GMOメディア Research Memo(5):「コエテコ」は1.6倍増、「キレイパス」は1.5倍増と順調に成長
■GMOメディア<6180>の業績動向
2. 事業セグメント別動向
(1) メディア事業
2023年12月期の売上高は前期比13.2%増の5,446百万円、営業利益は同159.8%増の385百万円となった。主要サービス別の売上動向では、ゲームプラットフォーム事業における課金収入、広告収入がそれぞれ前期比30%増と好調に推移したほか、投資育成事業の「コエテコ」が同60%増、「キレイパス」が同50%増とそれぞれ順調に成長し、利益増に貢献した。「ポイントタウン」は同2%増と伸び悩んだが、原価率の低い広告収入が伸長し利益率は大きく改善した。一方、「くまポン」は人的リソースを「キレイパス」にシフトした影響で低調に推移した。利益率の高いサービスの伸長に加えて、販促費や広告宣伝費の減少も増益要因となり、営業利益率は前期の3.1%から7.1%に上昇した。
ゲームプラットフォーム事業の売上高は四半期ベースでも右肩上がりに拡大し、第4四半期は前年同期比47%増となった。課金収入が好調に推移した要因としては、2022年6月よりNTTドコモの「ポイント広場」向け、同年12月よりauのゲームポータルサイト「イージーゲーム」向けに人気ゲームコンテンツの提供を開始した効果が大きい。実際、PC経由の課金収入は2022年以降、横ばい水準で推移しているのに対し、スマートフォン経由の課金収入は2022年後半以降大きく伸長しており、2023年12月期は前期比8割増と急成長した。また、無料の広告ゲームをプレイするユーザーに対して課金ゲームをリコメンドする取り組みも課金収入の増加に寄与した。一方、広告収入についてはゲームタイトル数の追加などコンテンツ拡充に取り組み、アクティブユーザー数が前期比2ケタ増と拡大したことや、サイト改善などの成果もあってアドネットワーク広告単価が下期に入って上昇したことも売上好調の要因となった。なお、2023年12月期第4四半期のアクティブユーザー数は前年同期比18%増の573万人と過去最高を更新した。
「コエテコ」は社会人向けの「コエテコcampus」が急成長し、売上のけん引役となった。IT人材の慢性的不足が続くなかで、リスキリングに対する国の補助金政策も後押しになって、プログラミングやWebデザイナーの資格取得を目指す社会人が増え、スクールの口コミ掲載数で業界トップの「コエテコ campus」のアクセス数が増加し高成長につながった。一方で、子ども向けの「コエテコ」については掲載教室数の増加が一巡したこともあり伸び悩んだようで、「コエテコ」全体の売上構成比も7割超が「コエテコcampus」で占めたと見られる。また、2023年10月より独立や転職・副業を目指す社会人向けのポータルサイトとして「コエテコキャリア」を新たに立ち上げている。
「キレイパス」については新規クリニックの掲載数増加やアプリUI/UXの継続改善により、登録会員数が2023年12月時点で前年同月比48%増と順調に拡大していることが好調の背景となっている。チケット購入数も前年同月比18%増と2ケタ成長が続いている。なお、「キレイパスコネクト」についてはオンラインセミナーの開催や機能強化を進めており、着実に導入件数が伸び始めている。
(2) ソリューション事業
ソリューション事業の売上高は前期比5.1%増の819百万円、営業利益は同8.2%減の148百万円となった。「GMOリピータス」の売上高は主要顧客でレベニューシェアの比率が変更となった影響もあり同1%増と微増にとどまった。ASP事業は、下期に金融ジャンルで大型案件の停止があったものの、その他案件の増加でカバーして同6%増となった。利益面では、売上構成比の変化や下期から「GMOリピータス」のシステムリプレースの開発をスタートさせたことで、減益となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
《HH》
提供:フィスコ