。なお、日本茶輸出促進協議会によると、2024年3月の日本茶輸出額は31.4億円(前年同月比62.2%増)となり、米国向け輸出額は9.22億円(同62.7%増)だった。日本食ブームの影響や健康志向の高まりによって、日本茶の需要増加が続くなか、大谷選手の知名度を生かしたグローバルでの販売増が期待されよう。3月1日に発表した2024年4月期第3四半期累計(23年5月-24年1月)の連結営業利益は前年同期比37.1%増の217億円だったが、株価は材料出尽くしとなり急落。ボトム圏での推移を継続していたが、足もとのリバウンドで13週移動平均線を捉えてきた。トレンド転換が意識されてきそうだ。

◆丸一鋼管 <5463> [東証P]
一般構造用鋼管や建築構造用鋼管などを手掛ける独立系溶接鋼管最大手。4月5日に、2024年度から2026年度までを対象とした第7次中期経営計画を策定したと発表。ステンレス事業の拡大など成長事業の構成比を高め、最終年度には売上高3000億円(23年3月期2734億円)、営業利益400億円(同300億円)を計画している。また、持続的な企業価値向上(PBR1倍以上)の早期達成のために、ROE8%以上、連結配当性向45%以上を目標として設定している。株価は4月8日に付けた年初来高値4225円をピークに緩やかな調整を継続しているが、支持線として機能する75日線水準まで下げてきており、リバウンド狙いで臨みたい。

◆THK <6481> [東証P]
直動システム大手。2024年12月期の連結営業利益は前期比13.9%増の270億円を計画。半導体製造装置、工作機械向け直動案内機器が回復する見通し。5月10日に第1四半期(1-3月)決算の発表を予定する。株価は4月1日に付けた3674円をピークに調整を見せていたが、上向きで推移する13週線がサポートラインとして機能しており、リバウンド狙いのスタンスとなる。

◆ニチコン <6996> [東証P]
世界有数のコンデンサメーカー。アルミ電解コンデンサ、フィルムコンデンサ、小形リチウムイオン二次電池などを手掛ける。また、電気自動車(EV)の大容量バッテリーから電力を取り出して家庭の電力として利用できる「EVパワー・ステーション」を販売する。3月26日には京セラ <6971> [東証P]のグループ会社が所有する滋賀県高島市の事業用不動産の取得を発表した。フィルムコンデンサやNECST事業製品(家庭用蓄電システム)の生産能力の拡大と生産効率の向上に充てる予定である。株価は2月15日に付けた1179円をボトムにリバウンドを継続しており、直近で75日、200日線によるレンジを上放れてきた。52週線を捉えてきており、昨年11月の戻り高値1478円、同年7月高値の1549円辺りが射程に入ってきた。

◆マースグループホールディングス <6419> [東証P]
パチンコ周辺機器大手。自動認識システムに注力。足もとはスマートパチスロの普及に伴い、システム販売が好調なほか、新紙幣発行に伴う設備の更新需要が増加してきている。2024年3月期決算発表は5月14日を予定。PER6倍台、PBR0.8倍台とバリュエーション面での割安感は強い。株価は上向きで推移する13週移動平均線が支持線として機能している。

(2024年5月2日 記)


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