エフ・コード Research Memo(7):2024年12月期も大幅な増収増益を継続(1)
■エフ・コード<9211>の今後の見通し
1. 2024年12月期の業績見通し
2024年12月期(IFRS)の連結業績は、売上収益4,633百万円(前期比86.7%増)、営業利益で1,350百万円(同107.1%増)、税引前利益1,274百万円(同108.2%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益775百万円(同59.9%増)と大幅な増収増益を見込む。さらなる成長を目指し、2024年1月にはデータサイエンスによるLTVマーケティング事業を提供するBINKSをM&Aにより連結子会社化した。上場以後のM&Aはこれで10件となった。これら各事業のオーガニックな成長とともに、グループの各プロダクト、サービスのクロスセルをはじめ、グループ各社によるWebサイト構築から集客、リピート促進までの一気通貫での顧客支援、さらに、SNSサミットなどのイベント・セミナー主催や販売パートナーとの業務提携によるクライアント拡大などの施策を展開し、計画達成を目指す。なお、そのほかのM&Aなどノンオーガニック成長は織り込まない計画としている。
2023年12月期において、継続型売上が売上収益の89%を占めるサブスク型ビジネスであり、顧客数は2,616社と2年間で上場時の約10倍まで拡大したことで、今後の成長に向けた収益基盤は整ったと思われる。今後、マーケティング費用やM&Aにかかる費用の投下などによる変動は想定されるが、M&Aで獲得した9件の事業収益を反映した直近四半期の収支状況(2023年12月期第4四半期の売上収益901百万円、営業利益231百万円)、BINKSの直近決算見込み(2023年12月期の売上収益500百万円、営業利益363百万円)、並びに各事業の成長スピードなどを考慮すれば、保守的な会社計画であると弊社では判断している。
財務状況としては、2024年1月にBINKSの子会社化のために2,550百万円の借入を実行し、自己資本比率は再び2022年12月期末に近い水準に低下していると思われる。しかし、2024年12月期末にはEBITDAが15.9億円と前期を8.8億円上回る水準まで積み上がり、有利子負債から現預金を控除したネットデットはEBITDAの2.4倍となる見込みだ。親会社所有者帰属持分比率(自己資本比率)も27.7%と前期比で1.4ptの低下に留まる見通しだ。事業の成長に伴う収益力の向上により財務安全性は担保されていると言えよう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)
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提供:フィスコ