GMOメディア Research Memo(6):無借金経営で手元キャッシュは過去最高水準に積み上がる
■GMOメディア<6180>の業績動向
3. 財務状況と経営指標
2023年12月期末の資産合計は前期末比485百万円増加の5,470百万円となった。主な増減要因を見ると、流動資産では現金及び預金と関係会社預け金の合計が409百万円増加した。また、固定資産は有形固定資産が7百万円、のれんが12百万円それぞれ減少した一方で、ソフトウェアが19百万円、投資有価証券が19百万円それぞれ増加した。
負債合計は前期末比174百万円増加の3,068百万円となった。主に買掛金が113百万円、未払金が45百万円、ポイント引当金が31百万円増加した。また、純資産合計は同310百万円増加の2,401百万円となった。親会社株主に帰属する当期純利益の計上及び配当金支出により利益剰余金が268百万円増加したのが主因だ。
経営指標については、経営の安全性を表す自己資本比率が収益増に伴って43.5%と前期末比で1.7ポイント上昇した。無借金経営で現金及び預金と関係会社預け金の合計が3,277百万円と潤沢であることから、財務の健全性は高いと判断される。収益性についてもROA(総資産経常利益率)、ROE(自己資本当期純利益率)、売上高営業利益率ともに3期連続で上昇しており、2020年12月期以降の投資育成事業への戦略的な投資の効果が顕在化したものと評価される。実際、同社の2023年12月期の売上総利益構成比を2016年12月期と比較すると、2016年12月期はポイ活メディア事業(ポイントタウンやゲームプラットフォーム事業)が50.6%、掲示板等のソーシャルメディア事業が38.0%と両事業で大半を占める収益構造となっていたが、2023年12月期はポイ活メディア事業で39.7%、投資育成事業で23.9%、ソリューション事業で25.8%とバランスの取れた収益構造となっている。市場環境の変化により事業縮小を進めたソーシャルメディア事業の落ち込み分を投資育成事業でカバーするところまできている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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提供:フィスコ