スカラ Research Memo(9):事業構造改革の実施により自己資本比率が一時的に低下する見込み
■業績動向
3. 財務状況と経営指標
スカラ<4845>の2024年6月期第2四半期末の財務状況を見ると、資産合計は前期末比664百万円減少の17,652百万円となった。流動資産では、棚卸資産が109百万円増加し、現金及び現金同等物が75百万円、未収法人所得税が135百万円それぞれ減少した。非流動資産では、有形固定資産が56百万円、使用権資産が250百万円、その他長期金融資産が107百万円それぞれ減少した。
負債合計は前期末比30百万円減少の10,196百万円となった。有利子負債が334百万円増加した一方で、リース負債が271百万円、未払法人所得税が75百万円減少した。資本合計は同633百万円減少の7,455百万円となった。親会社の所有者に帰属する四半期損失246百万円を計上したほか、配当金323百万円を支出したことが主な減少要因となった。
経営指標を見ると、有利子負債の増加と四半期純損失の計上により、親会社所有者帰属持分比率が前期末の42.8%から40.8%に低下し、有利子負債比率が前期末の76.6%から87.9%に上昇するなど財務体質は若干悪化したが、ネットキャッシュ(現預金-有利子負債)はプラスを維持しており、財務の健全性は維持していると判断される。なお、2024年1月より大規模な事業構造改革に着手しており、のれんの減損処理も含めてバランスシートもスリム化することが予想され、2024年6月期末の親会社所有者帰属持分比率などはさらに低下する見込みだが、2025年6月期以降は事業構造改革の効果により、これら指標も改善に向かう見通しだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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提供:フィスコ