貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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7735 スクリン

東証P
9,067円
前日比
-31
-0.34%
PTS
9,080円
23:58 11/22
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
11.0 2.23 2.72 11.41
時価総額 9,211億円
比較される銘柄
東エレク, 
アドテスト, 
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半導体リターンズ! 潮流変化で見えてきた「新たな主役候補8銘柄」 <株探トップ特集>


―埋もれたダイヤモンドを探せ、半導体部材・部品関連株が次のブライトスポットに―

  半導体関連株に再び買いの好機が訪れている。ここにきて目先高値警戒感から大きく値を崩す銘柄が多かったが、これは喉から手が出るほど「半導体株が欲しかった」実需筋にとってはポートフォリオに組み入れる願ってもないチャンスといってもよい。同時に今回の急な調整局面からの仕切り直しの動きが、半導体株物色の裾野の広がりを暗示している。株高の気配を漂わせる半導体材料の周辺(半導体部材や部品)に位置する銘柄群にスポットライトを当ててみたい。

●「買われ過ぎ」が解消された半導体

 4月新年度入りから東京株式市場にはリスクオフの高波が押し寄せ、日経平均株価は4万円大台を割り込んでのスタートとなったが、その後は切り返すどころか次第安の展開となり、特に4月中旬以降は下げ足を一気に強め3万7000円台を割り込む場面もあった。想定外の大乱調だったが、これは半導体関連株全般への利益確定売りが加速したことが背景にある。日米で半導体主力銘柄の決算発表期に突入したことも、投資家の疑心暗鬼を増幅させた。決算内容の良し悪しよりも、事前コンセンサスの高さが足かせとなり売られる銘柄が相次いだからだ。

 しかし、不安心理が理屈を度外視して独走し、売りが売りを呼ぶ状況に陥ることは株式市場では起こりがちである。後で振り返ってみれば、実はそこが買い場だったというケースは多い。売り圧力の源泉はファンドの持ち高調整(買いポジションを軽くする動き)といった平時の需給要因であっても、メディアを通じて喧伝されるネガティブ・シナリオと共鳴して思わぬ急落につながることはよくある。しかしそれが大勢トレンドの転換を意味するケースはむしろ稀であり、買われ過ぎた反動で値を崩すのであれば、買われ過ぎが是正された時点で参戦するのは理にかなっている。

●世界的なリスクオフではないことに着目

 現在の株式市場において外部環境面でノイズは多いが、例えば中東の地政学リスクにしても、これは売りの口実であって相場の長期トレンドが覆るということはない。実際、世界を俯瞰しても同時株安という場面では全くない。香港ハンセン指数は年初来高値圏にあり、インドSENSEXも高値圏もみ合い、英国FTSE100に至っては史上最高値を更新している。日本株が足もと変調なのは、年初からの誰もが想定し得なかった急騰劇の“税金”を払わされているに過ぎない。

 市場関係者の間では、つい最近まで「Fear of being left behind」が流行(はや)り言葉となっていた。つまり投資家が株を保有しないまま株価が上昇してしまい取り残される恐怖を言ったものだが、手が届く位置まで株価水準が切り下がってきたら買うのを躊躇する、というのでは道理に反する。いうまでもなくFRBによる早期利下げ期待の後退は降って湧いた話ではなく、中東リスクを除けば相場を取り巻く環境が短時日で激変したような要素は何もない。

●製造装置関連株に流れ込んだホットマネー

 「Fear of being left behind」の象徴となっていたのが半導体セクターで、なかでも半導体製造装置関連はその筆頭に挙げられる。米国と中国による覇権争いが激化するなか、自動車をはじめ幅広い産業においてサプライチェーンリスクにつながる半導体不足への対応が喫緊の課題となっているが、経済安全保障の観点から半導体を自国エリアで製造できるインフラ拡充は、そのまま製造装置メーカーへの特需につながっている。

 加えて、近年は 生成AIというモンスター級の新たな人工知能(AI)の市場が急激に立ち上がっていることから、最先端半導体分野への取り組みも加速している。そのなか、日本は半導体製造装置で世界トップシェアを誇る企業がひしめいており、世界のホットマネーが関連銘柄を目指して東京市場に上陸してきた。これにバイアスがかかり、昨年春以降の東京エレクトロン <8035> [東証P]やディスコ <6146> [東証P]、アドバンテスト <6857> [東証P]、SCREENホールディングス <7735> [東証P]といった銘柄群の大相場が演出された。今はその第一幕が降ろされた感はあるものの、第二幕の開演までそれほど待たされることはないだろう。

●半導体部材・部品関連に活躍の出番が回る

 しかし、日本のお家芸は半導体製造装置だけではない。半導体材料分野でも世界的にフロントランナーとして存在感を輝かせる有望企業の宝庫となっている。一例を挙げれば半導体の基板となるシリコンウエハーは世界シェアトップが信越化学工業 <4063> [東証P]、第2位がSUMCO <3436> [東証P]で、2社合計で全世界の過半のシェアを握っている状況だ。このほか、フォトレジストは日本企業が上位を独占しており、各社合計したシェアはグローバルベースで9割に達するといわれる。

 日米の国策として推進される強靱な半導体サプライチェーンの構築では、製造装置関連株がその主役を担ってきたが、半導体の進化プロセスで大きなカギを握るのが半導体製造に直結する基板材料や部材、あるいは製造装置に使われる部品などだ。こうした半導体部材・部品関連株の中にニューヒーローが眠っている。そして、このエリアが東京市場における次のブライトスポットとなる可能性がある。

 2ナノ品など最先端半導体が活躍する場面を心待ちにする株式市場において、半導体セクターへの資金還流は時間の問題であろう。今回のトップ特集では、その新たな夜明け前に注目すべき銘柄群、8銘柄を厳選エントリーした。

●世界のホットマネーが狙う「半導体部材」関連株

◎東京応化工業 <4186> [東証P]

 東応化は半導体製造工程で回路の形状を基板に転写する際に使われるフォトレジストでトップクラスの世界シェアを有する。微細化に必要なArF用やKrF用のほか、最先端品であるEUV(極端紫外線)用までワンストップでレジストを供給できるのが強みとなっている。生成AI市場の拡大でAI用半導体需要が高まるなか、そこに照準を合わせる同社の収益チャンスも今後大きく膨らむことが必至。24年12月期営業利益は前期比18%増の268億円と2ケタ伸長を見込むが保守的で増額修正含みだ。株価は調整一巡で75日移動平均線を足場に再浮上局面に。年初来高値水準の4800円どころに再チャレンジへ。

◎フェローテックホールディングス <6890> [東証S]

 フェローテクは半導体製造装置向け部品を主力に手掛けており、磁性流体とサーモモジュールの2つのコアテクノロジーで抜群の優位性を発揮、特に磁性流体技術を駆使した真空シールにおいては世界シェア60%前後というグローバルニッチトップとして不動のポジションにある。また、生成AIの登場もあり中長期で半導体需要は構造的に増え続けるとみて、国内外で生産設備増強に積極的に取り組んでいる。24年3月期は営業利益段階で前の期比29%減予想ながら、続く25年3月期は2ケタ以上の増益で300億円台への急回復も視野。株価は年初来高値3135円を通過点に3000円台半ばを目指す動きが期待できそうだ。

◎山一電機 <6941> [東証P]

 山一電機は半導体の検査工程で使われるICソケットの大手で、高速伝送用コネクターなどコネクタソリューション事業も展開する。海外売上比率が9割近くを占め、ICソケットの商品シェアは世界首位級。超微細加工で圧倒的な技術を持っている。一方、高速伝送用コネクターは生成AI市場の成長を背景に需要急増中のAIサーバー向けなどで高水準のニーズを取り込む可能性がある。24年3月期はスマートフォン向けの低調が響いて業績は大幅営業減益見通しだが織り込み済み。25年3月期は急回復に転じる可能性が高い。株価は今期以降の高成長トレンド復帰を先取りする形で3000円台活躍を視界に置く。

◎関東電化工業 <4047> [東証P]

 関電化は特殊ガス(フッ素系ガス)の大手で製造能力は世界首位級の実力を持っており、半導体向けエッチングガスなどを中心に高水準の需要を取り込んでいる。このほかにリチウムイオン電池材料も手掛ける。エッチングガスについては半導体の微細化で高いニーズがあるが、24年3月期は在庫調整の影響が反映され全体業績も営業赤字を余儀なくされたもよう。ただ、目先はエッチングガスの販売数量が会社側の想定以上に増勢基調にあり、業績も改善色をみせ始めている。25年3月期は7~8億円の大幅黒字化が期待できそうだ。株価はここ強含みで推移、1000円大台ラインを軸としたもみ合いを上放れる機が近づいている。

◎ラサ工業 <4022> [東証P]

 ラサ工は中堅化学メーカーで、主力製品の高純度リン酸は半導体の製造工程でウエハーの不純物を極力低減させたエッチング材料として旺盛なニーズがある。これ以外に化合物半導体やレアメタルを供給する電子材料にも展開する。24年3月期の営業利益は前の期比3割減の32億5000万円予想と落ち込むが、足もと底入れの兆しがみえており、25年3月期は大幅増益で切り返す公算も。PER10倍でPBR0.8倍台とバリュー株としての側面を持つ。株価は25日移動平均線を割り込んでいるとはいえ、信用買い残が枯れた状態で下値抵抗力を発揮しやすく、2600円近辺のもみ合いは仕込みチャンスとみたい。

◎日本酸素ホールディングス <4091> [東証P]

 日本酸素HDは工業用ガスの国内トップメーカーで約4割の市場シェアを握っている。米国やアジア、欧州などにも展開を強めており、海外売上高比率は6割を超えている。三菱ケミカルグループ <4188> [東証P]が同社の過半の株式を保有する筆頭株主だ。半導体向け特殊ガスでも実績が高く、日の丸半導体会社ラピダスによる半導体サプライチェーン構築をにらみ、三菱ケミGと連携して需要獲得を進めていく構えにある。24年3月期営業利益は前の期比36%増益の1630億円と大幅な伸びを予想しているが、25年3月期も増益基調は維持される公算大。株価は75日移動平均線を足場に戻り初動で、5000円台指向へ。

◎レゾナック・ホールディングス <4004> [東証P]

 レゾナックは総合化学メーカーで電炉用黒鉛電極の商品シェアで世界首位に君臨するほか、半導体・電子材料でも高い実力を有する。半導体材料は注力中の後工程向けが好調で、市場急拡大途上の生成AI向けに高水準の需要が発現しているHBM(広帯域メモリー)用の材料が収益に大きく貢献している。24年12月期業績は期初予想を大幅に上方修正、営業利益段階で470億円の黒字(前期は37億6400万円の赤字)と急改善が見込まれている。株価は目先CB発行を嫌気され大きく下値を試す展開となったが、過剰反応でここは拾い場。4月17日につけた年初来高値クリアから4000円台活躍が中長期目標に。

◎トリケミカル研究所 <4369> [東証P]

 トリケミカルは先端半導体の製造に必要な高純度化学薬品の多品種少量生産で高い商品競争力を誇る。絶縁膜材料では抜群の実績があり、同社が製造する「High―K」はシリコン酸化物よりも高い誘電率が特長で、半導体の性能向上で重要な役割を担う。AI用半導体としてGPUとともに必須のHBM(広帯域メモリー)向けで高水準の需要を獲得し将来性が高い。海外売上高比率が7割を占めるグローバル企業だが、半導体会社ラピダスが主要顧客の一角を担う可能性がある。25年1月期営業利益は前期比74%増益と急回復を見込む。株価は早晩切り返し、5000円台復帰をにらんだ強調展開を取り戻しそうだ。


★4月30日~5月6日に「ゴールデンウイーク特集」などを一挙、"35本"配信します。ご期待ください。
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