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6458 新晃工業

東証P
4,150円
前日比
-80
-1.89%
PTS
4,150円
13:08 11/27
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
13.7 1.66 3.61 59.07
時価総額 1,070億円
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新晃工業 Research Memo(1):新中期経営計画を策定、2027年3月期営業利益86億円を目指す


■要約

1. セントラル空調機器のリーディングカンパニー
新晃工業<6458>はセントラル空調機器のリーディングカンパニーで、大型オフィスビルやデータセンターなどのセントラル空調システム向けに空調機を製造販売している。主力製品は空気調和機(AHU:Air Handling Unit。以下、ヒートポンプAHUとの対比として水AHUという)とファンコイルユニット(FCU:Fan Coil Unit)で、戦略商品としてヒートポンプAHUの製造販売も行っている。製品及びサービスの分類は、空調機器製造・販売事業(国内)、工事・サービス事業、ビル管理事業、空調機器製造・販売事業(海外)の4つである。事業環境は、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)や原材料高、円安といったリスクが一巡するなか、都市再開発需要に加え産業空調やデータセンター向け空調の需要が拡大期に入った状況である。

2. 一貫体制や需要予測精度などに加え、新しい製販体制も強み
主力の水AHUは、室内からの還気(室内の空気を循環使用するため、ダクトを通って空調機の吸い込み側に返ってくる空気のこと)と同時に外気を取り込み清浄化して各室に給気する機器で、セントラル空調システムで使用される。戦略商品のヒートポンプAHUは、セントラル空調の空調品質と熱源の分散という利便性を兼ね備えた個別空調機で、乾燥しがちな冬季の加湿などの要請から近年になってニーズが強まってきた。ほかに空調関連機器・サービスの開発や工事・メンテナンスなど、周辺事業も強化している。同社の強みは、設計から製造・販売、工事・サービスまでの一貫体制や工場をフル稼働させるノウハウ、長年の実績に基づく需要予測精度の高さにあるが、労働集約的な強みについては、SIMA(SINKO Innovative Manufacturing of AHU)プロジェクトによる新しい製販体制の構築で仕組みが大きく進んだ。

3. 業況好調に価格改定効果が加わり、2024年3月期業績予想を上方修正
2024年3月期第2四半期の業績は、売上高22,290百万円(前年同期比24.5%増)、営業利益2,527百万円(同73.2%増)となり、期初の第2四半期予想に対して売上高で3,290百万円、営業利益で877百万円超過達成するなど非常に好調だった。東京や地方の都市再開発に加え、国内回帰の半導体工場やデジタル化でニーズが広がるデータセンター向けなど旺盛な需要が継続していること、原材料高に対して価格改定が進行したことなどが要因である。このため2024年3月期の業績予想は、第2四半期の好調とその後の注力事業の進捗・受注状況などを考慮して、期初予想に対して売上高で3,500百万円、営業利益で800百万円の上方修正となり、売上高50,000百万円(前期比11.6%増)、営業利益7,100百万円(同18.4%増)としているが、さらに向上の余地があるだろう。

4. 新中期経営計画「move.2027」では2027年3月期営業利益86億円などを目指す
現中期経営計画の「move.2025」は、業績好調によりおおむね1年前倒して定量目標を達成する見込みとなった。また、SIMAプロジェクトによる新しい製販体制の構築など定性目標も順調に進行している。このため、攻めに転じるべきとの経営判断の下、同社は新たな成長ストーリーの推進と資本コストに基づく高度な経営を目指す新中期経営計画「move.2027」(2025年3月期~2027年3月期)を策定、2027年3月期に売上高560億円、営業利益86億円、ROE10%以上、配当性向50%、DOE下限3.5%、PBR(株価純資産倍率)1倍以上を目指すこととなった。そのために、新たな事業戦略、財務戦略、非財務戦略を展開する計画だが、なかでも企業価値の向上は大きなテーマで、ROEの向上と株主資本コストの低減を目指すとともに、株主還元を強化する方針である。

■Key Points
・セントラル空調機のリーディングカンパニーで、個別空調にも参入
・産業空調の好調や価格改定効果などにより現中期経営計画を前倒し達成
・新中期経営計画では2027年3月期営業利益86億円、ROE10%以上を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

《HH》

 提供:フィスコ

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