高成長【始動】候補リスト 37社選出 <成長株特集>
本特集では、製品・サービスの販売拡大もしくは買収や提携などにより、高成長に向けて動き始めた可能性がある銘柄を探った。
以下では、時価総額100億円以上1000億円未満の銘柄(金融を除く)を対象に、本決算月にかかわらず、23年10-12月期に前年同期比で「10%以上の増収、20%以上の経常増益」を2四半期もしくは3四半期連続で達成した銘柄を、“高成長「始動」候補”として37社を選び出し、10-12月期の増益率が大きい順に記した。連続で収益が拡大し始めた企業は、これから高成長が期待できる有力候補として注目していいだろう。
増益率トップとなったのは、プラント用特殊ガス圧縮機大手の加地テック <6391> [東証S]。23年10-12月期(第3四半期)は大口のプラント向け圧縮機やカーボンニュートラル関連などの販売が好調で、売上高24.4億円(前年同期比93.7%増)、経常利益3.7億円(同61.7倍)と急拡大して着地。2月29日には原価低減や経費削減の進展なども踏まえ、24年3月期通期の経常利益予想を従来予想の6億円→8.1億円に大幅上方修正している。
2位のアルメディオ <7859> [東証S]は中国で太陽光発電パネル製造用の拡散炉用ヒーターモジュールの販売増加ペースが加速し、10-12月期(第3四半期)は3四半期連続の大幅増収増益を達成した。業績好調に伴い、24年3月期通期の同利益予想を従来の26億円→32.3億円に上方修正し、従来の19期ぶりの過去最高益予想をさらに上乗せした。
3位に入った綜研化学 <4972> [東証S]の10-12月期(第3四半期)業績は売上高117億円(前年同期比22.0%増)、経常利益13.4億円(同6.6倍)といずれも四半期ベースの過去最高を更新した。液晶ディスプレイ関連分野での生産調整が一巡し、中国市場を中心に粘着剤の需要回復が進んだほか、粘着剤生産設備の増産効果に加え、採算是正やコスト削減の進展も利益拡大につながった。好決算を受けて、株価は3月6日に3435円と約6年ぶりの高値をつけている。
4位には大型商業施設などの企画、設計、施工、市場調査を一貫して手掛ける船場 <6540> [東証S]が入った。10-12月期(第4四半期)は国内外で大型案件が順調に進捗したうえ、原価低減やDX(デジタルトランスフォーメーション)による効率化の推進、経費の圧縮なども寄与し、経常利益は7.7億円と前年同期比4倍に膨らんだ。同時に発表した24年12月期の同利益は14.5億円(前期比6.4%増)を見込み、配当は60円(前期比10円増)と4期連続の増配を計画する。
5位にリスト入りした消防ポンプ車最大手のモリタホールディングス <6455> [東証P]は国内向けに消防車の販売が好調だったことに加え、消化器や消火設備も大幅に増加し、10-12月期(第3四半期)は売上高201億円(前年同期比28.6%増)、経常利益14億円(同3.5倍)と3四半期連続の業績高変化を遂げた。
6位にリストアップされたCLホールディングス <4286> [東証S]の10-12月期(第4四半期)はIPコンテンツを活用したテーマカフェで物販が好調だったほか、インターネットサービス顧客向けBPOやエンターテインメント顧客向けOEMも大きく伸びた。決算発表と併せて、24年12月期は税引き前利益が前期比58.4%増の17億円に拡大し、配当も前期比11円増の27円に大幅増配する方針を示した。好決算を背景に、株価は約2年3ヵ月ぶりの高値圏を走る展開となっている。
続く7位はトヨタ系の塗装設備大手であるトリニティ工業 <6382> [東証S]がランクイン。10-12月期(第3四半期)の経常利益は前年同期比3倍の10.6億円に急拡大して着地。塗装設備の納入が増加したうえ、自動車内外装部品の引き合いも旺盛だった。好調な業績を踏まえ、24年3月期通期の業績見通しと配当予想を上方修正したことも評価され、株価は1日に1241円と約17年11ヵ月ぶりの高値まで上値を伸ばしている。
┌─ 経常利益 ─┐ ┌─ 売上高 ─┐ 増収増益 予想
コード 銘柄名 増益率 10-12月期 増収率 10-12月期 連続期数 PER
<6391> 加地テック 6067 370 93.7 2442 2 17.6
<7859> アルメディオ 1423 1447 256 4534 3 11.5
<4972> 綜研化学 558 1349 22.0 11757 2 9.2
<6540> 船場 305 777 48.8 9067 2 12.3
<6455> モリタHD 250 1402 28.6 20120 3 13.3
<4286> CLHD 243 531 26.2 11579 2 16.0 *
<6382> トリニ工 203 1064 39.6 9778 2 10.6
<2207> 名糖産 183 704 10.8 6946 2 27.4
<5237> ノザワ 182 606 11.8 6115 3 11.2
<9268> オプティマス 160 1193 62.7 21584 2 15.7
<6727> ワコム 157 1666 12.3 33560 2 24.1
<5254> Arent 129 215 61.8 712 2 60.7
<1726> Br.HD 116 978 21.3 11683 2 12.7
<6369> トヨカネツ 110 646 19.8 13872 2 11.9
<1965> テクノ菱和 101 1550 19.0 19198 2 10.1
<5965> フジマック 93.1 873 26.2 11250 2 8.3
<9377> AGP 87.1 320 19.3 3285 2 19.0
<6643> 戸上電 85.7 1027 10.9 7162 2 8.8
<6356> 日ギア 85.1 842 32.6 2836 3 7.5
<9470> 学研HD 79.0 1029 11.9 42749 2 14.7
<6745> ホーチキ 72.7 2789 13.8 24721 2 10.3
<6062> チャームケア 68.0 1040 14.4 8576 3 13.8
<3096> オーシャンシ 67.5 759 12.0 22977 2 7.8
<6330> 東洋エンジ 63.2 1105 58.7 72318 2 6.8
<6339> 新東工 57.6 1909 11.4 28696 2 11.0
<8929> 青山財産 57.4 1412 31.3 10399 2 13.9
<1904> 大成温調 52.7 652 25.7 15929 3 19.2
<7358> ポピンズ 51.9 840 12.2 7799 2 14.4
<7366> りたりこ 47.9 1232 26.7 7683 3 19.9 *
<1853> 森組 47.6 400 13.2 7423 2 16.3
<9823> マミーマート 43.3 2308 11.8 40057 3 13.6
<7595> アルゴグラフ 40.8 2328 27.2 13820 2 13.9
<5038> eWeLL 36.1 200 27.8 570 2 28.3
<3649> ファインデ 32.9 707 11.3 1717 2 25.4
<5819> カナレ電気 25.6 569 26.2 3832 2 11.9
<3901> Mラインズ 22.2 534 16.8 1260 3 25.1
<1375> 雪国まいたけ 20.9 2391 12.9 16863 2 26.0 *
※売上高、経常利益の単位は百万円。増益率、増収率は前年同期に比べた増加率、単位は%。連続期数は四半期ベースの連続回数。「*」は国際会計基準を採用する銘柄。
株探ニュース
以下では、時価総額100億円以上1000億円未満の銘柄(金融を除く)を対象に、本決算月にかかわらず、23年10-12月期に前年同期比で「10%以上の増収、20%以上の経常増益」を2四半期もしくは3四半期連続で達成した銘柄を、“高成長「始動」候補”として37社を選び出し、10-12月期の増益率が大きい順に記した。連続で収益が拡大し始めた企業は、これから高成長が期待できる有力候補として注目していいだろう。
増益率トップとなったのは、プラント用特殊ガス圧縮機大手の加地テック <6391> [東証S]。23年10-12月期(第3四半期)は大口のプラント向け圧縮機やカーボンニュートラル関連などの販売が好調で、売上高24.4億円(前年同期比93.7%増)、経常利益3.7億円(同61.7倍)と急拡大して着地。2月29日には原価低減や経費削減の進展なども踏まえ、24年3月期通期の経常利益予想を従来予想の6億円→8.1億円に大幅上方修正している。
2位のアルメディオ <7859> [東証S]は中国で太陽光発電パネル製造用の拡散炉用ヒーターモジュールの販売増加ペースが加速し、10-12月期(第3四半期)は3四半期連続の大幅増収増益を達成した。業績好調に伴い、24年3月期通期の同利益予想を従来の26億円→32.3億円に上方修正し、従来の19期ぶりの過去最高益予想をさらに上乗せした。
3位に入った綜研化学 <4972> [東証S]の10-12月期(第3四半期)業績は売上高117億円(前年同期比22.0%増)、経常利益13.4億円(同6.6倍)といずれも四半期ベースの過去最高を更新した。液晶ディスプレイ関連分野での生産調整が一巡し、中国市場を中心に粘着剤の需要回復が進んだほか、粘着剤生産設備の増産効果に加え、採算是正やコスト削減の進展も利益拡大につながった。好決算を受けて、株価は3月6日に3435円と約6年ぶりの高値をつけている。
4位には大型商業施設などの企画、設計、施工、市場調査を一貫して手掛ける船場 <6540> [東証S]が入った。10-12月期(第4四半期)は国内外で大型案件が順調に進捗したうえ、原価低減やDX(デジタルトランスフォーメーション)による効率化の推進、経費の圧縮なども寄与し、経常利益は7.7億円と前年同期比4倍に膨らんだ。同時に発表した24年12月期の同利益は14.5億円(前期比6.4%増)を見込み、配当は60円(前期比10円増)と4期連続の増配を計画する。
5位にリスト入りした消防ポンプ車最大手のモリタホールディングス <6455> [東証P]は国内向けに消防車の販売が好調だったことに加え、消化器や消火設備も大幅に増加し、10-12月期(第3四半期)は売上高201億円(前年同期比28.6%増)、経常利益14億円(同3.5倍)と3四半期連続の業績高変化を遂げた。
6位にリストアップされたCLホールディングス <4286> [東証S]の10-12月期(第4四半期)はIPコンテンツを活用したテーマカフェで物販が好調だったほか、インターネットサービス顧客向けBPOやエンターテインメント顧客向けOEMも大きく伸びた。決算発表と併せて、24年12月期は税引き前利益が前期比58.4%増の17億円に拡大し、配当も前期比11円増の27円に大幅増配する方針を示した。好決算を背景に、株価は約2年3ヵ月ぶりの高値圏を走る展開となっている。
続く7位はトヨタ系の塗装設備大手であるトリニティ工業 <6382> [東証S]がランクイン。10-12月期(第3四半期)の経常利益は前年同期比3倍の10.6億円に急拡大して着地。塗装設備の納入が増加したうえ、自動車内外装部品の引き合いも旺盛だった。好調な業績を踏まえ、24年3月期通期の業績見通しと配当予想を上方修正したことも評価され、株価は1日に1241円と約17年11ヵ月ぶりの高値まで上値を伸ばしている。
┌─ 経常利益 ─┐ ┌─ 売上高 ─┐ 増収増益 予想
コード 銘柄名 増益率 10-12月期 増収率 10-12月期 連続期数 PER
<6391> 加地テック 6067 370 93.7 2442 2 17.6
<7859> アルメディオ 1423 1447 256 4534 3 11.5
<4972> 綜研化学 558 1349 22.0 11757 2 9.2
<6540> 船場 305 777 48.8 9067 2 12.3
<6455> モリタHD 250 1402 28.6 20120 3 13.3
<4286> CLHD 243 531 26.2 11579 2 16.0 *
<6382> トリニ工 203 1064 39.6 9778 2 10.6
<2207> 名糖産 183 704 10.8 6946 2 27.4
<5237> ノザワ 182 606 11.8 6115 3 11.2
<9268> オプティマス 160 1193 62.7 21584 2 15.7
<6727> ワコム 157 1666 12.3 33560 2 24.1
<5254> Arent 129 215 61.8 712 2 60.7
<1726> Br.HD 116 978 21.3 11683 2 12.7
<6369> トヨカネツ 110 646 19.8 13872 2 11.9
<1965> テクノ菱和 101 1550 19.0 19198 2 10.1
<5965> フジマック 93.1 873 26.2 11250 2 8.3
<9377> AGP 87.1 320 19.3 3285 2 19.0
<6643> 戸上電 85.7 1027 10.9 7162 2 8.8
<6356> 日ギア 85.1 842 32.6 2836 3 7.5
<9470> 学研HD 79.0 1029 11.9 42749 2 14.7
<6745> ホーチキ 72.7 2789 13.8 24721 2 10.3
<6062> チャームケア 68.0 1040 14.4 8576 3 13.8
<3096> オーシャンシ 67.5 759 12.0 22977 2 7.8
<6330> 東洋エンジ 63.2 1105 58.7 72318 2 6.8
<6339> 新東工 57.6 1909 11.4 28696 2 11.0
<8929> 青山財産 57.4 1412 31.3 10399 2 13.9
<1904> 大成温調 52.7 652 25.7 15929 3 19.2
<7358> ポピンズ 51.9 840 12.2 7799 2 14.4
<7366> りたりこ 47.9 1232 26.7 7683 3 19.9 *
<1853> 森組 47.6 400 13.2 7423 2 16.3
<9823> マミーマート 43.3 2308 11.8 40057 3 13.6
<7595> アルゴグラフ 40.8 2328 27.2 13820 2 13.9
<5038> eWeLL 36.1 200 27.8 570 2 28.3
<3649> ファインデ 32.9 707 11.3 1717 2 25.4
<5819> カナレ電気 25.6 569 26.2 3832 2 11.9
<3901> Mラインズ 22.2 534 16.8 1260 3 25.1
<1375> 雪国まいたけ 20.9 2391 12.9 16863 2 26.0 *
※売上高、経常利益の単位は百万円。増益率、増収率は前年同期に比べた増加率、単位は%。連続期数は四半期ベースの連続回数。「*」は国際会計基準を採用する銘柄。
株探ニュース