CDG Research Memo(3):2023年12月期はIPライセンスを活用したSP等により、実質増収増益に
■業績動向
1. 2023年12月期の業績概要
CDG<2487>の2023年12月期の連結業績は売上高で11,312百万円、営業利益で458百万円、経常利益で506百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で378百万円となった。前期が9ヶ月の変則決算であったため、前年同期間(2022年1月?12月)との比較で見ると、売上高で9.1%増、営業利益で27.7%増、経常利益で21.8%増、親会社株主に帰属する当期純利益で7.6%減となり、特別利益の減少により減益となった親会社株主に帰属する当期純利益を除いて増収増益となった。
四半期業績の推移を見ると、第3四半期までは飲料・嗜好品業界及びファッション・アクセサリー業界で例年獲得していた大型案件の失注、流通企業向けに新たな取り組みとして開始したIPコンテンツを活用した物販の不発により、約70百万円の損失を計上し低迷が続いた。第4四半期は、大手外食チェーンの海外BPO案件や、大手流通企業向けにIPコンテンツを活用したクリスマスキャンペーン企画など大型案件が売上に貢献し、売上高で前年同期比40.6%増の4,257百万円、営業利益で同197.5%増の464百万円と、一気に挽回した。
売上原価率が前期の69.4%から69.8%と若干上昇した。IPを活用した物販が低調で、不採算となったことが主因だ。具体的には、コンビニエンスストアの書籍販売コーナーでIPを活用した手帳を販売したが、告知が不十分で売上が伸びず、在庫処分した。一方、販管費率は前期の27.2%から26.1%に低下した。2021年秋に導入したSFAツールの運用習熟度が増し、案件ごとの収益管理が徹底されたことや、DX推進による業務効率の向上で人件費を抑制できたことが要因だ。期末の連結従業員数は前期末比2名減の269名、うち営業人員(後方支援スタッフ含む)は同1名増の227名となった。なお、特別利益として保険解約返戻金62百万円を計上した。会社計画に対して、例年受注していた案件の失注により売上高が4.5%下回ったものの、DX推進による生産性向上やBPOサービスの伸長により各利益は計画を上回って着地した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
《HH》
提供:フィスコ